法句宗

ロコ

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中途挫折

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何をして、中途挫折とするのか、実に微妙なことである。
未だ未だ、18歳と言えば少年期。人生経験を色々積んでいく年代。試行錯誤している真っ最中である。
挫折してなんぼの、お年頃。どんどん、躓きなさい。
シッダールタは、今までその身分上、冒険を許されなかった。文武一般に着いては、習得した。
しかしながら、拳闘会の様な、型破りなのは、知らない。それに、女に疎い。女心の分からない、いけず。

シッダールタは、思う。

もう、城には戻らない!
あれは、今考えると、監視付きの囚人だ!
生きる、ダイナミズムがない。それに、引き換え娑婆世界は、どうだ。
美しい。実に。ドロドロとしているが、キラキラ輝いている。
女の柔肌を抱きながら、考える。

よし、俺の誓願は、決まった。
世界中の、いい女を抱く!
人生万人斬りだ!
一日一人として、10年で、3650人。
少年は、血気盛んである。18歳の少年らしい発想であると、言える。
天下を取る!
実に頼もしい。

王は、八方尽くして、王子を探している。
やがて、拳闘会が浮かび上がるが、その筋にも消息は分からない。
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