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幼なじみと親戚
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【放課後】
「キンコンカンコーン、キンコンカンコーン…」
今日の授業が終わった事を告げる音が鳴り響いた
「はひゅ、ふしゅ~~~_:( _ ́ཫ`):_」
亜沙美は久しぶりの授業と、同空間に多数存在するクラスメイトからの視線から来る緊張感と長時間の質問攻めで、完全に体力切れを起こしていた
「ちょっとちょっと竹取さん!」
「ねーねー、聞きたい事があるんだけど!」
「隣のクラスの浅宮君てさ…」
「休んでた間何してたの?」
「皆さんっ!今日はこれ以上、竹取さんに絡むのはやめて差し上げなさい!」
放課後になった途端、またしてもクラスメイトから質問責めにあいかけた亜沙美を、クラス委員長の梨香が止めてくれた
「え~、気になるんすけど…」
「良いじゃないですか!」
「またまた委員長ったら…」
「竹取さんをご覧なさい…完全にグロッキーですわ。また不登校になっちゃうでしょ!」
再び梨香は、本来のキャラではない大声を出して亜沙美に群れるクラスメイトを制してくれた
「あ、ありがとうございましゅ…しゅ~…」
「ガラガラ」
「おーい亜沙美。生きてっかぁ?」
約束通り放課後になったので、太一が亜沙美を回収しにやって来た。しかし、亜沙美は自分の机に倒れるように突っ伏していた
「あっ!もしかして…」
そんな2人の顔を見比べている梨香は何かに気が付いたようだ
「太一君が前に言ってた不安気な幼なじみの同級生って…竹取さんの事でしたの?」
「んっ!?あぁ、そうだよ。よく覚えてたな」
そのやり取りを聞いていた亜沙美が、のっそりと顔を上げて質問した
「…2人って知り合いなの?」
太一と亜沙美は町内の幼なじみ
太一と梨香は隣町の親戚で、高校進学の時期に親の仕事の都合でこの街に引っ越した為、同じ高校に通うようになったらしい
「竹取さん。余計なお世話ですけど…もう少しハッキリとモノを言いませんと学校はもちろん、社会に出てからも苦労致しますわよ?」
「えっと…一応、分かっては…いるつもりなのですけど…その…ごめんなさい…」
亜沙美は学校生活を良くしようと頑張ってはいたのだが、周りからは心配されて当たり前の行動くらいで今は精一杯だった
「それじゃあ私はコチラですから、ここで失礼致しますわね……竹取さん?」
「ひゃ、ひゃい!?」
「明日も学校に来てくださいね……今日は疲れただろうと思いますけど、慣れればそんなに苦ではなくなると思いますから。それじゃあね竹取さん、太一君!」
3人で下校して間もなく、帰り道が別方向の梨香が離脱して帰って行った。普通に手を振る太一の横で、ヨレヨレに手を振る亜沙美
どこからどう見ても、亜沙美は限界を迎えている様な感じが伝わってきたので気に掛けた太一だったが…
「亜沙美。10ぶりの学校は無事に負えられたか?」
「…あのさ太一……この顔が無事に乗り越えたように見えるの?」
亜沙美の顔はうつむき加減で、特に目に光が無く彼女がいかに1日を耐え忍んだのか?を物語っていた
「すまん!見えないわ……で、でもさ!みんなも久しぶりに亜沙美を見た初日だったからさ、ついつい騒いだんだろうぜ。日にちを重ねたら静かになるって!」
「だと良いけどねぇ……」
太一の優しさも亜沙美を元気にするには足りないようだ。取り敢えず明日も学校には行くと約束した亜沙美
「明日も一緒に学校に行こうな」
「…………」
「どうかしたか?」
亜沙美は考えていた。久しぶりの登校だからクラスメイトが騒いだのは理解していた。が、太一が隣のクラスから来てまで亜沙美をフォローしに来た事がもっともクラスメイトを騒がせていたので、それはツライ!とも思いもしたが…
「う、うん。お願いします…」
それよりも太一のフォローが無くなるほうが今の亜沙美にとっては恐怖だったので、明日以降も一緒に登校する事を選んだ
続く
「キンコンカンコーン、キンコンカンコーン…」
今日の授業が終わった事を告げる音が鳴り響いた
「はひゅ、ふしゅ~~~_:( _ ́ཫ`):_」
亜沙美は久しぶりの授業と、同空間に多数存在するクラスメイトからの視線から来る緊張感と長時間の質問攻めで、完全に体力切れを起こしていた
「ちょっとちょっと竹取さん!」
「ねーねー、聞きたい事があるんだけど!」
「隣のクラスの浅宮君てさ…」
「休んでた間何してたの?」
「皆さんっ!今日はこれ以上、竹取さんに絡むのはやめて差し上げなさい!」
放課後になった途端、またしてもクラスメイトから質問責めにあいかけた亜沙美を、クラス委員長の梨香が止めてくれた
「え~、気になるんすけど…」
「良いじゃないですか!」
「またまた委員長ったら…」
「竹取さんをご覧なさい…完全にグロッキーですわ。また不登校になっちゃうでしょ!」
再び梨香は、本来のキャラではない大声を出して亜沙美に群れるクラスメイトを制してくれた
「あ、ありがとうございましゅ…しゅ~…」
「ガラガラ」
「おーい亜沙美。生きてっかぁ?」
約束通り放課後になったので、太一が亜沙美を回収しにやって来た。しかし、亜沙美は自分の机に倒れるように突っ伏していた
「あっ!もしかして…」
そんな2人の顔を見比べている梨香は何かに気が付いたようだ
「太一君が前に言ってた不安気な幼なじみの同級生って…竹取さんの事でしたの?」
「んっ!?あぁ、そうだよ。よく覚えてたな」
そのやり取りを聞いていた亜沙美が、のっそりと顔を上げて質問した
「…2人って知り合いなの?」
太一と亜沙美は町内の幼なじみ
太一と梨香は隣町の親戚で、高校進学の時期に親の仕事の都合でこの街に引っ越した為、同じ高校に通うようになったらしい
「竹取さん。余計なお世話ですけど…もう少しハッキリとモノを言いませんと学校はもちろん、社会に出てからも苦労致しますわよ?」
「えっと…一応、分かっては…いるつもりなのですけど…その…ごめんなさい…」
亜沙美は学校生活を良くしようと頑張ってはいたのだが、周りからは心配されて当たり前の行動くらいで今は精一杯だった
「それじゃあ私はコチラですから、ここで失礼致しますわね……竹取さん?」
「ひゃ、ひゃい!?」
「明日も学校に来てくださいね……今日は疲れただろうと思いますけど、慣れればそんなに苦ではなくなると思いますから。それじゃあね竹取さん、太一君!」
3人で下校して間もなく、帰り道が別方向の梨香が離脱して帰って行った。普通に手を振る太一の横で、ヨレヨレに手を振る亜沙美
どこからどう見ても、亜沙美は限界を迎えている様な感じが伝わってきたので気に掛けた太一だったが…
「亜沙美。10ぶりの学校は無事に負えられたか?」
「…あのさ太一……この顔が無事に乗り越えたように見えるの?」
亜沙美の顔はうつむき加減で、特に目に光が無く彼女がいかに1日を耐え忍んだのか?を物語っていた
「すまん!見えないわ……で、でもさ!みんなも久しぶりに亜沙美を見た初日だったからさ、ついつい騒いだんだろうぜ。日にちを重ねたら静かになるって!」
「だと良いけどねぇ……」
太一の優しさも亜沙美を元気にするには足りないようだ。取り敢えず明日も学校には行くと約束した亜沙美
「明日も一緒に学校に行こうな」
「…………」
「どうかしたか?」
亜沙美は考えていた。久しぶりの登校だからクラスメイトが騒いだのは理解していた。が、太一が隣のクラスから来てまで亜沙美をフォローしに来た事がもっともクラスメイトを騒がせていたので、それはツライ!とも思いもしたが…
「う、うん。お願いします…」
それよりも太一のフォローが無くなるほうが今の亜沙美にとっては恐怖だったので、明日以降も一緒に登校する事を選んだ
続く
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