オアソビの時間〜sとm〜

菩提 樹子

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香り

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学生から社会人になる
春、甘い恋の始まりを期待する奴もいるだろう
それとも刺激的な出会いか

そんなのどっかのドラマの見過ぎだろ、期待を打ち消すかのようにユウキは煙草の火を消した

くそ、だるい
東京での入社式が終わり各拠点に配属される

「ユウキ、お前支店どこ?」

「俺、関西支店」

「関西か、良かったじゃん地元で」

「お前は?」

「俺名古屋、だるいよ、ましで」

「どんまいだな、まあ、地元近いから良いじゃないか」

ユウキは同期久田の肩を叩く

割と大きめの商社に入社したユウキだったが働くとこなど何処でも良くある程度の額が貰えればそれで良いと決めた会社だった

こうなりたいとかあーなりたいとか
そんな希望を言うのは面接の時だけで
社会人に何の夢も希望も抱いていなかった





東京から関西へ新幹線で移動している間
彼女のミサコから電話が入る

「ねえ、今どこ?」

「どこって今から帰るとこだよ」

「その後会えない?」

「会えない、支店寄らないといけないから」

「そんな時間かからないでしょ?」

「とにかく俺今日疲れてるから、また電話する」

「ちょっと」

俺疲れてるんだよ全くもう

3年という月日がそうさせるのか
ミサコとの時間よりも自分の時間を優先したいと考える様になった

とっとと終わらせよ
ユウキは関西支店へ向かう







人通りが激しい駅の近くに
デカイビルを構えている


見かけは立派だな




ユウキはビルの25階を上がった

受話器を上げる
「すみません、今日入社しましたトモダユウキです。挨拶に参りました」

「お待ちしておりました。」

受話器からは上品そうな女性の声が聞こえた

ガチャ

「こちらへどうぞ」

紺のスーツに身を纏い
髪はロングで目は切り目の二重
口紅は赤く良い匂いがする女性だった

「あっありがとうございます」

ラッキーこんな人がいるなら
仕事はかどりそう

「お茶どうぞ」

「あっありがとうございます」

綺麗な人だな…

ボートしてる間に
支店長が部屋に入る


げっこわそう


「君か、新人は」

「宜しくお願いします」

「これからバンバン数字稼いでもらうから、期待してるからな」

「あ、はい、」

「元気がないな」

「頑張ります」

無理して笑顔を作りお茶をぐいと飲み干す

支店長との挨拶が終わり外へ出る

雨か…

さっきまでの晴れが嘘のように
ザーザーと雨が降り注ぐ


傘持ってないんだよな俺…

「良かったら入りますか?」

さっきの綺麗な女性が赤の傘を
さして立っていた

「あっいやそんな」

「駅までで宜しければ…」

女性がユウキを傘に入れる

「すみません」

「瀬戸駅で宜しかったかしら?」

「あっはい」



なにか喋らないと


「あの、お名前、お名前なんて言うんですか?」

「あ、申し遅れました。私カジタナコと申します」

「カジタさん…おいくつですか」

「あ」

「あっすみません、女性に年齢聞くの失礼ですよね」

「あ、いやそんな、32です」

「若くみえます」

「うふ、お世辞が上手です」

「いえ、お世辞で言ったつもりは」



無言が続く
女性のヒールの音と
雨の音が鳴り響く



「あっ着きましたよ」

「あ、ありがとうございました」

「いえ、でわ」

ナコは傘のしぶきを揺らし、
ホームへ向かった














それにしても良い匂いだったな

ユウキは暫くナコの後ろ姿を見惚れていた

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