シグマの日常

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閑話2

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「それでは本日のゲスト、どうぞー!」

 ~♪ 雷音の提供のアレのBGM。

「どっかのうんち野郎の都合で終盤まで活躍がなくなってしまった! 春風悠〈はるかぜゆう〉さんでーす!」

 拍手が鳴る。
 その後に雷音の提供のお茶の間番組? と似ているようで似ていないセットに登場する春風。

「アソコらへんのビチビチ野郎のせいでこんなところに連れて来られましたー☆ 春風悠でーす! よろしくー!」

 遠慮がちとは到底言えないほど手を上げて満面の笑みを作る。

「はっはっはー! よろしくー! 春風さん、本編よりだいぶ口悪いねー! 緊張してるのかなー? へっへっへー!」

 司会がわざとにやけた顔を見せると、春風は俯き加減に視線を落として、

「えっと……ホント言うと……ちょっと緊張してたりして……あはは」

 強がるように笑った。

「「「キャー! ゆうくーん! こっち向いてー!」」」

 様々な年齢層の女性が春風を見て恍惚とした表情を受かべ手を振ったり身を捩ったりしている。

「おおっと、いきなりお姉さま方を悩殺ですかー!? 憎いねーこのショタリアン!」

「シネー! クソ司会がー! ふざけたこと言ってねえでもっとゆうくんに喋らせろやボケがあー!」
「Mother Fucker!!! FUCKing Mother Fucker!!!」

「ウゥウッ! 山姥が中指強調してきてますねー! 山姥と言えばギラリと光るアレですがー、直接的な刃傷沙汰はいくら金を積んでも曹操逃げ切れないから気をつけてねー!」

「丁半より可能性ないね、趙雲さん」

「……しかし、某が阿斗様を助けねば、張飛殿や劉備殿らに顔向けが……」

「ダイジョーブですよチョー雲さん! 今の貴方にはコウ・エイという森羅万象の神の加護が付いてます! 曹操とか夏侯惇とか、その弟とか許チョとか典韋とか、その他諸々あなたのぶっとい竜胆で背後からぶっ刺してからでも十分間に合います! 護衛兵とかいりませんし装備も気にしなくていい感じです!」

「なんと……某に大陸を作りし神の加護とは……。――これぞ天命! 趙子龍、いざ参る!!」

 趙雲は荒ぶる白馬を駆ってステージから出ていった。


「行っちゃったね、チョーさん」

「行っちゃいましたねー。難易度の確認せずに行っちゃいましたねー。猛将伝の一番右だったような気がするけど……ま! ステオールマックスのチョー運ならイケるっしょ!」

「イケルイケる! ほら! ラッドも盛り上げるために『おしゃかしゃま』歌おうよ!」(ファラ声)

 司会は彼を尻目に猟奇的殺人者の如くボソリと呟いた。

「……待っててね禅ちゃん……。いまオムカエがクルカラね……」

「春風さんは災禍ちゃんと千比呂ちゃんがやおいあなでヤッちゃってぇ、その時サイヤ人のシロップみたいなものでかき混ぜられちゃって“デキ”あがっ“た”、そんな感じの男の娘でーす!」

 災禍と千比呂が!? ななななんて素敵な天使カップルなんだ……! だがどちらも俺の嫁だ! 俺が二人まとめておいしくいただく!

「ショタじゃないですけど!」

「綿ちゃんみたいに言い張ってますけど、クラスと校内のお姉さま(教師含む)公認の混ざりっ気ありのショタでーす!」

「教師ってどの先生!? 何が混ざってるの!?」

「ちなみにまだ三回変身を残してるんだよねー?」

「……う、うん、そうだよー。……今初めて聞いたけど」

「今の気持ちは?」

「――ファック! author オシリスペンペンドラドラツモ!!!」

 中指を立てた手を両手同時に突き上げた。

「はっはー! 面白い冗談だねー! でも冗談でも言っちゃいけないことって僕はあると思うなー!」

「――ファック! キディング!!」

「……そんな冗談はさておき、俺が部活見学に行く前、悠とはどんな話をしたっけ?」

 至極落ち着いた様子で席に座りながら問う。

「えーっと……、それって、三枝先生に部活決めてきなさいって言われた日の放課後のこと?」

 さも当たり前のように向かいの席に座りながら答える。

「そうそれ」

「確か禎生が口内美少女ランキングを見せてって言ってきたんだよね」

「そうそ――違う。俺そんなもの見たいなんて一言も言ってないわ」

「そうだったかな? 小鳥遊さんのことすごく知りたそうにしてたような……」

「あれは冗談。そもそもタカナシなんて生徒がいるかどうかすら知らないからね俺」

「いるけど、小鳥遊さん」

「名前がリッカだったら男がいるな。毎日ニャンニャン(健全な意味)してるぜきっと」

「惜しいね。リッツカールトンさんだよ。男はいないみたいだけど」

「そうか。……じゃあこの収録が終わったら詳しくよろ」

 春風に耳打ちした。

「……オーケー」

 パン、と手を叩くと同時に、

「で! えーっと……そう! あの時は悠が俺のこと気にかけて、入部者数ランキングを見せてくれたんだよな」

「そうだったね。アレ、役に立ったかな?」

「立った立った。寝起きの三角テントくらいは屹立してたぜ」

「それ、あんまり役に立ってないような……」

「何言ってんだ。テントがなかったら野晒しで寝なきゃゃいけないんだぞ。それに起きた時にテントが壊れてたら、おちおち朝チュンも迎えられない。朝チュンで起きた時に奇襲を仕掛けられても、仕掛けられる前に戦いが終わっちまうんだよ」

「う、うーん……。なんだか難しいのか簡単なのか、それもよくわからなくなってきたよ」

「要は立ってたってことだよ。ありがとな」

「なんのこっちゃ」

 朗らかな感謝に対し、漫才師のツッコミの如く返答した。

「あの時、悠に部のことを聞いたから、俺は談話部を見学しようと思った。そういうことだな」

「僕のノートがきっかけだったんだね。なんかちょっと誇らしいかも」

「……まあ、それで俺はあんなことになってしまうわけだけど」

 また呟く。

「なんか言った?」

「いや、腹減ったなあって」

 突如として、志津馬の腹部からジョジョの効果音のような重低音がずんずんと鳴り始めた。

「そだね。帰りにどっか寄ってく?」

 しかし悠の発言を聞いた瞬間、「もきゅもきゅ~♪」という小動物の鳴き声のような愛らしい音に変わる。

「いいね。収録終わったらどっか行くか」

「うん」



「CM入りまーす!」
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