ギフトマン

ショー・ケン

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救出

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「ピエ!!!」

「!?」

 その人は足をつかまれて、後ろ向きに転んだ。そしてパルシュは、この人に布をかぶされたのだときずいた。自分が起き上がったときぼろきれのような布が零れ落ちたのだ。

「すすす、すみません、でもなんでここに……人?」

 その時、後ろからドタドタと足音がせまってきた。騒ぎをかけつけたゴブリンたちだろう、パルシュは、恐ろしくなって声をあげた。

「ひえ!!逃げなきゃ」

「逃げ、る?」

 たどたどしい言葉遣いを使うその人を、一瞬パルシュはおいて逃げようかと思ったが、彼は先ほど、布をかぶせてくれた。あんなもので対策できたかはどうあれ、自分を助けようとしてくれたに違いない。

「早く、逃げなきゃ」

「う」

 振り返り、がしっと手を掴んで、足音がする方向と別の方向に逃げようとうながす。しかし、その人は自分のてをしっかり見つめるだけだった。

「あ、ごめん、強すぎたかな」

(こういう時はどうすればいいんだ、そうだ)

 パルシュはかがんで、目線を合わせた。

「僕の名前はパルシュ、あなたの名前は?」

「名前……トマフ」



一方、村の宿泊所にて、落ち込んだ様子のイース一向が、扉の前に佇む、悲しげに涙を流す女イベラ、男泣きのルアンス、彼の肩をたたいて、イースは奥にいれると、イベラがあとをつづき、3人が中にはいる。イースが扉をしめると、だららともなく、ぷぷぷ、と笑い声をかける。

「ギャハハハ」

「がはは!!」

「うふふふふ」

 笑い転げて床に転げるイース。

「みたか、あの田舎女アレポ!!!触られたけど痛くもかゆくもねえ、それどろか、笑いを転げるのに必死で涙がでてきちまった、それに、ほら、かいでみろよ」

 と、ルアンスに自分のえりを近づける。

「芋くせえ!!!」

 とルアンスがいうと、彼の肩をバンバンたたいて笑った。



 “ドタドタドタ”

 ダンジョン、クーベラではその最奥にて、パルシュとトマフ自己紹介を終えたばかりだった。その背後に、ゴブリンたちが迫りくる。

(しまった……ここまでか、俺には、荷物持ちの力しかないんだ)

 ふっと、トマフはパルシュのわきをよこぎると、右手をかかげた。

「な、何を、危ないよ!!」

 迫りくるゴブリンの群れ、魔力のない人間では大人であれ人たまりもない

“パシュン!!”

 その群れが、まるでトマトがはじけるように一瞬にして消滅した。
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