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アリス IN 異世界日本
キャンプ前夜
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【沖田流道場】
「1本、それまで!」
「はぁはぁ…ば、馬鹿な…手も足も出ないなんて…」
決してアリスを舐める事なく全力で戦った佐々木だったが…3連続の1本負けだった。つまり全く歯が立たなかったのだ。現代人とは比較にもならない研ぎ澄まされた反射神経と、生命賭けのクエストをこなしているアリスの体力の前には、いくら鍛え続けている佐々木でも足元に及ばなかった
「もう飽きちゃったよぉ…ねぇ師範代、今朝みたいにアタシと稽古しようよぉ!」
確かに彼は門下生の中では抜きん出た強さを誇っていたが…アリスは師範代と互角の稽古をしているのだから、門下生の佐々木が勝てるハズがないのだ
「こ、この俺が…14歳の少女に…まるで歯が立たないなんて…世界は広いな…」
「ただいま帰りました!」
「オジサン、お邪魔します」
ちょうどソコへ優香と宗一郎が入ってきた。アリスにコテンパンに負かされた佐々木を見つけた2人
「ぐぅ…も、もう一度…」
「佐々木さん、無理ですよ。現にアリスちゃんは息も切らしてないし、父さんと互角の強さなんですから…」
「佐々木さんが女の子に、そこまで食い下がるなんて…なんか新鮮」
あれからも、何とか攻略法を見出そうと挑み続けた佐々木だったが…惨敗だったようだ
どうやら佐々木は硬派で通っている様で、そんな彼が女性(アリス)にムキになるなど予想外の事みたいだ
「そんな事よりアリスちゃん、明後日から始まるゴールデンウィークに、キャンプに行くんだから明日は街に買い物に行きましょう?何も持って無いんでしょ?私が選んであげるからさ♪」
「何か必要な物があるのぉ?」
「やっぱりね…今から私の部屋に行こうよ。カタログ見せてあげるから、何を買うか一緒に考えてあげるから♪」
「わーい、優香ちゃん、ありがとうねぇ!」
よほどアリスは格下の佐々木との稽古に飽きていたのか?剣を宗一郎に渡すと、優香と共に一条家に向かって行った
優香も「アリスの為に」とは言っているが、彼女も年頃の女の子なので買いに行く新しい服を選ぶのは楽しいようだ
「という訳で…明後日から私は道場を留守にする。一応、カミさんが残ってくれるが稽古は各自の判断に任せる」
師範代は明後日から、自分が留守にすることを門下生に伝えた。留守の間は師範代の奥さんが稽古を付けてくれるようだ
(明後日からしばらくアリスが不在?いや、買い物に行くと言ってたから明日から居ないのか…)
「師範代!その明後日からのキャンプに、ぜひ俺も参加させてください!」
道場内はザワついた。今まで全く女に興味を持たなかった佐々木が、アリス達と一緒にキャンプに行きたいと言うとは、これまでの彼からは想像もつかないからだ
「明日、アリスちゃんに聞いてみるが…出発は明後日の朝6時からだぞ?起きれるのか?」
「絶対に来ますっ!!」
佐々木は何がなんでもアリスの行く、キャンプに着いて行こうと必死だった。ソレがなんとなく面白くない宗一郎
【翌日の商店街】
「ねぇねぇ優香ちゃん、コレは何に使うのぉ?」
「えっと、それは寝袋と言って夜、ソレに入って寝るのよ。だいぶ温かく寝れるのよ」
「へぇ、そうなんだ!じゃあコレは?ソレは?」
故郷でのショッピング街とは全然違い、カラー・バリエーションともに豊富な日本でのショッピングに、すっかりテンションが上がっているアリス。見た事もない物を見つける度に優香に質問していた
それもそのハズで惑星エリスアのショッピング街と言えば、日本で言うなら青空バザーに近い感じだからだ
【一条家の夜】
優香はキャンプ前日の今日、アリスの為に必要な道具を買いに出かけたのだが…
「どうしたんだ優香?キャンプ用具を見に行っただけにしては…かなり疲れてるようだが?」
「…あ~…すっごい大変だったの!キャンプ用具のありとあらゆる物を、ほぼ全部質問されたしぃ…途中に並ぶお店の前を通る度に、また質問責めにあって…とんでもない事になったのよ!」
「あはは…ゴメンね優香ちゃん…」
純粋無垢なアリスは出掛け際に「分からない事は何でも聞いてね」と、言われた通りに知らない物のほぼ全てを優香に質問したのだ
「異世界の生活様式って…日本とは全然違う!って事がよく分かったわ…」
すっかり優香は疲れ果てていた
「ゴメンお父さん、夕食は私が作る!って言ったけど…そんな体力はもうないわ…」
「だ、だろうな…今日はピザでも取るか?」
「うん、そうして…」
「ねぇねぇ優香ちゃん!ピザってのはどんな道具なのぉ?」
「もう勘弁してー!」
新たに聞いたことの無い単語が出て来たので、素直にまた質問してしまうアリス。丸一日アリスから質問攻めされた優香は、しばらく質問は聞きたくない様だw
【ピザなう】
「ビニョーン…あはは!すんごい伸びるぅ!」
「食べ物で遊んではダメよアリスちゃん…」
「だってぇ…こんなに伸びて面白いのに、凄く美味しいんだもん!日本のご飯って凄いねぇ!」
「それは日本の食文化の食べ物じゃないのよ…
Σ(゚□゚)あっ!しまったぁ!」
「そうなのぉ?じゃあ、どこの国の食べ物なのぉ?ねぇ、ねぇ?」
迂闊にアリスの知らない単語を出すと、すぐさま質問タイムに突入してしまう。優香は質問される事が嫌いになりそうだった…
「それにしても…アリスちゃん。明日からのキャンプ、楽しみみたいだね」
「うん、オジサン。キャンプ楽しみだよぉ!……きっと、故郷に置いてきちゃったカルーアとサーシャ、お兄ちゃんもアリスが居なくても楽しくやってくれてると思うんだぁ!だから、アタシもコッチの生活を楽しむんだぁ!」
「うん、それが良いよ」
日本での生活の楽しさに上機嫌のアリス。彼女はカルーア達も楽しくしていると思い込んではいるが……どうやらアリスの勘はアテにならないようだw
【アルバート家】
ヒイロの工房では、昨夜突然目を覚ましたサーシャと本番エッチをしたのだが、それ以降サーシャが動く事は無かった
通夜を終え、いよいよ明日にはサーシャの火葬が始まろうとしているのだから…
続く
「1本、それまで!」
「はぁはぁ…ば、馬鹿な…手も足も出ないなんて…」
決してアリスを舐める事なく全力で戦った佐々木だったが…3連続の1本負けだった。つまり全く歯が立たなかったのだ。現代人とは比較にもならない研ぎ澄まされた反射神経と、生命賭けのクエストをこなしているアリスの体力の前には、いくら鍛え続けている佐々木でも足元に及ばなかった
「もう飽きちゃったよぉ…ねぇ師範代、今朝みたいにアタシと稽古しようよぉ!」
確かに彼は門下生の中では抜きん出た強さを誇っていたが…アリスは師範代と互角の稽古をしているのだから、門下生の佐々木が勝てるハズがないのだ
「こ、この俺が…14歳の少女に…まるで歯が立たないなんて…世界は広いな…」
「ただいま帰りました!」
「オジサン、お邪魔します」
ちょうどソコへ優香と宗一郎が入ってきた。アリスにコテンパンに負かされた佐々木を見つけた2人
「ぐぅ…も、もう一度…」
「佐々木さん、無理ですよ。現にアリスちゃんは息も切らしてないし、父さんと互角の強さなんですから…」
「佐々木さんが女の子に、そこまで食い下がるなんて…なんか新鮮」
あれからも、何とか攻略法を見出そうと挑み続けた佐々木だったが…惨敗だったようだ
どうやら佐々木は硬派で通っている様で、そんな彼が女性(アリス)にムキになるなど予想外の事みたいだ
「そんな事よりアリスちゃん、明後日から始まるゴールデンウィークに、キャンプに行くんだから明日は街に買い物に行きましょう?何も持って無いんでしょ?私が選んであげるからさ♪」
「何か必要な物があるのぉ?」
「やっぱりね…今から私の部屋に行こうよ。カタログ見せてあげるから、何を買うか一緒に考えてあげるから♪」
「わーい、優香ちゃん、ありがとうねぇ!」
よほどアリスは格下の佐々木との稽古に飽きていたのか?剣を宗一郎に渡すと、優香と共に一条家に向かって行った
優香も「アリスの為に」とは言っているが、彼女も年頃の女の子なので買いに行く新しい服を選ぶのは楽しいようだ
「という訳で…明後日から私は道場を留守にする。一応、カミさんが残ってくれるが稽古は各自の判断に任せる」
師範代は明後日から、自分が留守にすることを門下生に伝えた。留守の間は師範代の奥さんが稽古を付けてくれるようだ
(明後日からしばらくアリスが不在?いや、買い物に行くと言ってたから明日から居ないのか…)
「師範代!その明後日からのキャンプに、ぜひ俺も参加させてください!」
道場内はザワついた。今まで全く女に興味を持たなかった佐々木が、アリス達と一緒にキャンプに行きたいと言うとは、これまでの彼からは想像もつかないからだ
「明日、アリスちゃんに聞いてみるが…出発は明後日の朝6時からだぞ?起きれるのか?」
「絶対に来ますっ!!」
佐々木は何がなんでもアリスの行く、キャンプに着いて行こうと必死だった。ソレがなんとなく面白くない宗一郎
【翌日の商店街】
「ねぇねぇ優香ちゃん、コレは何に使うのぉ?」
「えっと、それは寝袋と言って夜、ソレに入って寝るのよ。だいぶ温かく寝れるのよ」
「へぇ、そうなんだ!じゃあコレは?ソレは?」
故郷でのショッピング街とは全然違い、カラー・バリエーションともに豊富な日本でのショッピングに、すっかりテンションが上がっているアリス。見た事もない物を見つける度に優香に質問していた
それもそのハズで惑星エリスアのショッピング街と言えば、日本で言うなら青空バザーに近い感じだからだ
【一条家の夜】
優香はキャンプ前日の今日、アリスの為に必要な道具を買いに出かけたのだが…
「どうしたんだ優香?キャンプ用具を見に行っただけにしては…かなり疲れてるようだが?」
「…あ~…すっごい大変だったの!キャンプ用具のありとあらゆる物を、ほぼ全部質問されたしぃ…途中に並ぶお店の前を通る度に、また質問責めにあって…とんでもない事になったのよ!」
「あはは…ゴメンね優香ちゃん…」
純粋無垢なアリスは出掛け際に「分からない事は何でも聞いてね」と、言われた通りに知らない物のほぼ全てを優香に質問したのだ
「異世界の生活様式って…日本とは全然違う!って事がよく分かったわ…」
すっかり優香は疲れ果てていた
「ゴメンお父さん、夕食は私が作る!って言ったけど…そんな体力はもうないわ…」
「だ、だろうな…今日はピザでも取るか?」
「うん、そうして…」
「ねぇねぇ優香ちゃん!ピザってのはどんな道具なのぉ?」
「もう勘弁してー!」
新たに聞いたことの無い単語が出て来たので、素直にまた質問してしまうアリス。丸一日アリスから質問攻めされた優香は、しばらく質問は聞きたくない様だw
【ピザなう】
「ビニョーン…あはは!すんごい伸びるぅ!」
「食べ物で遊んではダメよアリスちゃん…」
「だってぇ…こんなに伸びて面白いのに、凄く美味しいんだもん!日本のご飯って凄いねぇ!」
「それは日本の食文化の食べ物じゃないのよ…
Σ(゚□゚)あっ!しまったぁ!」
「そうなのぉ?じゃあ、どこの国の食べ物なのぉ?ねぇ、ねぇ?」
迂闊にアリスの知らない単語を出すと、すぐさま質問タイムに突入してしまう。優香は質問される事が嫌いになりそうだった…
「それにしても…アリスちゃん。明日からのキャンプ、楽しみみたいだね」
「うん、オジサン。キャンプ楽しみだよぉ!……きっと、故郷に置いてきちゃったカルーアとサーシャ、お兄ちゃんもアリスが居なくても楽しくやってくれてると思うんだぁ!だから、アタシもコッチの生活を楽しむんだぁ!」
「うん、それが良いよ」
日本での生活の楽しさに上機嫌のアリス。彼女はカルーア達も楽しくしていると思い込んではいるが……どうやらアリスの勘はアテにならないようだw
【アルバート家】
ヒイロの工房では、昨夜突然目を覚ましたサーシャと本番エッチをしたのだが、それ以降サーシャが動く事は無かった
通夜を終え、いよいよ明日にはサーシャの火葬が始まろうとしているのだから…
続く
応援ありがとうございます!
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