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追憶:保育士として子ども達とのやりとり 他
▫️直談判
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私は超超超超超と超がいっぱい付くくらいピアノが苦手。
保育士なのに、超絶苦手なのです。
だから基本的には他の先生方に弾いていただいているんですが
その日は違った。
同じクラス担任の先生が体調を崩されてお休みをされたのだ。
朝の集まりをするの出来事。
g「N先生はお休みなの?」
な「うん、体が悪いみたいで今日はお休みなの」
g「そっかー、一緒にあそびたかったんだけどなぁ」
な「そうだねー。元気になれるようにお祈りしとこうね。
じゃあ、朝の集まり始めるよ」
子ども達が集まってくる。
いつもならN先生が座っているピアノの椅子に私がいることに
騒つく子ども達。
b「なんで、ななちゃんがピアノんとこにいるの?」
な「なんでって、N先生お休みだからけん」
ざわ…ざわ……、ざわ………ざわ…
明らかに不安そうに私を見つめる子ども達。
g「もしかして…、ななこ先生がピアノ弾くの?」
な「そうだけど」
b「だって、ななちゃんピアノ出来ひんやん!」
そうだ、私がピアノが苦手なことはすでに周知の事実。
何せ進級してから一度たりとも私は子ども達の前で
ピアノを弾いたことがない。
b「無理やん」
g「できるの??」
b「早くしてー」
g「先生、無理やったらやめていいよ?」
一人の女の子がそう口にすると他の子ども達も続く。
g「ほんまや。嫌やったらやめていいで」
b「先生いつも言ってるやん。嫌なら無理しなくていいって」
g「ピアノなくてもいいよ!」
な「みんなありがとう…でもね、大人にはやりたくなくてもしなきゃならない時があるの。
それが今!」
鍵盤を弾こうとする手はおぼつかない。
しかし先生としての示しもつけなければいけない。
まさに断腸の思い。
さぁいざ!
鍵盤を引き出したその時
g「園長先生に言いに行こう!ななちゃん、ピアノ出来ませんって!」
一同「いいね!」
な「な、なんて!?」
思いを共有した子ども達はとても強い。
私が止めるよりも早くに
g「先生のお部屋行ってきます」
と残し、先立ってしまった。
その後、主幹が部屋にやって来た。
もちろんピアノを弾きに。
みんな、ありがとう!
私は心をどこか遠くにぶん投げたい気持ちだった。
その日の午睡の時間、園長・主幹に呼び出しを喰らった。
内容は覚えていない。
ただ、恐ろしかった、それだけが今も残っている。
保育士なのに、超絶苦手なのです。
だから基本的には他の先生方に弾いていただいているんですが
その日は違った。
同じクラス担任の先生が体調を崩されてお休みをされたのだ。
朝の集まりをするの出来事。
g「N先生はお休みなの?」
な「うん、体が悪いみたいで今日はお休みなの」
g「そっかー、一緒にあそびたかったんだけどなぁ」
な「そうだねー。元気になれるようにお祈りしとこうね。
じゃあ、朝の集まり始めるよ」
子ども達が集まってくる。
いつもならN先生が座っているピアノの椅子に私がいることに
騒つく子ども達。
b「なんで、ななちゃんがピアノんとこにいるの?」
な「なんでって、N先生お休みだからけん」
ざわ…ざわ……、ざわ………ざわ…
明らかに不安そうに私を見つめる子ども達。
g「もしかして…、ななこ先生がピアノ弾くの?」
な「そうだけど」
b「だって、ななちゃんピアノ出来ひんやん!」
そうだ、私がピアノが苦手なことはすでに周知の事実。
何せ進級してから一度たりとも私は子ども達の前で
ピアノを弾いたことがない。
b「無理やん」
g「できるの??」
b「早くしてー」
g「先生、無理やったらやめていいよ?」
一人の女の子がそう口にすると他の子ども達も続く。
g「ほんまや。嫌やったらやめていいで」
b「先生いつも言ってるやん。嫌なら無理しなくていいって」
g「ピアノなくてもいいよ!」
な「みんなありがとう…でもね、大人にはやりたくなくてもしなきゃならない時があるの。
それが今!」
鍵盤を弾こうとする手はおぼつかない。
しかし先生としての示しもつけなければいけない。
まさに断腸の思い。
さぁいざ!
鍵盤を引き出したその時
g「園長先生に言いに行こう!ななちゃん、ピアノ出来ませんって!」
一同「いいね!」
な「な、なんて!?」
思いを共有した子ども達はとても強い。
私が止めるよりも早くに
g「先生のお部屋行ってきます」
と残し、先立ってしまった。
その後、主幹が部屋にやって来た。
もちろんピアノを弾きに。
みんな、ありがとう!
私は心をどこか遠くにぶん投げたい気持ちだった。
その日の午睡の時間、園長・主幹に呼び出しを喰らった。
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ただ、恐ろしかった、それだけが今も残っている。
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