流刑の人

ロコ

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海賊船

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ローマを立った船は、一路ドーバー海峡の港街へと、目指していく。地中海を航行中、啓太は胡蝶蘭の船室を探している。
売春婦は、売春婦。
胡蝶蘭は、性欲を我慢しない筈だ。

きっと、男漁りに出る!
通路を、行ったり来たり。

何よ、あんた!
金を、持ってないってどう言う事よ!
怒号の罵声は、日本語。

二つ先の船室から、聴こえてくる。

胡蝶蘭だ!
啓太は、高鳴る胸を抑えて、その船室のドアに耳をつけて聴いている。
怒り心頭に達した、胡蝶蘭は、勢い全部日本語。
日常英会話レベルの、啓太には、実に分かりやすい。
日本語で、怒鳴ったのを、相手に分かる様に英訳している。

出てくる!
さっ、と物陰に隠れた。
アンタなんか、死んで仕舞えばいいのよ!
やり逃げしやがって!
捨て台詞を残して、ドアを開けた。

胡蝶蘭だ!
ヒタヒタこっちに、あるいてくる。

目の前に、現れた所を、タイミングに

バッ
きつく、抱き寄せて唇を奪った。

ん、、、、ぐっ、、、、
いきなりの、事に身体に力が入らない胡蝶蘭。

5分、10分、長い長いキス。

胡蝶蘭は、自らの舌を絡めて来る。

プハッ

やっと、解放されて相手を見た。

あっ!
啓太!
何でアンタがここに居るのよ!

それは、こっちの言葉だよ!

、、、、、、、
、、、、、、、
、、、、、、、
(爆笑)
二人は、思わず笑った。
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