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第一章 スキル授与
ヘリオ・スキルの解明
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ぷかぷかと湯舟につかった。女児となった自分の体を見回すが何の感慨もわかない。それもそうだ。転生以前から性欲というものが全くと言っていいほどなかった。
(ふう……)
しかし、先ほどのケローネの転倒には驚いた。気を失って泡を吹いていた。慌てて医師を呼んで対処してもらったが、ケローネはまだ眠っている。話せるようにはなったが、どうやら“恐ろしい幻覚をみて驚いて転んだ”という。医師は血液やマナの状態をみたが異常はないようで、スキルを使って精密な調査をしたが、やはり異常はないようだ。単純に、ショックとなる事がおきて気を失っただけのようだ。
(いったい何をみたのだろう?)
と考えていると、なにか妙な感覚を覚えた。湯が揺れているのだ。自分の体が動いているとか、そういう感じでなく、妙な……自分の少し離れた位置で、波紋がたち、もぞもぞと魚が泳いでいるような感じだった。
(何か……異常がおきているのか?)
時折、スキルを授かった直後に力が暴走する事があると聞く。だがたいていの場合、スキルの行使者は、力を四肢のように使っている実感をもつものだ。―特に(外影響類)周囲の物質に影響を及ぼす、操る形のもの―は、魔物ですら感覚が鋭いと聞く。そこでふと、ある事を思い出した。
(そういえば、さっきの妖精は完全な“水”だった)
もし、あれがスキルの暴走と考えるとおかしなことがある。普通、スキルの類型・分類はまたいで与えられる事はない。外影響類(物質操作)、内影響類(精神操作)、回復類(生命力にかかわるものの操作)、擬人化類(意思を宿し、操る)主にスキルはこれらの分類があるが、ひとつの類型のスキルを与えられたら、その類型以外のスキルは習得できない。複数スキルを与えられたり、スキルが成長し、派生する事はあっても、この壁を超える事はできないのだ。
(ではなぜ?)
ヘリオは考えた。水使い、蛇水術。自分で操っている実感がないのに、なぜ先ほどの妖精は……、あれは別の誰かのスキルととらえるのが妥当だろうか?
ふと、ヘリオは湯の中をごちゃごちゃにかき回した。静かに波紋をみて追いかけていたが、いつまでたっても“そのもの”を捕まえることができない。水流の流れ、何かが泳いでいる感覚はあるのだが。
「くそ、捕まえてやる……妖精め!!」
ヘリオは勢いよく手をばたつかせる、水しぶきが固まりとなってヘリオ自身の視界すらも多い隠した。が、その瞬間、右指先に妙な感覚があった。少し硬い、ツメの表皮のような感覚が並んでいるような、それを逆の手で捕まえた。
「やったぞ!!スパイか!!女児の裸を見ようだなんて……あの悪ガキのレネたちの差し金か!!」
ぐっと握った手を顔の前まで近づける。
「ヒィッ」
と声がでた。目の前には、水で形づくられてはいるものの、少し硬い感触を帯びた……舌をペロペロとだして、細い黒目でこちらを睨め付ける……蛇がいた。
卒倒しそうになった所で、後ろで声がした。
「残念、あたしはこっちでした」
そこには先ほどの妖精が(さっきは気づかなかったが、まるでお姫様のように髪の毛を縦に盛りつけ、ツンとしたキツネ目に、厚ぼったい唇をもつ、海外セレブのような)彼女が、意地悪く腕をくんで笑っていた。
(ふう……)
しかし、先ほどのケローネの転倒には驚いた。気を失って泡を吹いていた。慌てて医師を呼んで対処してもらったが、ケローネはまだ眠っている。話せるようにはなったが、どうやら“恐ろしい幻覚をみて驚いて転んだ”という。医師は血液やマナの状態をみたが異常はないようで、スキルを使って精密な調査をしたが、やはり異常はないようだ。単純に、ショックとなる事がおきて気を失っただけのようだ。
(いったい何をみたのだろう?)
と考えていると、なにか妙な感覚を覚えた。湯が揺れているのだ。自分の体が動いているとか、そういう感じでなく、妙な……自分の少し離れた位置で、波紋がたち、もぞもぞと魚が泳いでいるような感じだった。
(何か……異常がおきているのか?)
時折、スキルを授かった直後に力が暴走する事があると聞く。だがたいていの場合、スキルの行使者は、力を四肢のように使っている実感をもつものだ。―特に(外影響類)周囲の物質に影響を及ぼす、操る形のもの―は、魔物ですら感覚が鋭いと聞く。そこでふと、ある事を思い出した。
(そういえば、さっきの妖精は完全な“水”だった)
もし、あれがスキルの暴走と考えるとおかしなことがある。普通、スキルの類型・分類はまたいで与えられる事はない。外影響類(物質操作)、内影響類(精神操作)、回復類(生命力にかかわるものの操作)、擬人化類(意思を宿し、操る)主にスキルはこれらの分類があるが、ひとつの類型のスキルを与えられたら、その類型以外のスキルは習得できない。複数スキルを与えられたり、スキルが成長し、派生する事はあっても、この壁を超える事はできないのだ。
(ではなぜ?)
ヘリオは考えた。水使い、蛇水術。自分で操っている実感がないのに、なぜ先ほどの妖精は……、あれは別の誰かのスキルととらえるのが妥当だろうか?
ふと、ヘリオは湯の中をごちゃごちゃにかき回した。静かに波紋をみて追いかけていたが、いつまでたっても“そのもの”を捕まえることができない。水流の流れ、何かが泳いでいる感覚はあるのだが。
「くそ、捕まえてやる……妖精め!!」
ヘリオは勢いよく手をばたつかせる、水しぶきが固まりとなってヘリオ自身の視界すらも多い隠した。が、その瞬間、右指先に妙な感覚があった。少し硬い、ツメの表皮のような感覚が並んでいるような、それを逆の手で捕まえた。
「やったぞ!!スパイか!!女児の裸を見ようだなんて……あの悪ガキのレネたちの差し金か!!」
ぐっと握った手を顔の前まで近づける。
「ヒィッ」
と声がでた。目の前には、水で形づくられてはいるものの、少し硬い感触を帯びた……舌をペロペロとだして、細い黒目でこちらを睨め付ける……蛇がいた。
卒倒しそうになった所で、後ろで声がした。
「残念、あたしはこっちでした」
そこには先ほどの妖精が(さっきは気づかなかったが、まるでお姫様のように髪の毛を縦に盛りつけ、ツンとしたキツネ目に、厚ぼったい唇をもつ、海外セレブのような)彼女が、意地悪く腕をくんで笑っていた。
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