前世の記憶を思い出した皇子だけど皇帝なんて興味ねえんで魔法陣学究めます

当意即妙

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学園生活をエンジョイする

癖の強い先生

「……はあ。どうしようかな……」

俺は教室を飛び出したは良いものの、どこにも行く宛てなどなく、ふらふらと学園内を彷徨っていた。流石に敷地外に出たら色々問題だからね。護衛とかそう言うのが。

幸いこの時間はどのクラスも教室にいるようで、クラス棟を出れば人を見かけなかった。皇子が授業初日からサボりとか色々問題がありすぎる。まず父上に怒られる。それは避けなければ。

そんなことを考えながら歩いていると、庭園みたいな場所に出た。ここだと人通りも少なそうだし、ここで時間を潰そうかな。

俺はいい感じのベンチを見つけたので、そこに腰を下ろした。

……本当、どうしよう。あの調子を2年間も続けられるのは辛いけど、昨日のあの一件3馬鹿説教を見ててあの態度なんなら、何を言っても無駄な気がする。だって暗に「俺は身分とか気にしないよー」って言ったのに、めちゃくちゃ殿下として配慮されちゃったからね。わかりにくかったのかな?

「あら~?授業初日からサボりだなんて、Not So Goodよ!」

いきなり声をかけられた俺はびっくりしてガバッと顔を上げた。そしてまた驚くこととなる。

「……あら?誰かと思えばMr.殿下じゃない!Long time no see!」

「……パヌ先生、ですか?何故ここに……」

独特の英語交じりの口調のは、ほんの短い期間の関わりだったけど、俺の記憶の中に印象強く残っていた。

パヌ先生は、俺が10歳の時の建国記念式典の準備で、俺にダンスを教えてくれた講師だ。

パヌ先生はあの頃と変わらない調子で俺の隣に座って来る。

「Youみたいなサボり魔がいないかCheckしているのよ。アタシはMy Classroomを持たないからね」

「……パヌ先生って、ここの教員なのですか?」

「あらやだ、知らなかったの?アタシ、この学園のVeteran Teacherよ」

パヌ先生はキョトンとした後に、パチンとウインクをした。俺は目からウロコの事実だ。まさか学園の教師がダンスの講師をしてたなんて。

「……担当の教科は何ですか?」

「勿論Danceよ。偶に礼儀・作法も見るけれども」

「……何故私のダンスの講師をしたのですか?」

「そりゃMr.陛下に頼まれたからに決まってるじゃない。アタシとMr.陛下はClassmatesだったからね」

俺は一旦、なるほどと納得した。だけどすぐにあることが引っかかって動きを止める。Classmates……クラスメイト……同級生!?

「えっ!?パヌ先生って父上と同い年なのですか!?」

「そんなに驚くことかしら?」

「もっとお若いのだと思ってました……」

「あら、嬉しい!Thanksよ!」

パヌ先生は満面の笑みでわしゃわしゃと俺の頭を撫でた。若く見られて喜んでるのかな?でもちょっと激しい……!頭ぐわんぐわんする……!

「LadyのHeartをよくわかってるじゃない!将来モテるわよ!……あら、Sorryね。Mr.殿下には愛しのBoyfriendがいるのよね!」

パヌ先生の手が離れて乱れた髪を直していると、さらりと爆弾を落とされた。俺はピシッと固まった後、ぎぎぎとパヌ先生に顔を向けた。

「……昨日の話、聞いていたのですか……」

「その場にはいなかったけど、Rumorで聞いたわ。もう学園中に広がっているんじゃないかしら」

「……本当ですか……」

俺は頭を抱えた。まじか。いや、こうなることは承知で……と言うよりこれを狙ってカミングアウトしたんだけどさ。情報伝達、早すぎない?流石にちょっと恥ずかしくなってきた。いや自分が起こしたことだけど!俺の思惑通りだけど!

「相手はもちろんMr. Väinämöよね?」

「ななな何で知ってるんですか!?」

俺は慌ててガバッと顔を上げて目を見開くと、パヌ先生はにんまりと悪戯っ子のような笑みを浮かべた。

「あら!アタシはYouのDance講師をした時から薄々気づいていたわよ?あれでわからないと思ったのかしら?短期間だったけど、YouもHeもわかりやすかったわ!」

「いや、あの時はまだ付き合ってませんから!」

「両片思いなのがバレバレだったのよ!」

まじか!そんなに前から俺たち両片思いだったのか!

いや待って。俺はともかく、ヴァイナモは違うでしょ!?だってあの時、俺はまだ10歳だよ!?恋愛に年齢は関係ないとは言うけれど!流石にそれはないって!

俺は疑わしげにパヌ先生を凝視するが、パヌ先生はその視線をサラッと流して話を変えた。

「さて、Mr.殿下。沈んだFeelingは紛れたかしら?」

「……まあ、お陰様で」

「ならYouに何かあったのか、教えてくれるかしら?」

ニヤニヤと笑っていたパヌ先生が一転、真剣で、それでいて妖艶さまで感じさせられるような微笑を浮かべた。俺はその空気に呑まれそうになりながらも何とか気を確かにして、ポツポツと先程の出来事を話した。

話を聞き終えたパヌ先生は「Hahaha!」と明るい調子で笑った。

「それは皇族なら誰でも通るWayだわ!Your SiblingsもYour Fatherもそうだったもの!」

「……カレルヴォ兄上も父上も、ですか?」

「そうね。特にMr.陛下のTwinsのOlder Brotherは第一皇子だったから、帝位継承権争いも絡んできててんやわんやだったわ」

パヌ先生は遠い目をして黄昏た。余程の苦労があったのだろう。確かに双子で、しかもそれが第一皇子と第二皇子だったら、色々思惑もあるだろうし……。

そう言や俺、父上のお兄さんについてあまり知らないな。父上と仲が良くて、父上の即位直前ぐらいに事故で亡くなられた、ぐらいしか……。待って。名前すら知らないや。どうしよう。故人とは言え俺の伯父上なのに!

「……と、あまり喋りすぎたらMr.陛下から怒られるわ」

「……父上、怒るのですか?」

「まあ、ね。箝口令が出されているもの」

パヌ先生は気まずげにそう言った。ああ、だから俺は伯父上についてほとんど知らないのか。みんなが話さないから。……でも、何で話したら駄目なんだろ?何かあるのか?……父上の即位直前って言うのも何かきな臭いし、色々ゴタゴタがあったんだろうな。

変な空気がその場に流れたが、それはパヌ先生の柏手と鼓舞するような声色によって払拭された。

「……まあ!その話は置いておいて!YouのFatherも通ったWayだけど、何とか気まずい空気を払拭することにSuccessしてたわ!Don't give up!諦めるにはToo Earlyよ!」

「……そうですね。たかが1度、こんなことがあったぐらいで悲観するのも時期尚早ですね。頑張ってみます」

「そう!その意気よ!Good luck!」

パヌ先生はニカッと快活な笑顔で俺の背中を叩いた。結構な力だったので、俺は「うぐっ」と唸り声を上げて背中を摩りながらゆっくり立ち上がった。

「……パヌ先生、相談に乗って下さり、ありがとうございます」

「どういたしまして!また何かあったら遠慮なく相談しなさい!勿論、YouのSiblingsのSchool Daysの話を聞きたい、でもOKよ!」

「……ふふっ。ならまた今度、カレルヴォ兄上の話を聞きに来ますね」

俺は気分が軽くなるのを感じながら一度、深々と頭を下げてその場を後にした。




* * * * * * * * *




2022/03/16
誤字修正しました。
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