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二章:無転生Fランクvsドラゴン

12 魔法歌の効果

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 身体が痺れる!?

「くっ!」

 何とかポイズンモスを切り払う。
 切られたモスは地面に落ちそのまま動かなくなった。

「ジンさん!?」

「大丈夫だ……」

 毒の粉を吸い込んだようで息が苦しい。
 汗が止まらず、体力が徐々に奪われる感覚がする。

「大丈夫じゃないです! 毒消し薬ありますから」

 ミファが薬を俺に飲ませようとする。
 だが俺は呼吸が辛くて中々上手く飲み込めなかった。

「…………それじゃあ、その、目を閉じてください」

 言われるがまま目を閉じると、ミファに口移しで強引に薬を飲まされる。

「んぐ、はあ。んはあ。はあ」

 薬を飲み込み呼吸を整える。
 汗が引いてきた。
 息苦しかったのは粉を吸い込んだからだけなのか、息苦しさはもうない。

「大丈夫ですか? さっきよりは具合良さそうですけど……」

「大丈夫だ。少し休もう。せっかくだから、何か歌ってくれないか?」

「は、はい。らーらーらー♪」

 気分を変えるには良いだろう。
 ポイズンモスの毒は、体力を奪う毒状態にする物と、身体を痺れさせてマヒ状態にする毒と二つの効果を持つ。
 毒状態は回復したものの、まだマヒは残って……。
 残って?
 あれ?
 手を握ったり開いたり。
 ん?
 マヒが回復していないか?

「おい、ミファ!」

「ひゃい!?」

「ちょっとステータスを見せてみろ」

「はい!」

 何かなんだか分からない様子でミファがステータスを開く。

「やっぱり」

 今まで表示されなかった歌の効果が見えるようになっている。
 効果が発揮される事で初めてステータス表示される能力だったようだ。

「ミファの歌の効果は状態異常回復だったんだ」

「え?」

「分からないはずだ。相手を眠らせたり、仲間の能力を一時的に上げたりじゃないもんな」

 仲間の誰かが状態異常にならない限り、絶対に分かりようがないスキル。
 これはかなりレアで貴重なんじゃないか?
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