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第一章 スキル授与
窮地
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「う、ぅううう」
背後で声がする。最初に“守護使者”に吹き飛ばされた冒険者が体を起こす。恰幅がよく腹がでている中年の冒険者だ。
「お、おお」
「だめ!!!やめて!!」
中年の冒険者は、傍らの剣を手に取り、怪物に向かっていった。
「エィミア!!!」
「分かってる!!」
ヘリオが叫ぶと、エイミアが川の水をすいあげ、その冒険者を保護した。怪物はしっぽをぶん回し、冒険者に思いきり打撃を加え、ふきとばした。
「……!!!」
怪物は、ギョロリとした蛙のような瞼をした、蛇のような目でこちらをにらんだ。長い、濁った水色の吻が鼻をならして雄たけびをあげた。
「ギョエエエエエエ!!!」
手足を順序めちゃくちゃにこちらに向かってきた。
「に、逃げろ……」
エイブスが、力なく声をかける。しかしヘリオには聞こえていなかったし、それがケローネの物でない事も理解できなかった。それほどに彼女の神経は研ぎ澄まされていた。
「だ、ダメだ!!」
ケローネは叫んだ。そして、エイブスの傍に駆け寄る。
「何がだめなんだ?」
エイブスが尋ねると、ケローネはいった。
「彼女は……殺せない、決着がつかない……!!!」
思わぬことに、ヘリオと“守護使者”の戦いは互角だった。ケローネとエイブスにはわからない。だが、エイブスは目で理解することができていた。“守護使者”がヘリオを長い爪や手足で殴りつけるたび、その皮膚をおおう粘液が、“剥がれ”落ちていることを、そして、ヘリオの首の後ろ、かぶっていないフードにかくれるように、小さな“生物”が何か魔力を使っていることを。
『ヘリオ!!!聞きなさい!!』
「何が!!!」
『だから、あの子“ラッシュ”を起こすしかないって』
「やだ!!」
『ちょっと、そんな場合じゃないでしょ“吸収”はあいつにしか使えないスキルなの!!私たちの命もかかっているのよ!!』
「でもあいつ!!私に“怪物”を殺せって!!」
『……』
確かにそうだ。彼女は、打ち倒してきたケルピーを動けなくする事はしたが、殺す事はしていなかった。繊細な少女だ。生物の命を奪えないのだろう。
『クソ……“ラッシュ”のやつ“獲物の肉をやまわけ”だなんて、そんなこというから、この子……手が震えてるじゃない……』
ふと“エイミァ”は傍らに吹き飛ばされた冒険者を見て、いい考えをおもいついた。その瞬間、ヘリオは吹き飛ばされたが、エィミアが水をあやつり、クッションをつくった。
「クソッ!!!」
ヘリオは立ち上がる。自分がまさか、こんなに“ひ弱”だったとは。確かに生物の生き死にに無関心ではあった。だが“わざわざ生物の命を奪い取る”ことなどしたことはない。けれど、ケローネの事を思うと、まるでいい思い出が走馬灯のように駆け巡る。
「ああああっ!!」
ヘリオは、地面を思い切り叩いて嘆いた。
『まずい!!ヘリオ!!!冒険者が』
その声を聴いて、冒険者のほうをみた。冒険者は、その腹部……体からすさまじい量の血をふきだしていた。
『ヘリオ!!!よく聞いて……』
背後で声がする。最初に“守護使者”に吹き飛ばされた冒険者が体を起こす。恰幅がよく腹がでている中年の冒険者だ。
「お、おお」
「だめ!!!やめて!!」
中年の冒険者は、傍らの剣を手に取り、怪物に向かっていった。
「エィミア!!!」
「分かってる!!」
ヘリオが叫ぶと、エイミアが川の水をすいあげ、その冒険者を保護した。怪物はしっぽをぶん回し、冒険者に思いきり打撃を加え、ふきとばした。
「……!!!」
怪物は、ギョロリとした蛙のような瞼をした、蛇のような目でこちらをにらんだ。長い、濁った水色の吻が鼻をならして雄たけびをあげた。
「ギョエエエエエエ!!!」
手足を順序めちゃくちゃにこちらに向かってきた。
「に、逃げろ……」
エイブスが、力なく声をかける。しかしヘリオには聞こえていなかったし、それがケローネの物でない事も理解できなかった。それほどに彼女の神経は研ぎ澄まされていた。
「だ、ダメだ!!」
ケローネは叫んだ。そして、エイブスの傍に駆け寄る。
「何がだめなんだ?」
エイブスが尋ねると、ケローネはいった。
「彼女は……殺せない、決着がつかない……!!!」
思わぬことに、ヘリオと“守護使者”の戦いは互角だった。ケローネとエイブスにはわからない。だが、エイブスは目で理解することができていた。“守護使者”がヘリオを長い爪や手足で殴りつけるたび、その皮膚をおおう粘液が、“剥がれ”落ちていることを、そして、ヘリオの首の後ろ、かぶっていないフードにかくれるように、小さな“生物”が何か魔力を使っていることを。
『ヘリオ!!!聞きなさい!!』
「何が!!!」
『だから、あの子“ラッシュ”を起こすしかないって』
「やだ!!」
『ちょっと、そんな場合じゃないでしょ“吸収”はあいつにしか使えないスキルなの!!私たちの命もかかっているのよ!!』
「でもあいつ!!私に“怪物”を殺せって!!」
『……』
確かにそうだ。彼女は、打ち倒してきたケルピーを動けなくする事はしたが、殺す事はしていなかった。繊細な少女だ。生物の命を奪えないのだろう。
『クソ……“ラッシュ”のやつ“獲物の肉をやまわけ”だなんて、そんなこというから、この子……手が震えてるじゃない……』
ふと“エイミァ”は傍らに吹き飛ばされた冒険者を見て、いい考えをおもいついた。その瞬間、ヘリオは吹き飛ばされたが、エィミアが水をあやつり、クッションをつくった。
「クソッ!!!」
ヘリオは立ち上がる。自分がまさか、こんなに“ひ弱”だったとは。確かに生物の生き死にに無関心ではあった。だが“わざわざ生物の命を奪い取る”ことなどしたことはない。けれど、ケローネの事を思うと、まるでいい思い出が走馬灯のように駆け巡る。
「ああああっ!!」
ヘリオは、地面を思い切り叩いて嘆いた。
『まずい!!ヘリオ!!!冒険者が』
その声を聴いて、冒険者のほうをみた。冒険者は、その腹部……体からすさまじい量の血をふきだしていた。
『ヘリオ!!!よく聞いて……』
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