天使の報告ファイル

ファイル№ 003

第五位官位の天使ディーンです。今日は朝から大変です。問題思考の神様が今朝は早くからデスクで『う～ん』と唸りっ放しデス。何か悪の計画が暗礁に乗り上げたのでしょうか？正直怖くて、覗きに行けません。本来ならば、もっと核心に迫る証拠を見つけて上に報告。私の成果が認められ遂に念願の神様への昇格なんて事を考えてたんです……が、このまま私まで巻き添えになって捕まるのはゴメンです。
　今回は昇格を諦めて、報告した方が良いでしょうか。思案の為所です。
  
「ディーンさ～ん！」
「ディ～ンさん！？居ませんか？居たらスミマセンがこちらに来て下さい」

大変です！困ってしまいました。私が悩んでいる間に神様にバレたのかもしれません。神様に先手を取られて報告を阻止させられます。ピンチ！です。

「ディ～ンさん！早く来て下さい！！」

あぁ～！遂に退路を絶たれたようです。仕方有りません。こう見えても私……敏腕天使です。神様の隙を突いて、正面突破で逃げ出すしか方法は無いようです。


「ハイ。神様お呼びでしょうか？」

「あぁ～良かった。助けて下さい」

おや？風向きが変わりました！？神様悪の働きを辞め自首する御積りでしょうか？

「判りました。でわ「本当ですか！でわ、解決策を教えて下さい」
「えぇっ！！？か、解決策？って何ですか」

人の台詞を遮っておきながら……神様は変な事を言い出しました。自首以外に何をするお積り何でしょうか？此処はお気持ちを確かめるしか有りませんね。

「解決策とは、何ですか？」

「何って？　ホラ見てくださいよ」

神様は慌てた様子で、何時もの箱庭を指差しています。

「えっと……もしかして朝早くから唸っていたのは、箱庭の件ですか？」

「そうです。それ以外に何が！？それより覗いて下さいよ」

「えっと……アレ？両陣営に分かれて何やら争ってますね」

「はい。ソウナンです。この人達ご近所住まいの方々なんですが、どうやら騒音問題で揉めてる様なんです」

「……」

「良いですか！？訴えられてる方々は、元は昆虫さんやネコさん方なんですよ。そして、訴えてる方々は主に元鳥さん方と一部の昆虫さん方です」

「……で！？」

「……で！？って、ディーンさん此のままなら、町は崩壊ですよ。二つに分れ争いになってしまいますよ。惹いては戦争に発展しかねませんよ！重大な問題です」

「えぇ！！戦争ですか。それは、とっても危険じゃないですか！」

ヤバイ！ヤバイです。逃げられないと思った神様。遂に強硬手段を考えたかもしれません。人形の争いを使って、この天界を荒すおつもり何でしょうか。コ、コレは何としても止めなければ成りません。……だ、大丈夫です。わ、私見えて敏腕天使ですから、天界を危険から守って見せます。

「か、神様！争いの原因は何なんですか！？」

「夜間の騒音です。訴えられてる方々は元々夜行性で、訴えてる方々は昼後性なんです。私の浅はかさで、両者を隣近所に住まわせてしまったんですよ。どうしましょう？困りました。何か良い解決策有りませんか」

「……」

「どうしました？ディーンさん。早く解決策を！」

徐に私は、箱庭に手を突っ込み家のミニチュアを無理やり離してやりました」

「あぁっ！睨み合ってた両者が解散しますね……どうやら騒音問題は解決したようです。流石！ディーンさん。そんな荒業に走るとは予想もしませんでした」

「イエ。コウミエテ、ワタシ　ビンワンテンシ　デスカラ」
「スミマセン　ガ、　スコシ　オヤスミ　ヲ　イタダケ　ナイデショウ　カ？」

「そんな困ります。ディ～ンさんのお蔭で私助かってる事多いんですよ。コレからも、一緒に居て下さいね」