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家族
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【帰りの喫茶店】
「梨香…落ち着いたか?」
「うん!太一君有難うございます!」
室内プールからの帰りのバスで元気の無かった梨香を連れて、駅前の喫茶店に入った3人
強引に軟派されていた梨香の恐怖心を思い優しい言葉を掛け続ける太一。亜沙美もついこの間、同じ様な目にあっていたので梨香の事は他人事ではなかった
「あぁいう男は本当に許せないよね!」
まるで自分の事のように考えていた亜沙美
「太一君も亜沙美ちゃんも本当に有難うございます!だいぶ気が晴れて来ましたわ!」
「( „❛ ֊ ❛„)んっ?」
(何だろ?梨香ちゃんの太一を見る目…何だか今までとは違うような気がする…何!?)
2人の親身な言葉が届いたから、梨香の顔が晴れやかになってきたのだと思っていたのだが…最後の太一を見る梨香の表情に何か違和感を感じていた亜沙美
だが亜沙美も太一に対しての想いが、まだ恋心にまでは昇華されてなかったからか?梨香のその目に灯る想いは理解出来なかった
「家まで送って行くよ」
「いえいえ、今日は両親とも居ますからここで大丈夫ですよ?もうすぐソコですし、太一君の家とは反対方向ですからご迷惑をお掛けしてしまいますわ」
喫茶店から梨香の家と、太一の家(亜沙美の家もほぼ同じ)は真反対なのだが…
「心配だから絶対について行く」という太一の優しい言葉に負けて、送ってもらうことにした梨香
「ごめんなさいね亜沙美ちゃん。太一君をお借りしますわ。それではまた…今日、楽しかったですわ♪」
「う、うん。私も楽しかったよ、じゃーね。太一、シッカリ送ってあげてね!」
「おう!任せとけ!」
そんな感じで3人は別れた。亜沙美と太一は同じ町内なのでてっきり太一と話しながらの帰宅になると予想していた亜沙美は、予想外に1人で帰ることになり何か違和感を覚えていたし、梨香の「太一君をお借りしますわ」の意味も気にはなったが理解は出来なかったようだ
【亜沙美の部屋】
亜沙美は今日、急遽(きゅうきょ)室内プールに行くことになったので配信内容は、昨夜と同じ【Soul Buster】で視聴者(アミーゴ)参加型配信をするつもりでいた
そのおかげで今日は配信の為の事前準備としてすべき事は、そんなに大したモノは無かった
【19:58】
まだ配信開始までに1時間ある。キャラクター浅宮アミに軽く改良を施したのだが…今特にするべき事がなくベッドに寝転がった亜沙美
する事が無い亜沙美はボーッとしていると喫茶店で最後、太一を見つめる梨香の表情と、別れ際に言われた「ごめんなさいね」と言った梨香のセリフが何故だか妙に引っかかっていた
「そういや、両親が居るって言ってたっけ…前回の温泉旅行で「早く孫の顔が見たかったんだ!」と言っていた梨香のお父さん、面白い人だったなぁ……お父さんか…」
亜沙美の脳裏に去年、交通事故で亡くした父親の顔が思い出された。あれから家に帰った梨香は、あのお父さんに甘えているのだろうか?そんな考えが横切った時…
「Σ(゜□゜)あっ!!もしかして梨香ちゃん…太一の事を頼もしい男として見てたとか!?じゃあ、あの「ごめんなさいね」は?……
もしかして、私と太一が恋人同士だと思ってるとか!?その太一を借りる事になったから…
「ごめんなさいね」って言ったの?」
そう考え始めると…強引な軟派を受けた梨香に同情していた気持ちが変化し始めた!
優しい太一に心が動きそうになっている梨香?そんな彼を亜沙美から借りた梨香の謝罪だった!?…そんな風に考えていたら…なんだか梨香に太一が取られそうな気になってきた亜沙美
「梨香ちゃんはお父さんも健在だし、お母さんも毎日家に居るんだから…太一は奪わないでよねっ!!」
裕福な家庭で両親に愛されている梨香に対し、父親を亡くし母親が年中居ない自分の身が悲しく思えてきた亜沙美
家族と言うもので、よっぽど自分より恵まれている梨香に嫉妬なのか?妬みなのか?腹立たしい気持ちが静かな湧いてきた亜沙美
加えて言うなら、現時点では太一は亜沙美のモノではないのだが…
【21:00】
「こんアミー!アミーゴのみんな、こんアミだよー。AAダブルエーVTuberの浅宮アミだよぉ!今夜も【Soul Buster】やってくから参加よろしくね!」
✱「おっ!元気やな」
✱「今日こそ入りたい!」
✱「また負けに来たか(笑)」
✱「返り討ちにしてやろう」
✱「大負けしたらアミー水を」
「ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!シャーラップっ!!今夜は昨日みたいに行かないんだからねっ!今夜はアミーゴたちをギットンギットンにしちゃうんだからねっ!!」
✱「ギットンギットンて…」
✱「古い言葉やな」
✱「何かあったのか?」
✱「今夜は何敗する予定」
✱「気合いだけでは勝てやんて」
「うるさーいっ!!絶対に昨日より多く勝つんだからねっ!!」
梨香と太一の事でモヤモヤする鬱憤(うっぷん)を【Soul Buster】で晴らそうと鼻息荒く配信を始める亜沙美だった
続く
「梨香…落ち着いたか?」
「うん!太一君有難うございます!」
室内プールからの帰りのバスで元気の無かった梨香を連れて、駅前の喫茶店に入った3人
強引に軟派されていた梨香の恐怖心を思い優しい言葉を掛け続ける太一。亜沙美もついこの間、同じ様な目にあっていたので梨香の事は他人事ではなかった
「あぁいう男は本当に許せないよね!」
まるで自分の事のように考えていた亜沙美
「太一君も亜沙美ちゃんも本当に有難うございます!だいぶ気が晴れて来ましたわ!」
「( „❛ ֊ ❛„)んっ?」
(何だろ?梨香ちゃんの太一を見る目…何だか今までとは違うような気がする…何!?)
2人の親身な言葉が届いたから、梨香の顔が晴れやかになってきたのだと思っていたのだが…最後の太一を見る梨香の表情に何か違和感を感じていた亜沙美
だが亜沙美も太一に対しての想いが、まだ恋心にまでは昇華されてなかったからか?梨香のその目に灯る想いは理解出来なかった
「家まで送って行くよ」
「いえいえ、今日は両親とも居ますからここで大丈夫ですよ?もうすぐソコですし、太一君の家とは反対方向ですからご迷惑をお掛けしてしまいますわ」
喫茶店から梨香の家と、太一の家(亜沙美の家もほぼ同じ)は真反対なのだが…
「心配だから絶対について行く」という太一の優しい言葉に負けて、送ってもらうことにした梨香
「ごめんなさいね亜沙美ちゃん。太一君をお借りしますわ。それではまた…今日、楽しかったですわ♪」
「う、うん。私も楽しかったよ、じゃーね。太一、シッカリ送ってあげてね!」
「おう!任せとけ!」
そんな感じで3人は別れた。亜沙美と太一は同じ町内なのでてっきり太一と話しながらの帰宅になると予想していた亜沙美は、予想外に1人で帰ることになり何か違和感を覚えていたし、梨香の「太一君をお借りしますわ」の意味も気にはなったが理解は出来なかったようだ
【亜沙美の部屋】
亜沙美は今日、急遽(きゅうきょ)室内プールに行くことになったので配信内容は、昨夜と同じ【Soul Buster】で視聴者(アミーゴ)参加型配信をするつもりでいた
そのおかげで今日は配信の為の事前準備としてすべき事は、そんなに大したモノは無かった
【19:58】
まだ配信開始までに1時間ある。キャラクター浅宮アミに軽く改良を施したのだが…今特にするべき事がなくベッドに寝転がった亜沙美
する事が無い亜沙美はボーッとしていると喫茶店で最後、太一を見つめる梨香の表情と、別れ際に言われた「ごめんなさいね」と言った梨香のセリフが何故だか妙に引っかかっていた
「そういや、両親が居るって言ってたっけ…前回の温泉旅行で「早く孫の顔が見たかったんだ!」と言っていた梨香のお父さん、面白い人だったなぁ……お父さんか…」
亜沙美の脳裏に去年、交通事故で亡くした父親の顔が思い出された。あれから家に帰った梨香は、あのお父さんに甘えているのだろうか?そんな考えが横切った時…
「Σ(゜□゜)あっ!!もしかして梨香ちゃん…太一の事を頼もしい男として見てたとか!?じゃあ、あの「ごめんなさいね」は?……
もしかして、私と太一が恋人同士だと思ってるとか!?その太一を借りる事になったから…
「ごめんなさいね」って言ったの?」
そう考え始めると…強引な軟派を受けた梨香に同情していた気持ちが変化し始めた!
優しい太一に心が動きそうになっている梨香?そんな彼を亜沙美から借りた梨香の謝罪だった!?…そんな風に考えていたら…なんだか梨香に太一が取られそうな気になってきた亜沙美
「梨香ちゃんはお父さんも健在だし、お母さんも毎日家に居るんだから…太一は奪わないでよねっ!!」
裕福な家庭で両親に愛されている梨香に対し、父親を亡くし母親が年中居ない自分の身が悲しく思えてきた亜沙美
家族と言うもので、よっぽど自分より恵まれている梨香に嫉妬なのか?妬みなのか?腹立たしい気持ちが静かな湧いてきた亜沙美
加えて言うなら、現時点では太一は亜沙美のモノではないのだが…
【21:00】
「こんアミー!アミーゴのみんな、こんアミだよー。AAダブルエーVTuberの浅宮アミだよぉ!今夜も【Soul Buster】やってくから参加よろしくね!」
✱「おっ!元気やな」
✱「今日こそ入りたい!」
✱「また負けに来たか(笑)」
✱「返り討ちにしてやろう」
✱「大負けしたらアミー水を」
「ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!シャーラップっ!!今夜は昨日みたいに行かないんだからねっ!今夜はアミーゴたちをギットンギットンにしちゃうんだからねっ!!」
✱「ギットンギットンて…」
✱「古い言葉やな」
✱「何かあったのか?」
✱「今夜は何敗する予定」
✱「気合いだけでは勝てやんて」
「うるさーいっ!!絶対に昨日より多く勝つんだからねっ!!」
梨香と太一の事でモヤモヤする鬱憤(うっぷん)を【Soul Buster】で晴らそうと鼻息荒く配信を始める亜沙美だった
続く
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