裏社会の灯火

第一章 路地裏の怪人事件

第2話 ファルセダー探偵事務所

この世界には、裏と表が存在する。真実を隠し嘘偽りの姿を表に出し、平穏に暮らしている。世界はそうやって回っている。

西の国・グロッサウェスト
この国には、2つの姿が存在する
1つは、人々が平穏に暮らす表の姿
2つ目は、殺人、強盗、薬物の違法売買など表では公表されない重大犯罪が蔓延る裏の姿

俺の名は、ジョヴァンニ・ファルセダー、西にある国、グロッサウェストでファルセダー探偵事務所を経営している私立探偵だ。
俺は今まで様々な修羅場を乗り越えて来たが、今現在、今までとは比べ物にならないくらいの大ピンチに陥っている.......
それは、"家賃の滞納"だ。
その件で大家さんが俺の事務所に来ている。
「ジョヴァンニさん、貴方はいつになったら家賃を払ってくださるんですか？」
大家さんは、静かに俺に言った。
その声は静かで、そして俺にとってはとてつもなく恐ろしかった。
「あと、１ヶ月....いや、あと1週間待ってくれ!!」
俺は、大家さんに頼んだ。
「もう待てません、払えないなら出ていって下さい」
大家さんからの衝撃的な言葉に一瞬気が遠くなったが何とか正気を保って大家さんに必死に頼みこんだ。
「待って！次の仕事が入ったら、払うから！」
「....」
大家さんは、俺の必死の訴えを無視して事務所を出ていってしまった。
「はぁ....」
俺は、大きなため息を着いて椅子に座り込んだ。
「このままでは、ファルセダー探偵事務所は廃業だ....」
「どーする....考えろ！考えろジョヴァンニ！」
俺は、この大ピンチを乗り切る方法を必死に考えた。
だが、全く良い方法は思い付かなかった....
年貢の納め時かと思ったその時
玄関のチャイムが鳴った。
俺は、大喜びで玄関に向かった。
玄関のドアを開けると、トレンチコートを着た男が立っていた。
トレンチコートの男は、内ポケットからバッチを取り出して俺に言った。
「国家警察のカミヤだ、捜査の協力を願いたい」