手助けをする守護霊

ショー・ケン

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手助けをする守護霊

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 私にはわずかだが、霊媒師の母から受け継いだ霊感があった。そのおかげで難を逃れたことは何度もあったし、将来は母の後を都合とおもっていた。母がしぬまでは。

母が死んでも、私はめげなかった。もと親友で、今はいじめっことなっているB子に目を付けられ、嫌がらせを受ける毎日だったが、それでもめげなかった。

私はあるとき、飛び降り自殺をしようとしている男性を救った。
ニヤリと笑うB子
きっとB子は、私が、飛び降り自殺をただ止めたように思ったのだろう、B子は昔、母がB子の母についている“憑き物”を払えなかったことを逆恨みしている。B子の母は、それからしばらくして、死んだ。だから、私が能力をつかって人助けしていることをひがんでああやってニヤニヤとするのだと思う。

 だが私がめげないのも、この男性を助けたのにも理由がある。母の死後、私は母の声を聴くようになったのだ。
「あの人、取りつかれている……」
 母は、私の直ぐ傍に事件が起きそうになると、すぐに察知してくれる、そこで私は霊的感覚が敏感になり、幽霊を強くみるようになる。先ほど飛び降りを使用としていた男性は、明らかに、強烈な怨霊に取りつかれていた。

(この力で、人を救え)

 そういわれている気がした。

 あるとき、祖母に家に言われた。そこで衝撃的な事を言われたのだが、私は信じなかった。母は、お前についていないという、別の人間がお前についているというのだ。

 私は祖母を信じていなかった。母と仲が悪かったし、母が霊的能力で商売をする事にひどく反対して疎遠になっていたそうだ。口がきつく我が強いので私も、ほとんどの人は祖母が嫌いだった。

私はその時祖母にお守りを渡された、信じていなかったが、どうしてもというので、私はそれを受け取った。

 また別のある時の事だ、休日で、私はコンビニに用事をすませにいき車をとめていて、出ていくときに事故を起こしそうな車の運転手に、車の運転を注意するように促した。たしかにその運転手は事故を起こしたようだったが、軽くガードレールにぶつけるだけですんだ。

 そして、帰宅の途についた。だが、その途中で後ろから手をつかまれた。振り返るとB子
「あんたに用があるの」
 普通ならついていかない、だが……私は、彼女についていった。なぜなら彼女に、何か影が憑依しているの気付いたから。二人、悪霊がついているようだった。
《ガン、ゴン、ガン!!》
 B子に、空き地で殴られつづけ、ぼろぼろの私、B子は力つきたのか、殴るをやめて立ち去ろうとした。その時。
「車にひかれるかもしれないから気を付けて……」
 B子はいった。
「私には母さんがついているから大丈夫よ」
 そう発言した瞬間、私の口をついてでたのは恐ろしい言葉だった。
「あんたの自分勝手な母親があんたを守るわけないでしょ」
 B子は狂ったように顔を赤くして襲い掛かってきた。あたしも容赦しなかった。ひどくなぐりあい、両方とも顔を赤くして鼻血を出した。

 そして私はB子についている霊を見てやろうとおもった。しかし、もやがかかってよく見えない、そうだ。といたずら心で祖母からもらったお守りを取り出して掲げた。すると二つの霊がみえた。
 そこでみえたのは、私の母親とB子の母親がいがみ合っている姿だった。髪をつかんで、お互いの名を呼び罵倒しあっている。白けた私は、立ち上がる。
「そうか、そうだったんだ」
 私は、祖母に言われた通りに、酒と塩を取り出し、ある呪文をとなえた。するとB子は人がかわったようにけろっとして、私に謝った。
「ごめん、今まで何か、どうかしていたみたい」
 私はそこでB子に、私の祖母に言われていたことを話す事にした。

 実はB母と私の母はもともと親友だった。二人とも霊感があり、お互いに若いころその関係の仕事を始めた。だが母の方が力がつよく、B母は次第にひがむようになっていった。そんなB母を母親もうとましくおもっていた。だがB母は、復讐の準備を着々とすすめていた。母の嫌な噂を流し、母の恋人をとり、友人をとる。しまいには、母を呪おうとしていたらしい。

 だが母は、それでもB母を恨まなかったらしい。しかし、事態が変わったのは、私とB子がうまれ、成長してからだ。B母は病をわずらい母をたよった。母は、何もできないといった。B母はこれまでの無礼をわびて大金を払うといった。それでも母は、できる事はするが、強い悪霊がついているので私には払えないといった。そして、B母はある日病室で、母ににた怨霊が自分をにらんでいるのをみた。すぐに察知して母に連絡をとった。
「あんた、あんたが犯人なのね、あなたの生霊がついているのね!!」
しかし母は答えた。
「違うわ、私はただ、長い時間をかけて“呪い返し”の呪文をかけていただけ、あなたの自業自得なのよ」
 と笑う母。B母はいった。
「しんだら、必ず呪いかえしてやる」

 ここまで話すと、B子はいった。
「私たちの因縁はここで終わりにしましょう」
「そうね、それで一つお願いがあるんだけど」
 私はB子にお守りをさしだした。
「祖母が作ったお守りなの、それを手に取って私をよくみてちょうだい」
 じーっと私をみるB子、突然悲鳴をあげて、お札を放り出した。
「何がみえた?」
「私の母と、あなたの母がいがみあっている姿」
「やっぱり……」

 祖母によると、どうやら私の聞いていた“声”は母が私に危険を知らせるために私に呼びかけていたもので、私の傍で事件が頻発するのは、実はB子の母が私を不幸な目に合わせようとしているらしかった。
 私はいった
 「あなたの母は私の母を呪って地獄におちた、呪い返しをした私の母もそうみたい、もう私は、霊感をつかって見返りを得るのはやめるし、むやみに使わない」
 そういうと、B子は私に微笑んだ。





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