上 下
1 / 1
鳥人

孤独の鳥人

しおりを挟む
 あるところに、変わった少年がいた。
 それは翼の生えた少年。

 彼は周りと違って、生まれつき翼が生えていた。
 人々は彼を差別した。

 彼は引きこもりになった。
 1人だけ彼を認めた人がいた。
 彼は親友と呼んだ。

 親友は毎日、彼のもとへ行き話をしたり遊んだりした。
 彼は幸せだった。

 彼はお風呂が大変だった。
 年齢が上がるにつれて、翼も大きくなった。
 翼が大きくなるともちろん洗うのも大変。
 彼は親友に洗うのを手伝ってもらった。
 親友は快く引き受けてくれた。

 毎日、彼は親友を頼りにしていた。
 しかし、ある日突然親友は来なくなった。

 やっぱり嫌われてしまったか
 忙しくなったか

 理由はともかく、また来てくれることを祈った
 相手も年齢は高校生
 時間を空けるのも大変だろう。

 しかし親友は来なかった



 半月程経って、彼は決心した
 この翼がなければ
 親友と
 みんなと
 仲良くできたんだ

 彼は翼を切り落とした
 なぜが痛みは感じない


 静寂の空間に
 血と涙だけが流れていた



 2日経って
 親友が久しぶりに来てくれた

 親友は顔を真っ青にして言った
 「何でそんなことしたの?」
 親友は泣き出した

 彼は分からない
 何故泣いているのか
 彼は分からない
 何がいけなかったのか
 彼は分からない
 何をしたらいいのか
 彼は分からない
 何をすれば許してもらえるのが


 彼はすべてを親友に話した
 親友は理解してくれた

 楽しい日々を過ごした
 しかし、彼はまた絶望した
 切り落とした翼はまた生えてきた


 彼は未来を失った
 翼は無くならない
 自分への苦しみは無くならない



 あぁ
 神様
 どうして
 私は
 このような
 体で
 この世に
 誕生したのでしょう

 どうして
 運命は
 私に
 苦痛を
 与え続けるのでしょう

 私は
 周りと
 同じような
 普通な
 生活を
 送ってはいけないのでしょうか

 私は翼という縛りと永久に一緒なのでしょうか。



 少年は死を選択した
 親友は自由を選ばせた

 親友はただ一言
 ごめんね
 そう言っていた


 親友は彼を追いかけた
 そして親友は言った

 人は誰しも縛りを抱えて生きている
 規模は違えど縛りがあるのは同じ
 自分だけが完全なる自由を求めてはいけない
 それはきっと実現できない
 運命は変えられない
 運命も縛りの1つ
 未来は変えられる
 未来を幸福へ変えられるのが
 1番早い近道。
 自由の1つ


 少年はすべてを失った
 親友は希望を失った

 未来はすべてを失った
 神は希望を失った
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

冒険最初の街でカフェ・ひなた開店しました。

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:33

インスタントフィクション

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

詩・きらめき

現代文学 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

輝き

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

悪役令息だけど幸せになるんだ!

BL / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:60

日常階段

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

処理中です...