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転生
口には出さない
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「ゴ、ゴホン。お前、今日が入学式だっつうこと忘れてんのか?」
わざとらしい咳払いをしてから変態が私に問うてきた。
忘れたっていうかなぁ……元から知らないんだけど。
けどまあ、さすがに言えないよな。
「いえ? いえいえいえいえ? 忘れていませんわ。ええ忘れてないわ」
覚えている、ということを全面に押し出した。
そう、私は忘れてなどいない。今日は入学式、今日は入学式。
そう、今日は入学式。よし覚えた。
「……そ、そうか。そりゃあ良かった。
それじゃ今の時刻が八時半なんだが、何時から入学式かわかってるか?」
私はにっこりと笑顔で首をふる。
「……九時だ」
「あらそうなのね」
あらあらそうなのね…………――――遅・刻・じゃ・な・い・か!!
完全なる現実逃避の後、私は考える。
よく考えてみれば、私は悪女なのだ。入学式なんて遅刻して当たり前じゃないか。
むしろサボらなかっただけ悪女のなかじゃ優等生だ。
うん、ということで
「あと三十分寝るから、おやすみ」
「おいこら……」
……ふざけんな? そうですか、そうですよね。わかってましたよ。
この婚約者はわざわざ私を起こしに来てくれたんですもんね。
ええ、ええせいぜい感謝させて頂きますよ。
悪女だから口には出さないけれども。
わざとらしい咳払いをしてから変態が私に問うてきた。
忘れたっていうかなぁ……元から知らないんだけど。
けどまあ、さすがに言えないよな。
「いえ? いえいえいえいえ? 忘れていませんわ。ええ忘れてないわ」
覚えている、ということを全面に押し出した。
そう、私は忘れてなどいない。今日は入学式、今日は入学式。
そう、今日は入学式。よし覚えた。
「……そ、そうか。そりゃあ良かった。
それじゃ今の時刻が八時半なんだが、何時から入学式かわかってるか?」
私はにっこりと笑顔で首をふる。
「……九時だ」
「あらそうなのね」
あらあらそうなのね…………――――遅・刻・じゃ・な・い・か!!
完全なる現実逃避の後、私は考える。
よく考えてみれば、私は悪女なのだ。入学式なんて遅刻して当たり前じゃないか。
むしろサボらなかっただけ悪女のなかじゃ優等生だ。
うん、ということで
「あと三十分寝るから、おやすみ」
「おいこら……」
……ふざけんな? そうですか、そうですよね。わかってましたよ。
この婚約者はわざわざ私を起こしに来てくれたんですもんね。
ええ、ええせいぜい感謝させて頂きますよ。
悪女だから口には出さないけれども。
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