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幼少期編
21.君、かわいいね
しおりを挟む今日もハンナとの魔法の練習日だった。リアンはハンナに言われた通りに「みんな大好きルーラ様の魔法教科書」を持って、リリアーヌに連れていってもらい訓練場に行った。
「こんにちわぁ~」
すると、ちょっと早く来すぎたのかハンナと似たようなローブを着た人が10名ほどいた。ハンナしかいないと思っていたので少しビックリした。
『あっ、ちょっと早く来すぎたかな?まだ練習時間なら端で待たせてもらおう』
そう思い、許可を取ろうと口を開こうとすると、女性の歓声?が聞こえた。
「「キャーっ、かわいい!」」
『どうしたのかな?かわいいとか言っているけど…なんのこと言っているんだろう?』
リアンは首を傾げていた。それで呆れたように「やれやれ」という感じで立っているハンナの元に行こうとすると、前の視界が遮られて鼻と口にやわらかく温かいものがあてられた。
1人の女性がリアンを抱きしめていたのだ。
「かっわいい!」
「む、むぅ(くるしい)」
「ねぇ、君、迷子?大丈夫?1人ならお姉さんのところに来ていいよぉ」
「独り占めしないでよ!ほら、おいでっ」
リアンはいろいろな女性にたらい回しにされ、抱きしめられたり、ほっぺをツンツンされたりした。
「「かわいすぎる!」」
「ぼくはかわいくなんかにゃいでしゅ!」
「僕っ子だってかわいいねぇ」
「ねぇ、どこから来たの?お持ち帰りしていい?」
リアンは離してもらえなさそうなのでハンナに助けを求めた。
「はんなしゃぁ~んっ」
ハンナは先日、散々驚かされた罰という感じでその光景を楽しんでいたんだか、流石にリアンがかわいそうになってきたので助けることにした。
「はいはい、みんな今日の練習はお・わ・り!さぁ、帰った帰った!」
「でも、団長、この子一人ぼっちですよ?こんなかわいい子置いとけるわけないじゃないですか!」
「「そうだ、そうだ!」」
「はぁ、ここは城よ?そこらの平民の子が入って来れるわけないでしょ。しかも、城に入れるなんか貴族かここに住んでる王族の血縁者だけ!1人なわけないでしょ!」
「でも、実際この子1人ですよ?」
「はぁ、聞いてなかったの?もしも迷子なら部屋に入るときはまず「すみません」とか言ったり、この歳だと泣いてたりするでしょ?でも、この子は「こんにちは」って言ったの。元々ここに用事があるかのように!だから、その子はここに明確な意志があって来たの!てか、その子今から私とお話するためにここに来たんだから、君たちはここから出てくれる?」
「えっ?久しぶりに団長に教えてもらえるはずだったのに…」
「あぁ、その心配はしなくていいよ。この子との用事がある限り、私はここにいるし、毎日とは言えないけど君たちに魔法は教えるから。逆にいえば、この子との用事がなくなったら私、ここにいなくなるわよ?」
訓練場にいた人たちは渋々といった感じながらも帰る準備をした。
その中で3人ほどリアンに近づいてきた。
「団長との用事があるなら、これからも会うかもね。また、君みたいなかわいい子と会えるならいくらでも団長の指示を聞くわ!ねぇ、君の名前は?」
リアンはかわいいと言われ、少しふくれながらも答えた。
「…りあん」
「リアンって、言うの?」
「…はい」
「「かわいい!」」
リアンのふてくされた態度に女性方は萌えたようだ。
「だかりゃ、ぼくはかわいくなんて…」
「ほら、いくよ!」
すると、3人の女性は他の人たちに呼ばれた。
「じゃあね、リアンちゃん!」
「えっと、ちょっと!」
リアンとハンナしかいなくなった訓練場にリアンの悲痛な叫び声がこだました。
「ぼくは、おんなのこじゃな~い!!」
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