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【録音室】
「昔々ある所にお爺さんとお婆さんが居ました。お爺さんは山へクマ退治に、お婆さんは川へサーフィンに向かいました……やがて金太郎は大きくなり町を救う英雄になりました。めでたしめでたし……以上です」
「うんうん、可愛い声してるわね♪なるほど、ロミーが気に入るのも理解できるわ」
「亜沙美はロミーのモノよ。誰にもあげないんだからねっ!」
「えぇー!?私ロってミータちゃんの所有物になってたのぉ?」
ジョークを交えながら亜沙美の声質を調べるオリビア。和んだ空気のまま、亜沙美の検査は進んでいる。どうやら概ね良好のようだ
「ファンが付きそうな可愛い声ね。それに喉もかなり丈夫そうで配信向きね。後は…アカペラになるけど、何でも良いから好きな歌を歌ってもらえるかしら?私が知らない曲でも構わないわよ」
「好きな曲ですか?(。-`ω-ก)うーん…あ!アイドール唄います!」
……………………………………………
「……キミは完璧で究極のゲッター♪……皆に愛されるアイドール様♬……ど、どうでしょうか?」
「パチパチパチ。普通ね」
「あはは。そ、そうですよね…」
流行りの曲を唄った亜沙美だが、評価は【普通】だった。一所懸命に唄ったので、少しショックを受けていた
「まぁまぁ気にしなくて良いわよ。本格的に歌わされるとなったら、ボイトレや歌唱指導を付けられて練習する事になるんだから、そうしたらソレナリには唄えるようになるわよ」
「はい。ロミーちゃんの言う通りです。それに、上手い!とは言えませんが感情の入った歌い方が聞いてて気持ち良くなれました。練習を重ねていけば、その内オリ曲を出せる日も有り得ますよ」
オリビアの言い分は…今は普通だが素質はあるので、練習していけばオリ曲をリリースできる可能性も十分にあるらしい
「それでは今日はここまでです。あまり遅くなると帰るのも大変でしょう?」
亜沙美とロミータが時計を見ると…時刻は間もなく16時になろうとしていた。行きも移動に5時間を要していたので、これ以上長居していれば乗り換えの都合などで、終電に絡むほど遅くなる可能性もあった
「それじゃ、この仮契約書にSignしてもらえるかな?あくまでも仮なので、やっぱり辞めたくなっても問題ないですからね。その為に返事をもらう日数も1月取っていますから」
「そんなに気遣いしてもらってばかりで、なんだか申し訳なく思っちゃいますね…」
思っていたよりも亜沙美の都合に寄り添っての契約の形になっているので、かなり覚悟していた彼女にとっては少し拍子抜けだったのかも知れないが…
「ぶっちゃけちゃうとね、仮に誰の推薦であっても本人にヤル気が無かったら採用しないのよ。配信活動はメンタル勝負なところが強いのは知ってる?ましてや企業系VTuberともなれば、色々言われてしまうしアンチもたくさん増えるから、心が折れて辞めてしまう子も少なくないのよ。だから、本人のヤル気は半端な素質よりもズーッと評価対象になる訳なのよ」
つまりは素質がある子を見つけて、この場でベタ褒めしてヤル気を出させてデビューさせても、心無い視聴者からのエグいコメントに負けて辞める子が多いようだ。そんなアンチに負けない情熱が大事らしい
「そっか、そうですよね。ロミータちゃんは芯の強い女の子で、私も見ていて尊敬させられっぱなしだから、そんな気持ちの強い女の子が歓迎されるんですね!」
「そういう訳なの。それじゃ1月間ジックリ考えて返事をちょうだい。亜沙美ちゃんから返事をもらってから1月後にデビューしてもらうように、コチラも調整するからね」
どうやら、この会社はライバーを大切にしてくれる会社のようで、ひとまず安心した亜沙美だった
「さて亜沙美。今日のところは帰りましょうか?」
「うん。ロミータちゃん帰ろ」
「それじゃ良い返事を期待してるわね。でも、強制はしないから安心してね」
最後にもう一度、ライバーに寄り添う企業である事をアピールするオリビア。その時ロミータが何かに気が付いたようだ
「そう言えばさ…社長とメルルさん、まだ社長室に居るみたいね。一体どんな話をしてるかしら?ロミーたちが来てから、もう3時間近くになるのにね?」
「そ、そうね。確かに長いわね……どうしたのかしら?確か…そんなに長話が好きそうな感じの社長じゃなかったハズだけど、いちライバーの相談に乗っているだけにしては長過ぎるわよね…」
いくら会社の社長が所属タレントとの大切な打ち合わせをしているにしても、3時間も外にも出ずに話っぱなしというのは確かに長い。その事を気にするロミータ
「それだけ大切な話なんだよ。そろそろ出発しないと本当に帰れなくなっちゃうよぉ?」
「そ、そうね。半契約ライバーのロミーたちが気にする事でもないわね。それじゃ帰ろうか?オリビアさん、今日はありがとうございました」
「オリビアさん。有難うございます!」
亜沙美の為に時間を取ってくれたオリビアに、礼儀正しく会釈をした2人。社長とメルルの話の長さが気になったロミータだが、いい加減出発しないと三重県に帰るのが危うくなるので、別れの挨拶を済ませて事務所を後にしたのだった
続く
「昔々ある所にお爺さんとお婆さんが居ました。お爺さんは山へクマ退治に、お婆さんは川へサーフィンに向かいました……やがて金太郎は大きくなり町を救う英雄になりました。めでたしめでたし……以上です」
「うんうん、可愛い声してるわね♪なるほど、ロミーが気に入るのも理解できるわ」
「亜沙美はロミーのモノよ。誰にもあげないんだからねっ!」
「えぇー!?私ロってミータちゃんの所有物になってたのぉ?」
ジョークを交えながら亜沙美の声質を調べるオリビア。和んだ空気のまま、亜沙美の検査は進んでいる。どうやら概ね良好のようだ
「ファンが付きそうな可愛い声ね。それに喉もかなり丈夫そうで配信向きね。後は…アカペラになるけど、何でも良いから好きな歌を歌ってもらえるかしら?私が知らない曲でも構わないわよ」
「好きな曲ですか?(。-`ω-ก)うーん…あ!アイドール唄います!」
……………………………………………
「……キミは完璧で究極のゲッター♪……皆に愛されるアイドール様♬……ど、どうでしょうか?」
「パチパチパチ。普通ね」
「あはは。そ、そうですよね…」
流行りの曲を唄った亜沙美だが、評価は【普通】だった。一所懸命に唄ったので、少しショックを受けていた
「まぁまぁ気にしなくて良いわよ。本格的に歌わされるとなったら、ボイトレや歌唱指導を付けられて練習する事になるんだから、そうしたらソレナリには唄えるようになるわよ」
「はい。ロミーちゃんの言う通りです。それに、上手い!とは言えませんが感情の入った歌い方が聞いてて気持ち良くなれました。練習を重ねていけば、その内オリ曲を出せる日も有り得ますよ」
オリビアの言い分は…今は普通だが素質はあるので、練習していけばオリ曲をリリースできる可能性も十分にあるらしい
「それでは今日はここまでです。あまり遅くなると帰るのも大変でしょう?」
亜沙美とロミータが時計を見ると…時刻は間もなく16時になろうとしていた。行きも移動に5時間を要していたので、これ以上長居していれば乗り換えの都合などで、終電に絡むほど遅くなる可能性もあった
「それじゃ、この仮契約書にSignしてもらえるかな?あくまでも仮なので、やっぱり辞めたくなっても問題ないですからね。その為に返事をもらう日数も1月取っていますから」
「そんなに気遣いしてもらってばかりで、なんだか申し訳なく思っちゃいますね…」
思っていたよりも亜沙美の都合に寄り添っての契約の形になっているので、かなり覚悟していた彼女にとっては少し拍子抜けだったのかも知れないが…
「ぶっちゃけちゃうとね、仮に誰の推薦であっても本人にヤル気が無かったら採用しないのよ。配信活動はメンタル勝負なところが強いのは知ってる?ましてや企業系VTuberともなれば、色々言われてしまうしアンチもたくさん増えるから、心が折れて辞めてしまう子も少なくないのよ。だから、本人のヤル気は半端な素質よりもズーッと評価対象になる訳なのよ」
つまりは素質がある子を見つけて、この場でベタ褒めしてヤル気を出させてデビューさせても、心無い視聴者からのエグいコメントに負けて辞める子が多いようだ。そんなアンチに負けない情熱が大事らしい
「そっか、そうですよね。ロミータちゃんは芯の強い女の子で、私も見ていて尊敬させられっぱなしだから、そんな気持ちの強い女の子が歓迎されるんですね!」
「そういう訳なの。それじゃ1月間ジックリ考えて返事をちょうだい。亜沙美ちゃんから返事をもらってから1月後にデビューしてもらうように、コチラも調整するからね」
どうやら、この会社はライバーを大切にしてくれる会社のようで、ひとまず安心した亜沙美だった
「さて亜沙美。今日のところは帰りましょうか?」
「うん。ロミータちゃん帰ろ」
「それじゃ良い返事を期待してるわね。でも、強制はしないから安心してね」
最後にもう一度、ライバーに寄り添う企業である事をアピールするオリビア。その時ロミータが何かに気が付いたようだ
「そう言えばさ…社長とメルルさん、まだ社長室に居るみたいね。一体どんな話をしてるかしら?ロミーたちが来てから、もう3時間近くになるのにね?」
「そ、そうね。確かに長いわね……どうしたのかしら?確か…そんなに長話が好きそうな感じの社長じゃなかったハズだけど、いちライバーの相談に乗っているだけにしては長過ぎるわよね…」
いくら会社の社長が所属タレントとの大切な打ち合わせをしているにしても、3時間も外にも出ずに話っぱなしというのは確かに長い。その事を気にするロミータ
「それだけ大切な話なんだよ。そろそろ出発しないと本当に帰れなくなっちゃうよぉ?」
「そ、そうね。半契約ライバーのロミーたちが気にする事でもないわね。それじゃ帰ろうか?オリビアさん、今日はありがとうございました」
「オリビアさん。有難うございます!」
亜沙美の為に時間を取ってくれたオリビアに、礼儀正しく会釈をした2人。社長とメルルの話の長さが気になったロミータだが、いい加減出発しないと三重県に帰るのが危うくなるので、別れの挨拶を済ませて事務所を後にしたのだった
続く
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