◆完結◆『３年２組 ボクらのクエスト～想像✕創造の異世界修学旅行～』《全７章》

第４章 陰謀渦巻く王都 編

第４章まえがき

　文化法暦省大臣補佐官にしてエグラシス大陸最強の魔法術士との異名を持つエルグレド。その正体と半生は篤樹達の想像をはるかに超える壮絶かつ数奇なものだった。
　篤樹、エシャー、レイラ、スレヤーはエルグレドの語る『裏のエグデン王国史』と彼の半生に驚きつつ、しかし、その事によってエルグレドとの関係が変わるわけでは無いことを全員で確認し合う。
「これで良いのさ、俺たちの関係はよ。楽しく行こうぜ！」
　スレヤーの言葉に力づけられた篤樹は『この世界で出会った友人たち』がいかに心強い旅の仲間であるかと改めて思わされた。

　『最後の時』に向かって動き出した『この世界』。突然の災害、エルグレド離脱による探索隊の離散、エグデン王都に渦巻く様々な陰謀……そして『湖神の結界』から解かれる時を虎視眈々こしたんたんと狙うガザル……

　エルグレドさえも認める力を秘めた内調部隊の少年魔法術士が現われエシャーの心は揺れ動く。
　
　あの『バス転落事故』から数週間……元の世界に帰ることが出来るのか？それとも他の同級生たちのようにこの世界で生きることになるのか？篤樹は答えの見えない先行きへの不安を抱きつつ、急激に動き始めた『この世界の終り』に向かう新たな『チガセ伝説』へと歩み出す。