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恋人たちの距離感
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【焼き肉 ビンビン備長炭】
「お肉が食べたいなぁ…」
亜沙美のこのひと言で焼き肉屋に行くことになった5人は、三重県で有名な松阪牛を使用した焼き肉【ビンビン備長炭】に来ていた
まずは1品目として牛タンを頼んだ
「太一君はレモンかける派ですか?」
「うん。軽くもらうよ」
「……………………………………………」
向かいの席で並んで座っている梨香と太一のやり取りを沈黙で見ている亜沙美。そんな亜沙美の事が気になったロミータが声を掛けた
「亜沙美。どうかしたの?」
「えっ?あ、んーと、太一が何だかノビノビしているなぁ。って感じてね…」
「Σ( ˙꒳˙ ;)えっ!?亜沙美、どういう事?」
同じテーブルで向かいあって座っているので当然、目の前の梨香と太一にも聞こえた
「何か変かな?」と気になった太一に質問される亜沙美
「いや、あのね…太一って私と2人で居る時はそんなにハキハキと受け答えしてなかった気がしてさ…大した事じゃないんだよ。少し気になっただけだからさ…」
「わ、私(わたくし)と太一君は付き合いが長いですからね。その分、抵抗が少ないのかと思いますわ」
亜沙美からすれば…太一とは幼なじみの間柄なのだが、あそこまで気兼ねなく会話できた事が無かったように思い、少し寂しく感じたのだが…
(その言い方されたら、太一君にとっては私(わたくし)が女として見られてないように聞こえてしまいますわ)
梨香からすれば…太一に対して自分(りか)の方が女として魅力に欠けているように思われていると、受け取ってしまったようだ。しかし、そのやり取りを見ているロミータは別の感情を抱いていた
(ちょっと亜沙美。ロミーは貴女に「大好きだ」って言ったわよね?それじゃ、亜沙美の中でロミーより太一の方が存在が大きいように聞こえるんだけどっ!?)
ロミータはロミータで、亜沙美の横に自分(ロミータ)が座っているのに、太一の何気ない動作に意見をしている亜沙美に不満を感じたようだ
「しかしネ…梨香ちゃんは浅宮(たいち)君に「君」付けで呼んでいて、竹取さんが呼び捨てにしてるのを見るト…竹取さんの方が彼女のように見えてしまうネ(笑)」
「Σ(゜д゜;)えっ?」
「えぇ!?」
「はぃぃ?」
それまで割と静かにしていたロミータパパのひと声に、大きく反応した太一と梨香と亜沙美
「(´▽`*)アハハ♪ロミーのパパさん…太一君と今お付き合いをしているのは私(わたくし)なのですよぉ?…亜沙美ちゃんは太一君とご近所さんの間柄なんです。良いですか?間違えると迷惑をかけてしまいますよ~(怒)」
亜沙美の方が太一の彼女っぽく見えるね
と言ったロミータパパに対して、普段は物静かで控え目な頼れるクラス委員長な梨香が、珍しく不機嫌な半笑いを浮かべて圧を放っていた
「( ̄▽ ̄;)あはは…それは済まなかったネ。…なにせよ、若いウチの恋人付き合いは大切だネ。…ふーむ、私の娘もそろそろ誰か好きな男の人ができて欲しいんだよネ…」
「ちょっとパパ!?」
どうやらロミータのパパとしては、太一と付き合っているのが梨香だろうと亜沙美だろうと関係なくて、愛娘のロミータに恋心が芽生えて欲しいと望んでいるようだ
「そう言えば…引っ越してイングランドに行くまでロミーはずっと私(わたくし)に懐いていたので、異性の話とか全然しませんでしたものね?」
「えっ?そうなの?てっきりロミータちゃんは、男の子と付き合いした経験が有ると思ってたよぉ…」
亜沙美と出会う前のロミータの事を聞かされて驚く。いつも堂々としているロミータの態度から、男の子とデートくらいはしていそうだ。と勝手に考えていたようだ
「竹取さんはハイスクールに通いながらも、配信者(ブイチューバー)として頑張ってるそうだネ?同じ事をしてる仲間だから、一緒に住むことには全然反対しませんが…孫の顔を見れる日が遠くなりそうなのが不安ですネ…」
「ε٩(๑>ω<)۶зもう!梨香のパパさんと一緒で2人とも気が早いのよっ!ロミー達はまだ高校1年生なんだってばっ!!もう……」
梨香の父親もロミータの父親も子供が出来たのが30過ぎだったので、年齢が50歳直前なのもあり孫の顔を見たい!という思いが強くあるようだ
「えっと…亜沙美はにぶ…コホン!…純粋だから彼氏が出来にくいかも知れませんけど、ロミータさんだったら大丈夫かと思いますよ?」
「そうなのかね太一君?」
亜沙美をよく知っている太一からすれば、むしろ異性に興味が無いのは亜沙美の方なので、ロミータは大丈夫だろうと安易に考えたようだ。彼の横で梨香は黙って考えていた
(そうかしら?亜沙美ちゃんはクラスでも隠れファンが多いから、機会があったらと思いますけど…ロミーの方は言い寄ってくれる殿方を拒否しそうな気がしますのよね…)
逆にロミータの事をよく知る梨香からすれば、ロミータの方が彼氏が出来にくいと考えているようだ
そんな周囲の話を聞きながら、当のロミータは顔を赤くして俯(うつむ)いていた
(ロミーが今1番好きなのは亜沙美。だなんて口が裂けても言えないなー…)
いくら進んでいる外国人のアナメル家とは言え、いつの日か娘の結婚と出産を望んでいる父親に、同性の亜沙美を愛しているとは言えないロミータだった
「おっと!?もうこんな時間か…済まないが用事があってネ。4人とも送っていこう…」
「ご馳走様でした」X3
「ありがとうパパ」
焼き肉をご馳走になった4人は…亜沙美の家に亜沙美とロミータと太一を降ろした。そして梨香を届けに立華家に向かった
「俺が言うのもナンだけど…亜沙美の事を頼むねロミータちゃん」
「亜沙美の世話はロミーに任せておきなさい!」
「ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!なんで私が世話されなきゃならない前提なのよぉ!太一の馬鹿ぁ!」
「じゃあな2人とも、明日学校でな…」
ご近所さんの太一は、亜沙美の家から徒歩で帰宅して行った
「ねぇ亜沙美。配信のセットアップ手伝ってくれない?」
「うん、もちろん♪」
むしろ今まで配信に関してロミータに助けてもらってばかりの亜沙美は、可能な範囲でロミータの手伝いをするのだった。それが自分に好意を寄せてくれているロミータに、今できる最大限の感謝になると考えていた
続く
「お肉が食べたいなぁ…」
亜沙美のこのひと言で焼き肉屋に行くことになった5人は、三重県で有名な松阪牛を使用した焼き肉【ビンビン備長炭】に来ていた
まずは1品目として牛タンを頼んだ
「太一君はレモンかける派ですか?」
「うん。軽くもらうよ」
「……………………………………………」
向かいの席で並んで座っている梨香と太一のやり取りを沈黙で見ている亜沙美。そんな亜沙美の事が気になったロミータが声を掛けた
「亜沙美。どうかしたの?」
「えっ?あ、んーと、太一が何だかノビノビしているなぁ。って感じてね…」
「Σ( ˙꒳˙ ;)えっ!?亜沙美、どういう事?」
同じテーブルで向かいあって座っているので当然、目の前の梨香と太一にも聞こえた
「何か変かな?」と気になった太一に質問される亜沙美
「いや、あのね…太一って私と2人で居る時はそんなにハキハキと受け答えしてなかった気がしてさ…大した事じゃないんだよ。少し気になっただけだからさ…」
「わ、私(わたくし)と太一君は付き合いが長いですからね。その分、抵抗が少ないのかと思いますわ」
亜沙美からすれば…太一とは幼なじみの間柄なのだが、あそこまで気兼ねなく会話できた事が無かったように思い、少し寂しく感じたのだが…
(その言い方されたら、太一君にとっては私(わたくし)が女として見られてないように聞こえてしまいますわ)
梨香からすれば…太一に対して自分(りか)の方が女として魅力に欠けているように思われていると、受け取ってしまったようだ。しかし、そのやり取りを見ているロミータは別の感情を抱いていた
(ちょっと亜沙美。ロミーは貴女に「大好きだ」って言ったわよね?それじゃ、亜沙美の中でロミーより太一の方が存在が大きいように聞こえるんだけどっ!?)
ロミータはロミータで、亜沙美の横に自分(ロミータ)が座っているのに、太一の何気ない動作に意見をしている亜沙美に不満を感じたようだ
「しかしネ…梨香ちゃんは浅宮(たいち)君に「君」付けで呼んでいて、竹取さんが呼び捨てにしてるのを見るト…竹取さんの方が彼女のように見えてしまうネ(笑)」
「Σ(゜д゜;)えっ?」
「えぇ!?」
「はぃぃ?」
それまで割と静かにしていたロミータパパのひと声に、大きく反応した太一と梨香と亜沙美
「(´▽`*)アハハ♪ロミーのパパさん…太一君と今お付き合いをしているのは私(わたくし)なのですよぉ?…亜沙美ちゃんは太一君とご近所さんの間柄なんです。良いですか?間違えると迷惑をかけてしまいますよ~(怒)」
亜沙美の方が太一の彼女っぽく見えるね
と言ったロミータパパに対して、普段は物静かで控え目な頼れるクラス委員長な梨香が、珍しく不機嫌な半笑いを浮かべて圧を放っていた
「( ̄▽ ̄;)あはは…それは済まなかったネ。…なにせよ、若いウチの恋人付き合いは大切だネ。…ふーむ、私の娘もそろそろ誰か好きな男の人ができて欲しいんだよネ…」
「ちょっとパパ!?」
どうやらロミータのパパとしては、太一と付き合っているのが梨香だろうと亜沙美だろうと関係なくて、愛娘のロミータに恋心が芽生えて欲しいと望んでいるようだ
「そう言えば…引っ越してイングランドに行くまでロミーはずっと私(わたくし)に懐いていたので、異性の話とか全然しませんでしたものね?」
「えっ?そうなの?てっきりロミータちゃんは、男の子と付き合いした経験が有ると思ってたよぉ…」
亜沙美と出会う前のロミータの事を聞かされて驚く。いつも堂々としているロミータの態度から、男の子とデートくらいはしていそうだ。と勝手に考えていたようだ
「竹取さんはハイスクールに通いながらも、配信者(ブイチューバー)として頑張ってるそうだネ?同じ事をしてる仲間だから、一緒に住むことには全然反対しませんが…孫の顔を見れる日が遠くなりそうなのが不安ですネ…」
「ε٩(๑>ω<)۶зもう!梨香のパパさんと一緒で2人とも気が早いのよっ!ロミー達はまだ高校1年生なんだってばっ!!もう……」
梨香の父親もロミータの父親も子供が出来たのが30過ぎだったので、年齢が50歳直前なのもあり孫の顔を見たい!という思いが強くあるようだ
「えっと…亜沙美はにぶ…コホン!…純粋だから彼氏が出来にくいかも知れませんけど、ロミータさんだったら大丈夫かと思いますよ?」
「そうなのかね太一君?」
亜沙美をよく知っている太一からすれば、むしろ異性に興味が無いのは亜沙美の方なので、ロミータは大丈夫だろうと安易に考えたようだ。彼の横で梨香は黙って考えていた
(そうかしら?亜沙美ちゃんはクラスでも隠れファンが多いから、機会があったらと思いますけど…ロミーの方は言い寄ってくれる殿方を拒否しそうな気がしますのよね…)
逆にロミータの事をよく知る梨香からすれば、ロミータの方が彼氏が出来にくいと考えているようだ
そんな周囲の話を聞きながら、当のロミータは顔を赤くして俯(うつむ)いていた
(ロミーが今1番好きなのは亜沙美。だなんて口が裂けても言えないなー…)
いくら進んでいる外国人のアナメル家とは言え、いつの日か娘の結婚と出産を望んでいる父親に、同性の亜沙美を愛しているとは言えないロミータだった
「おっと!?もうこんな時間か…済まないが用事があってネ。4人とも送っていこう…」
「ご馳走様でした」X3
「ありがとうパパ」
焼き肉をご馳走になった4人は…亜沙美の家に亜沙美とロミータと太一を降ろした。そして梨香を届けに立華家に向かった
「俺が言うのもナンだけど…亜沙美の事を頼むねロミータちゃん」
「亜沙美の世話はロミーに任せておきなさい!」
「ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!なんで私が世話されなきゃならない前提なのよぉ!太一の馬鹿ぁ!」
「じゃあな2人とも、明日学校でな…」
ご近所さんの太一は、亜沙美の家から徒歩で帰宅して行った
「ねぇ亜沙美。配信のセットアップ手伝ってくれない?」
「うん、もちろん♪」
むしろ今まで配信に関してロミータに助けてもらってばかりの亜沙美は、可能な範囲でロミータの手伝いをするのだった。それが自分に好意を寄せてくれているロミータに、今できる最大限の感謝になると考えていた
続く
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