◆完結◆『3年2組 ボクらのクエスト~想像✕創造の異世界修学旅行~』《全7章》

カワカツ

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第3章 エルグレドの旅 編

第 122 話 戦士の務め

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「クソッ! 伏兵だ! 司令部に伝えろ!」

 投石機の上でオーガを操作している法術士の一人が叫んだ。生き残ったエグデン兵の1人が後方に駆け出して行く。

「そいつ等を始末しろ!」

 別の法術士が残っていた戦闘兵に声をかけた。突然の襲撃と戦闘に一瞬我を失っていたエグデン兵は剣を構えると、オーガになぎ払われ倒されながらもまだ息のある襲撃者達に向かい駆け出した。

 フィルロンニは両腕を立て這いずりながら、数m先に落ちている自分の剣に手を伸ばす。その背中をエグデンの戦闘兵が踏みつけた。

「くたばれ!」

 フィルロンニの首筋に狙いを定めた剣を、エグデン兵は真っ直ぐ刺し貫くために持ち上げる。
 一瞬、エグデン兵は視界の端に「何かの影」が近づいて来るのを感じた。しかし、それが何かを確認する間も無く「それ」はエグデン兵にぶつかり、フィルロンニの背上から弾き飛ばされる。エグデン兵は突然起こった我が身の変化に戸惑い、自分の状況を確認しようと目を開く。目の前には一人の男の顔……若いな……美しく整った顔立ちだが怒りに満ちた瞳……何かが自分の口の中に刺し込まれて来る違和感……そして……全てが闇に閉ざされた……

「フィリー! みんなを! それとこれをっ!」

 エグザルレイはエグデン兵の口から突き通した剣を引き抜くと、目線を投石機に見据え駆け出しながら、ピスガ入りの薬草袋を首から外し投げ渡して叫んだ。

「はいっ!」

 フィルフェリーは薬草袋を受取ると、すぐにフィルロンニの横へ屈み込む。

「馬鹿エルがっ! 俺はモノじゃ無ぇぞっ!」

 薬草袋から顔を出したピスガが苦情を訴える。

「兄さんっ! 兄さんっ! 大丈夫!?」

 ピスガの苦情に耳を貸す間も惜しいフィルフェリーは、兄の眼前まで自分の顔を寄せ安否を確認する。

「……クッ……フィリー……お前……どうして……」

 フィルロンニの意識が有る事を確認すると、フィルフェリーはすぐに兄の全身に視線を向けた。左右の足の「曲がるべきでない場所」があらぬ向きに曲がっているのを確認すると、まずは強引に在るべき向きに戻す。

「グアッ!」

「動かないで!」

 苦痛に身を悶えようと反応した兄を一喝で制し、フィルフェリーは確認した損傷部位へ両手をかざす。すぐに治癒魔法の法力光がフィルロンニの両足に注がれ始めた。

「俺はいい……他のヤツラは……ブルムは?」

「分かりません!」

 フィルフェリーは語気を強め、治癒魔法に専念する。

 ピュン! ピュン! ピュン!

 立て続けに空気を裂く羽音が三回響いた。横たわっているフィルロンニは投石機に目を向ける。投石機上の法術士の1人に、矢が2本突き刺さっていた。他の法術士の1人は、すでにエグザルレイの剣に討たれ地に落ち倒れている。3人の法術士の内、残りの1人の左肩にも矢が命中していたが、その法術士の息の根を止めたのはエグザルレイの短剣だった。
 最後の法術士が投石機上から地に倒れ落ちて行く中、エグザルレイは他の部隊の様子に目を向ける。
 1キロほどの間隔をおき配備されていたその他の投石機2基の周りでは、すでに操作法術士の呪縛から「解放されたオーガたち」の暴走による混乱が始まっていた。

「オーガに気を付けて!」

 ここに居る3体のオーガもまた、解放された自我のままに動き出すであろうことを警戒し、エグザルレイが叫ぶ。

「兄さん! あとはご自分でっ!」

 フィルフェリーはフィルロンニに告げると、オーガのロープ攻撃で吹き飛ばされ倒されている他の戦士達の下へ駆け出した。

「フィルロンニさん! 動けますか!」

 投石機上からエグザルレイが呼びかける。

 動けるか……だと? クッ……

 フィルロンニは上体を起こし、両手を左右それぞれの足の上にかざす。

 フィリーのヤツ……応急処置もまだ全然終わっていないじゃないか……何が「後は」だ……

 まだ自重を支えるには心もとないレベルの「応急処置」を確認し、フィルロンニは自己治癒魔法を施し始めた。

「オーガが覚醒します! 早く離れて下さい!」

 エグザルレイはまだ意識の 朦朧もうろうとしているオーガの一体に斬りかかって行く。

「兄さんっ! 早くっ!」

 一命を取り留めていた3人の戦士の内、2人はそれぞれに肩を貸し合いながら森に向かって歩き出している。残りの1人もエルフ弓手2人に両脇から抱きかかえられ、森に向かって逃げ始めていた。
 弓手の1人とフィルフェリーがフィルロンニの元へ駆け寄って来る。

「急いでっ!」

「肩をっ!」

 フィルロンニは砕けた骨々を何とか元の位置にまでつなぎ合わせ、ヨロヨロと立ち上がり、駆け寄って来た2人に身を任せた。

「早くっ!」

 エグザルレイはまだ一体目のオーガへの攻撃を続けながら声をかける。

……刃が全く皮膚の下まで届きませんね……さすが鬼人種って事ですか……

「エルっ! 目を!」

 森に向かって避難を続けるフィルフェリーが、振り返りエグザルレイに叫んだ。

 目? オーガの「目を狙え」と?

 エグザルレイは刃こぼれした短剣と、先の折れた長剣を投げ捨て、鞘からもう一本の長剣を抜き出す。剣を両手で握り締め助走をつけると、投石機を足台に跳び上がり、オーガの「目」に向かって剣を突き出した。

 さすがに……ここなら……通るでしょう?

 剣先はオーガの眼球を突き破り、 蝶形骨ちょうけいこつを砕き抜け、頭蓋内深部まで刺さっていく感触を両手に確かめる。致死損傷を与えた手応えを確認すると、エグザルレイは両足でオーガの顔面を蹴るように力を込めて長剣を抜き、空中で回転して体勢を整え地面に降り立った。
 脳深部を破壊する剣撃を受けたオーガはさすがにひとたまりも無く、短く断末魔の声を上げ後ろ向きに倒れる。

「フィリー! 森の中でエグデン兵を挟み撃ちっ! 伝心をっ!」

 エグザルレイの叫び声をフィリーは背後に聞くと、兄を支えているのとは反対の腕を上に突き上げ「了解!」の意を示した。

 これで森の奥まで進んでいるエグデン兵を、一旦後退したグラディーの戦士達と背後の弓手ユニットで挟み撃ちに出来る……あとは……

 エグザルレイは残っているオーガ2体に目を向ける。操作法術に支配されていた意識を覚醒させるためか、2体とも頭を振ったり、顔を叩いたりを繰り返していた。その動作の甲斐あって意識が覚醒したのか、その目には先ほど倒した1体には見られなかった激しい怒りの光が宿っている。

「あなた方が報復すべき相手をお教えしますよ……こっちですっ!」

 2体のオーガの間を駆け抜け、エグザルレイはオーガの意識を自分に向けさせた。オーガ達は操作法術に支配された意識の中でも、人間……法術士に利用されたという憎しみの感情が芽生えている。

 目の前にいる人間は……全て殺して喰らってやる!

 そんな決意を込めた 咆哮ほうこうを一声上げると、エグザルレイの後を追って駆け出して来た。2体のオーガの咆哮に呼応するように、他の投石機周りで暴れていたオーガ達も咆哮を発し、数体を残してエグザルレイの方向へ駆け出して来る。

「おや……やっぱり皆さん、お怒りですね……」

 横目でその様子を確認したエグザルレイは一直線にエグデン軍陣営を目指し駆け抜けて行く。

 敵陣本営は、大体2キロ位先でしたね……。しかし、さすがにオーガ……足も長いだけあって速いですね……ま、追いつかれはしません!……無茶をせずに駆け抜けるだけですから……

 常人の脚力をはるかに 凌駕りょうがする速さで、エグザルレイは戦場の平野を駆け抜けて行く。そのすぐ後を2体のオーガが、そして、さらにその後方数百メートルには4体のオーガが駆けていく。

―――・―――・―――・―――

「ボルサ指令! 大変です! オーガ6体、こちらに向かって来ています!」

 エグデン軍の本営テントに監視兵が飛び込んで来た。中では伏兵によって投石機隊が襲撃された事を伝えたばかりのエグデン兵が肩で息をついている。

「どういう事だ! 伏兵がいたのか! 被害は!? オーガがこっちに? なぜだ! 法術士は!?」

 ボルサはほぼ同時にもたらされた戦況情報に混乱し叫んだ。テント内にいた数名の戦略担当官達も状況がつかめず、慌ててテントから飛び出す。その目の前を何者かが駆け抜けて行った。

「お……っと……何ごと……」

 先頭で飛び出した担当官は、直後にテント前を駆け抜けたオーガに蹴り飛ばされた。一瞬遅れて、陣営全体に混乱の声が響き渡る。
 エグザルレイを追いかけて来たオーガ達は、なかなか追いつけない人間よりも、手当たり次第に破壊出来る目の前の人間達に標的を定め、怒りと本能のままに破壊行為を始めていた。

「……あなたもどうぞ……いっぱいいますよ!」

 いつまでも諦めずに自分を追いかけ続けてくる1体のオーガにエグザルレイは語りかけたが、全く通じる気配は無い。

「ま……そりゃそうでしょうね。……でも……弱りましたねぇ……」

 エグザルレイはさすがに自分の体力が心配になってきた。走り続けるだけならまだ数十キロは可能だろうが、この先エグデン兵やオーガとも戦う事になるのなら、そろそろ体力を蓄えておきたい。

 ……仕方ありません……勿体無いですけど……

 少し先に資材を運ぶための大きな貨車がつながれているのを視認したエグザルレイは、一直線にその貨車部分に向かって駆け込むと、貨車の壁を駆け上がり、その最頂部に足をかけ空中に跳ね上がる。
 目の前の獲物を、一瞬見失ったオーガは貨車を体当たりで吹き飛ばし立ち止まった。

「こっちです!」

 頭上から聞こえた声に反応し顔を上げた瞬間、エグザルレイの長剣が横一閃でオーガの両目を切り裂いた。オーガは両手で自分の両目を覆って屈みこみ、両膝を地に着ける。

「……すみません。……でも、あなたがしつこいからいけないんです」

 エグザルレイはそう告げると急いでその場を後にし、再び陣営内部へ駆け戻って行く。両目の視力を奪われたオーガは、怒り狂いながら、手に触れるものを見境なしに破壊し始めた。

 さっき通り過ぎた場所にエグデンの紋章が……

 オーガとの追いかけっこの間に、エグザルレイは陣営内の配置を確認していた。

 ここの司令本部を潰せば、前線にいるエグデン兵達の統率を完全に崩すことが出来るだろう……エグデン王国の紋章が施されたテント……あれが指令所に違いない……有った!

 数十秒前に通り過ぎたエグデン軍の司令官テント前にエグザルレイは戻って来た。戦闘兵や法術士、従軍者等が入り乱れて大騒ぎになっている。オーガによる破壊行為が繰り広げられる陣内は、あまりにも混乱してしまっているせいか、グラディーの戦士が平然と立っているのに誰一人声もかけず逃げ惑っている。

「誰か! おい! 兵はいないのかっ!」

 テントの中から声が聞こえた。

 この声は……聞き覚えが……

 エグザルレイは長剣を鞘に納め、テントの出入布を開き中に入る。木の骨組みで立てられた立派な作りのテントだ。正面奥の壁布にはエグデンの大きな国旗と、その4分の1ほどの大きさのイグナ・サルカス・グラディーの旗が縫い付けられている。その前には広いテーブルが置かれ、戦略地図が広げられていた。

「おおっ! 貴様、外はどうなってるんだ! オーガ共は……って……お前は……誰だ?」

 エグザルレイに目を向けた正面の男は一瞬笑顔を見せ、次に怒りを表し、そして、困惑の声で尋ねた。

「あなたが司令官でしたか……お久し振りです。ボルサさん」

 声をかけられたボルサは言葉も出ないほどに困惑している。その横に立っていた男が代わりに尋ねた。

「お前は誰だ! 我が軍の兵では無いな? 何者だ!」

 エグザルレイは男の格好を見てグラディー族だと気付く。

「あなたは……グラディーの?」

「……フン族の族長カクウだ。……という事は貴様は……」

「フン族?……ああ……グラディー族をエグデンに売り渡したあの……」

 エグザルレイは笑顔で答えた。しかしその目は怒りと さげすみに満ちている。

「何だと!……我が一族を侮辱する事は……」

 カクウの抗議は眉間に刺さったエグザルレイの短剣により、それ以上発せられること無く閉ざされた。

「うおっ……貴様……何を……」

 ボルサは突然目の前で行われた蛮行に、目を見開き呆然とする。

「……グラディー族を侮辱し、崇高なる族長達、戦士達を死に追いやった元凶に対し、戦士としての務めを果たしたまで」

 エグザルレイはジッとボルサを睨みつける。ボルサは完全にエグザルレイに飲まれてしまっているのか、目の前に起こっている事を処理出来ずにいる。エグザルレイは深い溜息をついた。

「父と母は元気にしていますか? ボルサ隊長」

「あ? なんだと……俺は司令官だぞ!……父と母? 誰だ……ボルサ『隊長』だと……」

 ボルサは記憶の引き出しを片っ端から開き始め、自分が「隊長」と呼ばれていた時期の記憶に辿り着いた。

 エグデンの法術兵団隊長だった時代……父と母? まさか……

「私の名はエグザルレイ・イグナ……第13代イグナ王国国王とされるために生まれた人生を追われたことで、今は素晴らしい仲間達と共にグラディー族人属戦士としての人生を喜び満たされて生きています」

 エグザルレイは満面の笑みを浮かべ、旧知のボルサに近況を報告した。

「イグナの……バカな!……地下牢に封じた……いや! そもそも何で貴様が!」

 エグザルレイはゆっくりとボルサに近付く。

「父と母は元気ですか?」

「……あ、ああ! ああ! 元気だともよ! ちゃんと手厚く保護されてな! まあ、名前だけの国王陛下とお妃さまだけどよ、森の中の王宮で楽しそうにのんびり暮らしてるぜ……」

 ボルサはエグザルレイに恩を着せられると思ったのか、エグザルレイの両親であるイグナ王国シャルドレイ王とフォティーシャ妃の近況を笑顔で伝える。しかしその言葉の最後を結ぶ前に、エグザルレイの長剣はボルサの心臓を刺し貫いていた。

「あの方々がお元気なのは結構な情報でした。ありがとうございます」

「……だったら……なんで……」

 急速に力が抜けて行く身体を支えるために、ボルサは戦略地図を載せたテーブルに手をつこうとしたが、体勢を崩し、そのまま地に倒れ絶命した。

「……今の私を知ったあなたが生きて戻れば、あの方々を不幸な目に遭わせる……そんな気がしたんです。国王陛下と母様は……もう……虚文主義であろうとも幸せに暮らしてもらいたいんです……一応、私を産んでくれた方々ですから……。いずれにせよ、あなたがここの司令官である以上、私は私の務めを果たすまでです」

 エグザルレイはそう告げ、エグデン軍司令官テントを後にした。
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