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学園生活をエンジョイする
デートしましょう
「あっ!殿下!お疲れ様ですー!」
俺が驚いて声を上げると、ヴァイナモの向かい側に座っていたダーヴィドが俺に手を振ってきた。俺は呆然としながらも反射で手を振り返す。するとダーヴィドは目を見開いた後、嬉しそうにヴァイナモの方を見た。
「ねえねえ!珍しく殿下が私に手を振り返してくれたよ!いつも皇族スマイルだけだったのに!」
「それは良かったですねダーヴィド先輩」
「ええ~反応薄い~。まあヴァイナモはいつも激甘な反応貰ってるんだろうけど~殿下って割と塩対応なんだよ~」
「それはダーヴィド先輩の第一印象がアレだったからでは?」
「もうっ!このカップル揃いも揃って私に塩対応なんだから!」
ダーヴィドは唇を尖らせてヴァイナモも指差してプンスコ怒る。この反応は女子がやるから可愛いのであって、いい歳した男がやるモンじゃない。確かにダーヴィドは可愛らしい顔立ちだけど、ガタイが良いから……ね。ちょっとキツいのよ、絵面的に。まあこれがダーヴィドだから今更変わって欲しくないけど。
ヴァイナモはダーヴィドの抗議を右から左へ受け流してコーヒーのカップを机の上に置くと、座ったまま俺の方に身体を向けた。
「それより、エルネスティ様。クラスの出し物の方はよろしいのですか?」
「あっ、はい。今は休憩中です。ヴァイナモこそ、ここにいていいんですか?ヴァイナモはこの学園のOBじゃないですよね?」
「大丈夫ですよ。俺は今日非番なのですが、騎士団第四部隊隊長からのヘルプを受けて、カレルヴォ殿下の護衛として来ていますので」
ヴァイナモの説明を聞いてもいまいちピンとこない俺は、こてんと首を傾げた。その様子に気づいたカレルヴォ兄上が補足を入れてくれる。
「学園の文化祭には卒業生である皇族がよく来るからな。特に皇子皇女は必ずと言って良いほど来る。そりゃ護衛を担当する第四部隊もてんやわんやで人手が足りねえ。だから本来お前の専属護衛騎士であるヴァイナモに俺の護衛を頼めるか声がかかったんだ」
「とんだご冗談を。辺境に行く訳でもないのであまり豪勢な護衛も要らない上に、騎士団第四部隊には皇子皇女がこぞって別々の敵国に乗り込んだとしても護りきれるほどの人手と能力が揃っているでしょうに」
俺が冷静に指摘すると、カレルヴォ兄上はふいっと視線を逸らして口笛を吹き始めた。これは絶対、俺に会わせるためだけに連れて来たな。てかカレルヴォ兄上の実力なら護衛なんて必要ないでしょ。
「そもそもヴァイナモたちをここに置いてきて校内を回っていたのなら護衛の意味がないでしょうに。もっとマシな言い訳無かったのですか?」
「……いや、エルネスティのクラスの前の廊下が混んでいたから、5人でぞろぞろと歩くのに気が引けてな。なら一度俺たちで偵察してくるから待ってろって命令したんだ」
「……確かにその気遣いは有難いですが、カレルヴォ兄上は反則技でヴァイナモをここに連れて来てる自覚はないんですか?」
「エルネスティよ。世の中は本音と建前が大事なんだぞ」
「その建前が不良建築だから本音を支えきれてないのですよ」
俺は呆れてため息をついた。カレルヴォ兄上は気にする様子もなくカラカラと笑う。カレルヴォ兄上って基本的に常識人だけど、どっかそういうとこあるよね。
「まあいいじゃねえか。ヴァイナモは無理矢理連れて来たんじゃなくて、ちゃんと本人に提案して、是非ともよろしくって訳で連れて来たんだし。お前も、折角の文化祭なんだし、ヴァイナモと遊びたいだろ?それともなんだ?ヴァイナモは連れて来て欲しくなかったのか?」
「まあ、ヴァイナモを連れて来てくれたことには感謝してます。……最近文化祭の準備で忙しくて、あまりゆっくり2人の時間を満喫してませんでしたし」
俺がそっぽを向いてそう答えるとカレルヴォ兄上はにんまりとご満悦な表情を浮かべた。隣りではユスティーナ義姉上が優雅な微笑みのまま木材を粉砕しており、ダーヴィドは「これぞまさしくてぇてぇ……!」と天を仰いで崩れ落ちた。その場はカオスである。遠くでユルヤナがいつ助け舟を出すべきかと緊張した面持ちでこちらを静観していたので、なんだか申し訳ない気持ちになった。ごめんね、俺の周りって濃ゆい人が多いから……。
「……エルネスティ様。もしお時間があるのでしたら、これから俺と2人で文化祭を回りませんか?」
収拾不可能となったと察したのか何なのか、ヴァイナモが控えめにそう提案してきた。こっ、これはっ!ででで、デートだよね!?デートのお誘い……で良いよね!?
「えっと、良いんですか?」
「はい。元々カレルヴォ殿下にはエルネスティ様と2人で回ることに関して許可を事前にとってありますし、俺は文化祭を経験したことないので……是非エルネスティ様と楽しみたいんです」
ヴァイナモは年相応に笑って言った。いやガチでイケメェェェン……。うぐぅ……。ヴァイナモの紳士スマイルが俺の心臓を鷲掴みにする……!
カレルヴォ兄上は呆れたように息をつくと、我が子を見守る父親のような慈愛に満ちた双眸を向けて来た。ユスティーナ義姉上は顔ぐらいの大きさの木の板をバキッと真っ二つに割り、ダーヴィドは机に突っ伏して手足をジタバタとさせた。カオスって増幅するんだなあ……(遠い目)
「……なら、よろしくお願いします」
「はい。パンフレットは持っているので、今から回る場所を決めましょう」
ヴァイナモがパンフレットを取り出すとダーヴィドは空気を読んで席を俺に譲ってくれた。その表情は「我が生涯に一点の悔いなし」と物語っていた。……勢い余って天に召されないでね?
「……じゃあ、邪魔者な俺たちはさっさと退散しますか」
「そうですね!私も一人で気侭に楽しんできます!」
「あら、貴方は私たちとは別行動ですの?」
「婚約者水入らずを邪魔するほど野暮じゃないですよ」
ダーヴィドは「やだな~」と手をヒラヒラさせた。ちょっと軽いとこがあるが、ダーヴィドは空気を読める人間だ。と言うかカレルヴォ兄上とダーヴィドってほぼ接点ない。俺経由の知り合いって程度だから、文化祭を一緒に回るのはちょっと気まずすぎる。
……そう言えば。
「ダーヴィドって他人の恋愛事情でキャーキャー言ってますけど、そう言う自分には恋人とかいるのですか?」
俺はふと疑問に思ったことをダーヴィドに聞いた。ダーヴィドが話す恋バナはいつも他人のことで、ダーヴィド自身の話を聞いたことがなかったのだ。ダーヴィドが話さないのでは不公平でしょ!いないのであれば、ちょっくら弄ってやろうかな。
その問いは俺にとっては何気ない会話の延長線だった。けれど意外なことに、俺の問いかけにダーヴィドは一瞬暗い表情を見せた。だが瞬きした次の瞬間には元通りに戻っており、俺は見間違えかと首を傾げる。
「……いないですよ!私自身が恋愛するのは別に興味ないと言いますか、他人のを見て悶えるのが楽しいと言いますか。……兎に角、私に恋人は必要ありません」
ダーヴィドが堂々といないと発言しても、俺は弄ることが出来なかった。
いつものように明るく話すダーヴィドだったが、俺にはなんだか空元気なように見えて、俺の胸の中にひっかかりを残したのだった。
俺が驚いて声を上げると、ヴァイナモの向かい側に座っていたダーヴィドが俺に手を振ってきた。俺は呆然としながらも反射で手を振り返す。するとダーヴィドは目を見開いた後、嬉しそうにヴァイナモの方を見た。
「ねえねえ!珍しく殿下が私に手を振り返してくれたよ!いつも皇族スマイルだけだったのに!」
「それは良かったですねダーヴィド先輩」
「ええ~反応薄い~。まあヴァイナモはいつも激甘な反応貰ってるんだろうけど~殿下って割と塩対応なんだよ~」
「それはダーヴィド先輩の第一印象がアレだったからでは?」
「もうっ!このカップル揃いも揃って私に塩対応なんだから!」
ダーヴィドは唇を尖らせてヴァイナモも指差してプンスコ怒る。この反応は女子がやるから可愛いのであって、いい歳した男がやるモンじゃない。確かにダーヴィドは可愛らしい顔立ちだけど、ガタイが良いから……ね。ちょっとキツいのよ、絵面的に。まあこれがダーヴィドだから今更変わって欲しくないけど。
ヴァイナモはダーヴィドの抗議を右から左へ受け流してコーヒーのカップを机の上に置くと、座ったまま俺の方に身体を向けた。
「それより、エルネスティ様。クラスの出し物の方はよろしいのですか?」
「あっ、はい。今は休憩中です。ヴァイナモこそ、ここにいていいんですか?ヴァイナモはこの学園のOBじゃないですよね?」
「大丈夫ですよ。俺は今日非番なのですが、騎士団第四部隊隊長からのヘルプを受けて、カレルヴォ殿下の護衛として来ていますので」
ヴァイナモの説明を聞いてもいまいちピンとこない俺は、こてんと首を傾げた。その様子に気づいたカレルヴォ兄上が補足を入れてくれる。
「学園の文化祭には卒業生である皇族がよく来るからな。特に皇子皇女は必ずと言って良いほど来る。そりゃ護衛を担当する第四部隊もてんやわんやで人手が足りねえ。だから本来お前の専属護衛騎士であるヴァイナモに俺の護衛を頼めるか声がかかったんだ」
「とんだご冗談を。辺境に行く訳でもないのであまり豪勢な護衛も要らない上に、騎士団第四部隊には皇子皇女がこぞって別々の敵国に乗り込んだとしても護りきれるほどの人手と能力が揃っているでしょうに」
俺が冷静に指摘すると、カレルヴォ兄上はふいっと視線を逸らして口笛を吹き始めた。これは絶対、俺に会わせるためだけに連れて来たな。てかカレルヴォ兄上の実力なら護衛なんて必要ないでしょ。
「そもそもヴァイナモたちをここに置いてきて校内を回っていたのなら護衛の意味がないでしょうに。もっとマシな言い訳無かったのですか?」
「……いや、エルネスティのクラスの前の廊下が混んでいたから、5人でぞろぞろと歩くのに気が引けてな。なら一度俺たちで偵察してくるから待ってろって命令したんだ」
「……確かにその気遣いは有難いですが、カレルヴォ兄上は反則技でヴァイナモをここに連れて来てる自覚はないんですか?」
「エルネスティよ。世の中は本音と建前が大事なんだぞ」
「その建前が不良建築だから本音を支えきれてないのですよ」
俺は呆れてため息をついた。カレルヴォ兄上は気にする様子もなくカラカラと笑う。カレルヴォ兄上って基本的に常識人だけど、どっかそういうとこあるよね。
「まあいいじゃねえか。ヴァイナモは無理矢理連れて来たんじゃなくて、ちゃんと本人に提案して、是非ともよろしくって訳で連れて来たんだし。お前も、折角の文化祭なんだし、ヴァイナモと遊びたいだろ?それともなんだ?ヴァイナモは連れて来て欲しくなかったのか?」
「まあ、ヴァイナモを連れて来てくれたことには感謝してます。……最近文化祭の準備で忙しくて、あまりゆっくり2人の時間を満喫してませんでしたし」
俺がそっぽを向いてそう答えるとカレルヴォ兄上はにんまりとご満悦な表情を浮かべた。隣りではユスティーナ義姉上が優雅な微笑みのまま木材を粉砕しており、ダーヴィドは「これぞまさしくてぇてぇ……!」と天を仰いで崩れ落ちた。その場はカオスである。遠くでユルヤナがいつ助け舟を出すべきかと緊張した面持ちでこちらを静観していたので、なんだか申し訳ない気持ちになった。ごめんね、俺の周りって濃ゆい人が多いから……。
「……エルネスティ様。もしお時間があるのでしたら、これから俺と2人で文化祭を回りませんか?」
収拾不可能となったと察したのか何なのか、ヴァイナモが控えめにそう提案してきた。こっ、これはっ!ででで、デートだよね!?デートのお誘い……で良いよね!?
「えっと、良いんですか?」
「はい。元々カレルヴォ殿下にはエルネスティ様と2人で回ることに関して許可を事前にとってありますし、俺は文化祭を経験したことないので……是非エルネスティ様と楽しみたいんです」
ヴァイナモは年相応に笑って言った。いやガチでイケメェェェン……。うぐぅ……。ヴァイナモの紳士スマイルが俺の心臓を鷲掴みにする……!
カレルヴォ兄上は呆れたように息をつくと、我が子を見守る父親のような慈愛に満ちた双眸を向けて来た。ユスティーナ義姉上は顔ぐらいの大きさの木の板をバキッと真っ二つに割り、ダーヴィドは机に突っ伏して手足をジタバタとさせた。カオスって増幅するんだなあ……(遠い目)
「……なら、よろしくお願いします」
「はい。パンフレットは持っているので、今から回る場所を決めましょう」
ヴァイナモがパンフレットを取り出すとダーヴィドは空気を読んで席を俺に譲ってくれた。その表情は「我が生涯に一点の悔いなし」と物語っていた。……勢い余って天に召されないでね?
「……じゃあ、邪魔者な俺たちはさっさと退散しますか」
「そうですね!私も一人で気侭に楽しんできます!」
「あら、貴方は私たちとは別行動ですの?」
「婚約者水入らずを邪魔するほど野暮じゃないですよ」
ダーヴィドは「やだな~」と手をヒラヒラさせた。ちょっと軽いとこがあるが、ダーヴィドは空気を読める人間だ。と言うかカレルヴォ兄上とダーヴィドってほぼ接点ない。俺経由の知り合いって程度だから、文化祭を一緒に回るのはちょっと気まずすぎる。
……そう言えば。
「ダーヴィドって他人の恋愛事情でキャーキャー言ってますけど、そう言う自分には恋人とかいるのですか?」
俺はふと疑問に思ったことをダーヴィドに聞いた。ダーヴィドが話す恋バナはいつも他人のことで、ダーヴィド自身の話を聞いたことがなかったのだ。ダーヴィドが話さないのでは不公平でしょ!いないのであれば、ちょっくら弄ってやろうかな。
その問いは俺にとっては何気ない会話の延長線だった。けれど意外なことに、俺の問いかけにダーヴィドは一瞬暗い表情を見せた。だが瞬きした次の瞬間には元通りに戻っており、俺は見間違えかと首を傾げる。
「……いないですよ!私自身が恋愛するのは別に興味ないと言いますか、他人のを見て悶えるのが楽しいと言いますか。……兎に角、私に恋人は必要ありません」
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