異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~

兎森りんこ

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今後の道筋を考える・アライグマがイラッ※エイシオ視点

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「さて……どうするかな」

 爽やかな草原の、あぜ道。

 アユムと馬車に揺られながら、僕は今後の道筋を考える。

 テンドルニオン様の神殿は、実家の屋敷より更に先にある。
 先に実家から寄ってもいいが、このアライグマを連れて行くと色々と面倒なことになりそう……。

 このアライグマ……なにかと……。

「アライグマではなーーーいっ!!! 我は炎の神ザピクロスなりーっ!」

 ぎくっ!?

「? どうしたんですかザピクロス様」

「なんか誰かにアライグマ呼ばわりされた気がするんじゃ、パリパリパリ」

 勘のいいアライグマ……いや、神様だ。

 通り過ぎた集落に、ポテトを薄く揚げたポテトチップスなるお菓子が売っていて、アユムが喜んだので紙袋で3つ買ったのだけど、もう2つ目を食べ始めている。

「ザピクロス様、お急ぎという事ですのでテンドルニオン様の神殿に急ぐ道を行った方が良いですよね」

「ん~? 我は勇者の実家も見たいけどなぁ。金持ちなら~ご馳走もいっぱい出してくれそうだしなぁ」

「人の実家をなんだと思ってるんですか……。長居はしませんよ。アユムとの結婚報告をして、絶縁してくるわけですから……」

「エ、エイシオさん……絶縁だなんて、俺のせいで」

「アユムのせいじゃないよ。何度も言ってるけど、僕はもう領主になるつもりもないしね。もしかしたら名前も改名しないといけなくなるかもだけど、そんな事はどうでもいい」

「そんな……エイシオさん。素敵なお名前なのに……」

「僕が違う名前になっても……愛してくれるかい?」

「そ、それはもちろんです……」

「嬉しいよ。愛しているよアユム」

「……お、俺もです……」

 照れて頬を染めるアユムが尊い。
 アユムに名付けてもらうなんてのも、素敵かもしれないな。

「ウスシオとかでええんじゃないの? クスクスクス!」

 僕はアライグマが食べていたポテトチップスの袋を取り上げて自分の口へ流し込んだ。

「ああああ! 我のポテトチップス!」

「もぐパリもぐパリ! 僕が買ったものですから! むぐむぐバキバキむぐ!!」

 うまいが、口に含みすぎて少し刺さる。
 ふん、アライグマ思い知れ!
 バリバリバリ!!

「転移者殿、勇者が意地悪するー!」
 
「ザピクロス様が意地悪を言うからですよ~。あれ……エイシオさん、あの雲……」

「む……」

 さっきまで爽やかな空だったのに、かなり黒い雲が一気に広がってこっちに向かってくる。
 これは嵐が来るぞ。


 
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