流刑の人

ロコ

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海賊船2

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その刻、甲板長が叫んだ。

海賊旗だぁ!

ドーン、ドーン
大砲の弾が船をかすめる。水飛沫が上がる。
海賊船は、スルスルと間隔を狭めて、イギリス船に横付けた。
ダダっ
刀を手にした海賊が、乗り移って来た。

よーし、大人しくしていれば、命迄は取らない!
水と、食い物を全部出せ!
イギリス船の乗組員が、モタモタしていると、

パーン
鉄砲が火を噴いた。
これを、合図の様に素早く動き出す。
あっ、と言う間にひと月分の食糧と水が、並んだ。

よーし!
素直で、宜しい!
賊の1人が、女の手を引っ張って甲板に、でて来た。

おい、上玉の女だぜ!
関節を決められて、女は自由が効かない。

東洋人だ!
そう、胡蝶蘭である。

じゃあ、この女も戴いていくとするか!
騒ぐ胡蝶蘭に、猿ぐつわを噛ませて物資と、胡蝶蘭は海賊船に持って行かれた。

あばよ!
言い残すと、海賊船は離れていった。
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