ギフトマン

ショー・ケン

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運命

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 空が漆黒に覆われる。それは黒い雲だった。“災禍”の予兆。“裁き”の示し。ドローンが村全体をおおい、やがてそれは、黒い雲の周りをまわり始めた。

「始まる……」

 村を見下ろしているトマスは、アレポにそのことを告げた。

「ねえ……止める方法はないの、この運命から逃げる方法は」

アレポは答える。

「ない……これは裁きだ、裁かれるのは……君ではないが」

雲がたちこめ、やがて完全な暗黒かとみまごう世界ができたとき、上空に一つの巨大なドローンが現れた。それは、虫のような足と、鳥のような羽をもっている奇妙なドローンだった。その映像は、徐々にそれは魔王を形どっていく。やがて、それが空をおおったとき、それを照らすようにドローンが発光した。そしてそれはノイズまじりの機械声を張り上げた。

「この村の人々よ……聞け」

 その影は動きながら人々に語り掛ける。人々は魔王の再来と、目の前の明らかに巨大な魔力で行われている出来事を恐れ、おののいた。

「この村は、我に対する敵意が認められた、だがそれだけではない、我は人々と、不可侵の盟約をまもっておる、約束さえ守れば、お互いに必要以上の干渉はせぬと」

 すう、と息を吸い込む、そして声をはりあげた。

「しかし、私に歯向かうものは多い、勇者だか英雄だかいわれておるが、無謀にもほどがある、私の存在と懐の広さによって、この世界はこうした平和が保たれておるのに……まあそれはよしとして、わしは、そのような名声にすら泥を塗るような、こざかしい罪人が嫌いじゃ、そして、それは“盟約”によって私に権利が委ねられてることでもある」

 人々がざわつき、騒ぎが大きくなっていく。

「それはすなわち……彼らやその卵がそれにそぐわぬ不正や悪行をしておるとき、私は裁く権利がある、そしてまた、彼らをそのような方法で殺したときも同じだ」

 人々はあたりを見回した。身に覚えのないものがおおい。

 ドローンは、突然動きだし、村に隣接する森の上空にむかうと、そこに巨大なレーザーを放った。そのレーザーは、土を隆起させ、村より巨大な土台をつくった。

「これは、裁きの場だ、お前たちの中に罪人がおる、罪人を“裁けば”村の罪は軽くなるだろう、だがそうでなければ、無駄な人々が犠牲になるやもしれん、すでに"ウバ族"により犠牲は払われた、我の怒りは沈みつつある、だからこそ、この程度で許してやろうというのだ、罪人を捕まえ、この処刑の台地につれてこい、それはこの村の村長ゴルド、そして、その孫、ノースだ」
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