28 / 32
第一章 ―出会い―
魔王
しおりを挟む
「ヤニー!!!お前は人間界に来て何をするつもりだったんだ、お前も“違反者”だろう!!」
トレトーは叫んだが、ヤニーはとびあがり、すでに左手に力をこめていた。そしてさけびながら、圧縮魔力を手のひらに抱え、振り下ろした。
「俺は……魔王になる、人間界の……魔界でだめだったんだ、俺は、この世界を支配してやる」
立ち上がる。地面には高さ2メートルほどの大穴があいていた。そしてその一番底に、セレェナが横たわっていた。
「最弱の悪魔に”助け”を求めたのが失敗だったな……人間なら、これで死ぬだろう、俺は、悪魔の血は……緑で汚くてきらいなんだ、人間の血なら……」
そういって、底を覗き込んだ。そしてそのすぐ横から妙な”気配”を感じた。次の瞬間。
《スッ》
吹き飛ばされる寸前、彼は自分の頬に紙がふれたのを感じた、そして吹き飛ばされながら、その様子をみた。紙?手紙で拳をおおった、セレェナだった。
《ズドオオォオオオオオオン》
「な、何が……何がおきたんだ」
ズシン、と深い痛みが体中を走る。顔をあげると、グラウンドの端までふきとばされていた。
「7年分の、お返しよ……」
「な、何を言っている、なぜ、人間が悪魔を殴りつけることができる」
「"悪魔と人間"の約束のためよ」
そういって、セレェナは語りだした。
「7年前、私は“ある人”から悪魔写本《ディモコーデックス》を渡されたわ、幼かったのもあるし、悪魔に惑わされていたのかもしれない、けれど、悪魔写本《ディモコーデックス》を使う目的はただ一つ、”カリューナ”の不治の病を治すためだったの」
「そんな、出まかせをいうな!!聞くな!!!お前ら!!」
そういって、スマートフォンに向けて話した。"裏サイト"を利用する人間の"感情の起伏"が弱まったせいで、魔力が徐々にぬけていく。
「私は“悪魔写本《ディモコーデックス》”の影響で変貌していった、その書を長くてにした人間は、悪魔に操作されやすくなる、そこに付け込んだのが、あなた”ヤニー”よ」
「ちょ、ちょっとまて、私にはそんな記憶がないぞ!」
「"封印"したからよ、もう二度と、私に敵意を向けないように、そして、もし敵意を向けた時に、カリューナはある取り決めをしたの」
「何をいっている!!お前は、お前たちは!!トレトーと取引をしたんだ!!そして、トレトーは、お前の友人の命を奪った、そしてお前の願いをかなえた!!」
「じゃあ聞くけど、"私の願い"って何?」
「うっ……」
ヤニーは頭を抱えた。思い出せそうで、思い出せない。
「"かなえたのは、カリューナの願い"よ」
「!!??」
セレェナは、手紙を広げた。
「これは、この手紙は、"バインド・グミ"よ、私は、トレトーと仲直りして思い出したの。ベンQが開発した魔力圧縮・発散アイテム、さっき、下で倒れてたのも、あなたを吹き飛ばしたのも”これに封じられた魔力”あなたを完全に封印する"魔法陣"も書かれていたみたいね」
「!!」
セレェナの広げた手紙には、【親愛なるセレェナへ】のあとに、魔力を流し込んだためか、こうかかれていた。
「親愛なるセレェナへ
あなたのしたことは悪魔との契約であり、許されない事だけれど、清廉潔白で優しいあなたにとっては“いいいたずら”だったわ、私は、あなたが心配だったの、いつも何かを抱え込んで、いつも人の心配をしているあなたが、残念ながら私の時間はもう長くない、あなたの変化をしった悪魔“トレトー”が私に約束をしてくれたの、“私の魂の一部、今世の記憶”を使って、その願いをかなえてくれるって、私は、あなたの魂を使って長生きしようと思わない、その代わり、こう願った。」
セレェナは、涙を流していた。
「その願いは“あなたが、平穏であること、私が死んでも、あなたと私は一心同体、同じであること、あなたが生きれば、私の魂も共に生きている”」
トレトーは叫んだが、ヤニーはとびあがり、すでに左手に力をこめていた。そしてさけびながら、圧縮魔力を手のひらに抱え、振り下ろした。
「俺は……魔王になる、人間界の……魔界でだめだったんだ、俺は、この世界を支配してやる」
立ち上がる。地面には高さ2メートルほどの大穴があいていた。そしてその一番底に、セレェナが横たわっていた。
「最弱の悪魔に”助け”を求めたのが失敗だったな……人間なら、これで死ぬだろう、俺は、悪魔の血は……緑で汚くてきらいなんだ、人間の血なら……」
そういって、底を覗き込んだ。そしてそのすぐ横から妙な”気配”を感じた。次の瞬間。
《スッ》
吹き飛ばされる寸前、彼は自分の頬に紙がふれたのを感じた、そして吹き飛ばされながら、その様子をみた。紙?手紙で拳をおおった、セレェナだった。
《ズドオオォオオオオオオン》
「な、何が……何がおきたんだ」
ズシン、と深い痛みが体中を走る。顔をあげると、グラウンドの端までふきとばされていた。
「7年分の、お返しよ……」
「な、何を言っている、なぜ、人間が悪魔を殴りつけることができる」
「"悪魔と人間"の約束のためよ」
そういって、セレェナは語りだした。
「7年前、私は“ある人”から悪魔写本《ディモコーデックス》を渡されたわ、幼かったのもあるし、悪魔に惑わされていたのかもしれない、けれど、悪魔写本《ディモコーデックス》を使う目的はただ一つ、”カリューナ”の不治の病を治すためだったの」
「そんな、出まかせをいうな!!聞くな!!!お前ら!!」
そういって、スマートフォンに向けて話した。"裏サイト"を利用する人間の"感情の起伏"が弱まったせいで、魔力が徐々にぬけていく。
「私は“悪魔写本《ディモコーデックス》”の影響で変貌していった、その書を長くてにした人間は、悪魔に操作されやすくなる、そこに付け込んだのが、あなた”ヤニー”よ」
「ちょ、ちょっとまて、私にはそんな記憶がないぞ!」
「"封印"したからよ、もう二度と、私に敵意を向けないように、そして、もし敵意を向けた時に、カリューナはある取り決めをしたの」
「何をいっている!!お前は、お前たちは!!トレトーと取引をしたんだ!!そして、トレトーは、お前の友人の命を奪った、そしてお前の願いをかなえた!!」
「じゃあ聞くけど、"私の願い"って何?」
「うっ……」
ヤニーは頭を抱えた。思い出せそうで、思い出せない。
「"かなえたのは、カリューナの願い"よ」
「!!??」
セレェナは、手紙を広げた。
「これは、この手紙は、"バインド・グミ"よ、私は、トレトーと仲直りして思い出したの。ベンQが開発した魔力圧縮・発散アイテム、さっき、下で倒れてたのも、あなたを吹き飛ばしたのも”これに封じられた魔力”あなたを完全に封印する"魔法陣"も書かれていたみたいね」
「!!」
セレェナの広げた手紙には、【親愛なるセレェナへ】のあとに、魔力を流し込んだためか、こうかかれていた。
「親愛なるセレェナへ
あなたのしたことは悪魔との契約であり、許されない事だけれど、清廉潔白で優しいあなたにとっては“いいいたずら”だったわ、私は、あなたが心配だったの、いつも何かを抱え込んで、いつも人の心配をしているあなたが、残念ながら私の時間はもう長くない、あなたの変化をしった悪魔“トレトー”が私に約束をしてくれたの、“私の魂の一部、今世の記憶”を使って、その願いをかなえてくれるって、私は、あなたの魂を使って長生きしようと思わない、その代わり、こう願った。」
セレェナは、涙を流していた。
「その願いは“あなたが、平穏であること、私が死んでも、あなたと私は一心同体、同じであること、あなたが生きれば、私の魂も共に生きている”」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2025/12/14:『さむいしゃわー』の章を追加。2025/12/21の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/13:『ものおと』の章を追加。2025/12/20の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/12:『つえ』の章を追加。2025/12/19の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/11:『にく』の章を追加。2025/12/18の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/10:『うでどけい』の章を追加。2025/12/17の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/9:『ひかるかお』の章を追加。2025/12/16の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/8:『そうちょう』の章を追加。2025/12/15の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/7:『どろのあしあと』の章を追加。2025/12/14の朝8時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる