引き籠もりVTuber 学生編

龍之介21時

文字の大きさ
96 / 173

芽生えた感情

しおりを挟む
【脱衣所】
「それでは私は段取りが有りますので、プールの方に行ってきますがロミータ様。あまり御友人を困らせてはイケマセンよ?」

「わ、分かってるわよっ!」

そう言うと今回のプール配信に全面的に協力してくれるスタッフの女性は、プール施設の方へと向かって行った

「ご、ごめんなさい亜沙美。梨香以外の人と…その、友達とこういう所に来たのは初めてだったから…舞い上がっちゃって、少し悪ふざけが過ぎてしまったわ…」

「はぁはぁ……もう…ビックリしちゃったよ。ロミータちゃんってソッチの趣味もあるのかな?って…ドキドキしちゃったよ…」
 

撮影用の小道具でパンツを引っ張られたりして、あわや大事なところをロミータに見られてしまう!と心配し必死の抵抗をした亜沙美はかなり呼吸が荒くなっていた


「本当にごめんなさい。これ、スポーツ飲料よ。飲んで!遠慮しなくて良いから…」
(ロミーこんなに誰かのことで心臓がバクバク言ったのは初めてだわっ!どうしてこんなにも?…まさか…亜沙美のことを!?)

ちょっとした悪戯のつもりだったのだが…予想外の亜沙美の可愛い抵抗に心臓が破裂しそうなほどにドキドキしたロミータ
やり過ぎた悪戯を詫び室内の自動販売機で売られているスポーツ飲料を2つ買うと、その1つを亜沙美に手渡した

「あ、ありがとう…」

まるで男に襲われる直前!くらいに衣服が乱れていた亜沙美はイソイソと服を脱ぎ水着姿になると、ロミータから手渡されたスポーツ飲料を飲み始めた


「(/◎\)ゴクゴク(°∀°)ぷはぁ!ふぅ…ようやく落ち着いたわ…ロミータちゃん。プールの方に行くの?」

「えっと…まだ撮影の準備をしているみたいだから、今のうちに今回の撮影に関しての注意事項を説明するわっ。そこの椅子に座って」

「うん、お願いします」

ロミータは亜沙美と向かい合って椅子に座り、今回の撮影に関する注意事項を話し始めた

「最初に首に付けたのは音声収録用のものなのね。だからマイクを使わなくてもロミー達の声をちゃんと拾えるのよ」

「へぇ!そんな便利な物なんだ!」

「それと身体のアチコチに付けたポインターね。これが私たちの動きを拾ってブイのアバターと連動させてくれる物よ。一応、防水加工はされているみたいだけど…多少の水は浴びて良いらしいけどプールの中に入るのは厳禁よっ!」

「じゃあ、泳いでいるシーンとかシャワーの水を掛け合ったりするシーンの撮影とかは無いんだね?」

「流石に難しいらしいわ。それにアバターが泳いでいるシーンとか運動してるシーンなんかは、どうしてもハメ込み画っぽくなるから違和感が凄くなっちゃうんだってさっ!」

「なるほどねー。じゃあプール内で何を撮影するの?出来ること少ないんじゃない?」

「スタッフが何か考えてくれてるらしいわよ。実はロミーにもまだ知らさせれてないんだけど…やれる事が限られてるから着替えシーンも撮影したんだと思うわよ?」

「そっか…うん分かった。今日はロミータちゃんの指示に従うから宜しくね。…でも、さっきみたいなエッチぃ事は勘弁してね(汗)」

「うん…ロミーもやり過ぎた!って反省してるわ。ごめんなさい。コミニュケーションを取りたい。ってのもあったんだけど…やり過ぎたわ」
  

「この前の私のスペアキーの件もそうだけど…軽率に行動しちゃうのは良くないね(笑)」

「そうね。ロミーも亜沙美のこと言えないわね…」

お互いにまだまだ考えの甘さがある事を認識した2人は、お互いの顔を見つめ合い「クスッ」と笑った。予想外のアプローチになってしまったが、互いの距離感をつめるのには一応成功したようだ


「ロミータ様。準備が終わりました!御友人と共に中に入ってください」

プール施設のある部屋から先程のスタッフが入ってきて、2人にプールでの撮影に入るように促した

「はーい」x2

2人をプール施設に向かわせた後、スタッフは外で待たせている梨香と太一の所へ向かった


「今からロミータ様と御友人は撮影に入ります。おふたりはこの部屋で、そうですね…1時間前後お待ちください。撮影が終わりましたら呼びに伺いますので。その冷蔵庫の中に飲み物と…テーブルの上にお菓子が有りますので雑談でもしていてください」

そう言うとスタッフはプール内での撮影の為に中に入っていった


「1時間前後ですって…撮影って結構時間が掛かるものなんですね。えっと…どうかしましたか太一君?」

「あ、あのさ…ここって女性用の更衣室だよな?」

「あっ!?そう言えば…」

太一にそう言われて顔を赤くする梨香
今回の撮影はロミータと亜沙美。つまり女性VTuberの撮影会である。今日の段取りは全て彼女たち2人を中心に進められていて、スタッフも太一の事を異性の少年だとイマイチ認識していなかったようだ

つまり。高校1年生の親しい男女が、同じ女性用の更衣室の中で着替える事になるのだ!学校のプールだろうが、友達とプールに遊びに出掛けようがこんなシチュエーションが訪れることなど有り得ないだろう
急にそんな状況になってしまった太一と梨香は…当然お互いの事を意識してしまう

ロミータと亜沙美で一波乱あった更衣室で、今度は太一と梨香で新しい波乱が起きる予感がしていた



続く
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

処理中です...