引き籠もりVTuber 学生編

龍之介21時

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約束

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【帰り道】
あれから他愛のない世間話しをしてドキドキした感情をしずめた2人。その会話が疎遠になりがちだった2人の距離を少しだが縮めてくれた
滞在時間が1:30分を超えた辺りで2人は退室する事にした。そして鳥羽駅から電車に乗り2人の住む鈴鹿市に帰る

「ねぇ太一。ドキドキしちゃったね♪」

「ん?何がだ!?」

「何って…まさかラブホテルに入る事になるとは思わなかったじゃん!しかも下着姿まで見られちゃったしさ(笑)」

2人は列車の最後尾に乗った。プラットフォームの関係上、最後尾が1番めんどくさいので人が乗ってくる確率が低いから話しやすい事を考えて、亜沙美の提案で最後尾に乗ったのだ

「バッカ!間違えて入っただけなんだから、あんなのはノーカンだろ!?それに!俺が見た訳じゃなくて、見させられたんだろーがっ!」

「くくくっ!太一ったら、こういう話になるとキョドるのは変わらないねぇ(笑)」

「んだよ…また、からかってんのか?」

2人を乗せている電車は田舎風景の中を静かに進んでいる。三重県は津市に入るまでは人口密度が低いので、その分景色も緑豊かなのだ。2人とも人混みは苦手なので、むしろその景色で気分良く過ごせている

「ん?そのPENって水族館で買ったのか?」

ラブホテルの話が終わり1度話題が途切れると、亜沙美はバッグからPENを取り出してクルクル回していた。暇になるとPENを持ちクルクル回すのは、亜沙美の昔からの癖なのだ

「そうだよ!PENと言ってもタブレット用の紙には書けないPENだけどね……そうそう太一…やっぱり私に学校に来て欲しい?」

「そりゃーな……今年は隣のクラスだけど…3クラスしか無いんだから、来年は一緒のクラスになる可能性高いだろう?それに、来年同じクラスになれたら…修学旅行も一緒に回れるしな…」

太一は照れながら本音を話してくれた

「えっ?修学旅行を一緒に?…ははーん!ソレってぇ、太一は私を自分の彼女にしたい。って事かなぁ?」

「ばっ、バーロ!お前ナニ言って…」

「良いよ……その…太一なら、なってあげても…」

彼氏彼女の話になると太一は照れ隠しで、スグに話を濁そうとして来るのを知っている亜沙美は、太一が言い切る前に答えを告げた。太一ならそうなっても良い、という亜沙美の意思表示でもあったのだが…

「えっ!?ソレって…」

「だけどさ…ソレって私とラブホに入った時に、成長した私の身体を見て欲情したから。とかじゃないよね?」

「また、からかってんのか!お前は!俺は純粋な気持ちで、お前の事をだなぁ…」

「へぇー純粋ねぇ…太一さんや、さっきから目線が下に行ってませんか?私の顔を見て話してないですよね?何処を見ているのかなぁ?ニヤニヤ」
 

「ち、ちげー……いや、違くないかもな…」

「えっ!?」

亜沙美の頭の中では、こういう話に太一は否定の返事しか出来ないハズ!というのが大前提にあったので、強気の発言が出来ていたのだが…

「俺は…お前と同じ高校で3年間過ごして…色々と一緒に経験して…出来たらお前が…彼女と言うか…仲の良い女友達と言うか………で、あったら嬉しいな!と思ってるんだ!」

「ほわあぁぁぁ!?」

絶対にソッチ方向の答えしか帰って来ない!と予想して疑わなかった亜沙美は、真逆の熱い言葉を返され出た言葉がソレだった

「あのなぁ!真剣に答えたってのに…「ほわあぁぁぁ!」って何だよ!「ほわあぁぁぁ」って…」



【亜沙美の部屋18時】
太一は晩御飯が用意されている。との事だったので、晩御飯も一緒にするのも有りかも?…と思っていた亜沙美の予定は外れた

「それにしても太一の奴…
「出来たらお前が…彼女と言うか…仲の良い女友達と言うか………で、あったら嬉しいな!と思ってるんだ」か…熱い告白されちゃったなぁ…
明日から学校に行く?行ったらクラスの子にレアキャラみたいに扱われるんだろうなぁ…嫌だなぁ…でも、太一が助けてくれるのかな?
「亜沙美は俺の女だぁ!」とか言われちゃったりしちゃう?……うひょひょー♪どうしよぉ!」
 

そんなシーンを想像してみた亜沙美だが…

「……うん、まぁ太一に限って…流石にそんなストレートな態度は有り得ないか?ははは…」

学校に行くべきか?否か?亜沙美の気持ちは揺れていた。昨日、今日で学校生活の楽しさを思い出せたが…ソレと同時に学校での嫌な過去も思い出して悩む亜沙美…



続く
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