3 / 13
読心能力
しおりを挟む
「君、かわいいね」
俺は人の心を読めるナンパ師。今日も一人、やれそうな子に話しかけていた。
「何よ、あんた」
気の強そうな子。こんな子が可愛く喘ぐのがたまらなく好きだ。
「単刀直入に言うけど、君と付き合いたい。どうかな?」
「いや、あたし彼氏いるんだけど」
彼氏持ちか。こんなにかわいいなら当然か。
『彼氏はいるけど、喧嘩中⋯⋯。嫌なこと思い出させんなよ』
へえ、喧嘩してるんだ。これはチャンスだな。
「そうなんだ。今日は一緒にいないの?」
「あんたには関係ない」
「喧嘩してる、とか?」
「⋯⋯」
無言で睨まれる。
「理由、当ててみようか?」
「はあ?」
『当てるも何も、無いし。ただ、あたしのことをわかってくれないだけだから』
「理由はね、自分のことを理解してくれないから。当たってるでしょ?」
「⋯⋯は? 当たってないし」
『当たってるけど、誰にでも当てはまることじゃん』
まあ、そうだな。それじゃあ、
「今思ってること、当ててあげようか」
「外れてたらどっか行ってよ」
「じゃあ当たってたらデートして?」
「当てたらね」
『どうせ当たらないし、偶然当たっても違うって言えばいいや』
「じゃあ、何か考えて。具体的なヤツがいいな」
『まあ、考えるか。私の悩みは胸が小さいこと。ま、どうせわかんないだろうけど』
「ふうん、俺はかわいいと思うけどね」
「⋯⋯え、何が?」
「胸が小さいこと。今想像したよね?」
『嘘? なんで?』
「ま、まぐれよ。もう一問よ!」
「ええ? じゃあそれも当てたらデートの最後にホテルに行ってくれる?」
「え? い、いいわよ。当ててみろ!」
『彼氏のえっちが気持ち良くない』
「それでいい? 俺なら気持ちよくさせてあげるよ?」
『な、何者よ、こいつ!』
「デート、行ってくれるかい?」
「⋯⋯」
「ホテルもいいよね?」
「⋯⋯」
「君のことが好きになってしまったんだ。俺は君に尽くすよ。俺は君のこと、手に取るようにわかるから、したいこともされたいこともわかるんだ」
そう言って彼女の手を、両手の指先で恭しく持つ。
「好きなんだ。デートして欲しい」
「で、でも⋯⋯」
「一日だけでいい。それで諦めるから」
誠心誠意、真面目ぶって言う。当然、演技だ。こうするとこの女はなびく。
『顔も悪く無いし、なんかあたしのこと好きって言ってくれるし⋯⋯、一日だけなら、いいかも』
「今日だけなら⋯⋯、明日からはすっぱり忘れてくれるなら、いいよ?」
「本当か! 本当にいいのかい?」
「いいよ、もう⋯⋯」
『こんなに喜んじゃうの?』
「嬉しいよ! 一日だけでも天にも昇るようだ! じゃあ早速行こうか。どこに行きたい?」
「当ててみてよ」
『ホテルに行きたい♡』
「いいよ、行こうか。気持ち良くしてあげるよ」
逃さないように手を取り、ホテル街へと連れて行った。
俺は人の心を読めるナンパ師。今日も一人、やれそうな子に話しかけていた。
「何よ、あんた」
気の強そうな子。こんな子が可愛く喘ぐのがたまらなく好きだ。
「単刀直入に言うけど、君と付き合いたい。どうかな?」
「いや、あたし彼氏いるんだけど」
彼氏持ちか。こんなにかわいいなら当然か。
『彼氏はいるけど、喧嘩中⋯⋯。嫌なこと思い出させんなよ』
へえ、喧嘩してるんだ。これはチャンスだな。
「そうなんだ。今日は一緒にいないの?」
「あんたには関係ない」
「喧嘩してる、とか?」
「⋯⋯」
無言で睨まれる。
「理由、当ててみようか?」
「はあ?」
『当てるも何も、無いし。ただ、あたしのことをわかってくれないだけだから』
「理由はね、自分のことを理解してくれないから。当たってるでしょ?」
「⋯⋯は? 当たってないし」
『当たってるけど、誰にでも当てはまることじゃん』
まあ、そうだな。それじゃあ、
「今思ってること、当ててあげようか」
「外れてたらどっか行ってよ」
「じゃあ当たってたらデートして?」
「当てたらね」
『どうせ当たらないし、偶然当たっても違うって言えばいいや』
「じゃあ、何か考えて。具体的なヤツがいいな」
『まあ、考えるか。私の悩みは胸が小さいこと。ま、どうせわかんないだろうけど』
「ふうん、俺はかわいいと思うけどね」
「⋯⋯え、何が?」
「胸が小さいこと。今想像したよね?」
『嘘? なんで?』
「ま、まぐれよ。もう一問よ!」
「ええ? じゃあそれも当てたらデートの最後にホテルに行ってくれる?」
「え? い、いいわよ。当ててみろ!」
『彼氏のえっちが気持ち良くない』
「それでいい? 俺なら気持ちよくさせてあげるよ?」
『な、何者よ、こいつ!』
「デート、行ってくれるかい?」
「⋯⋯」
「ホテルもいいよね?」
「⋯⋯」
「君のことが好きになってしまったんだ。俺は君に尽くすよ。俺は君のこと、手に取るようにわかるから、したいこともされたいこともわかるんだ」
そう言って彼女の手を、両手の指先で恭しく持つ。
「好きなんだ。デートして欲しい」
「で、でも⋯⋯」
「一日だけでいい。それで諦めるから」
誠心誠意、真面目ぶって言う。当然、演技だ。こうするとこの女はなびく。
『顔も悪く無いし、なんかあたしのこと好きって言ってくれるし⋯⋯、一日だけなら、いいかも』
「今日だけなら⋯⋯、明日からはすっぱり忘れてくれるなら、いいよ?」
「本当か! 本当にいいのかい?」
「いいよ、もう⋯⋯」
『こんなに喜んじゃうの?』
「嬉しいよ! 一日だけでも天にも昇るようだ! じゃあ早速行こうか。どこに行きたい?」
「当ててみてよ」
『ホテルに行きたい♡』
「いいよ、行こうか。気持ち良くしてあげるよ」
逃さないように手を取り、ホテル街へと連れて行った。
21
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる