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夢忘れ編
魔界から迷い込みし者
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【カルデア森林帯】
魔物の接近を魔法で探知したカルーア。彼女によれば大型の魔物が接近しているらしい【アルバートファミリー】と【ホロミナティ】は臨戦態勢を取った
「アリス!お前はサーシャとエルデスの護衛に付け!エリエスは【ホロミナティ】の4人のサポートだ!俺とカルーアで先陣に立つぞ!」
「任せておきなよ!」
ヨシュアの指示に従うアリスとカルーア。相手が何者なのかまだ分からない今、突発的な仲間の消失を防ぐ為の防御重視の布陣だ
(ヨシュア…戦闘力も高いけれど、判断力も良いモノを持っていますわね)
(エリエス。森林に隠れて接近する魔物が多数居ます…かなりレアな相手と思われますよ。警戒を!)
ヨシュアの判断を評価したエリエスに対し、彼女が持つ手作りのエクスカリバーに宿る【精霊ロマーニャ】が注意を促(うなが)した
「毒牙のナイフでどこまでヤレるかなぁ?やるしかないか…んあっ!?コヨリィ!!ソッチに近付いてきてるよ!」
「うえぇ!?私ですかぁ!?」
アサシンのサケマタは、魔物が森林を移動する際に発生させる葉っぱが擦れる音を聞き、魔物の襲来方向を察知した
「来ないでくださぁぁぁぁい!」
必死に鞭を振り魔物を追い払おうとするコヨリィ
「ソコにぇ!!」
神通力で作動するボーガンを持つミコが、森林の中の敵におおよその狙いをつけ矢を発射した!
「アビャっ!?」
「ドサッ」ボーガンの矢が刺さった魔物が木から地面に墜落した!その姿を見たエリエスが叫ぶ!
「まさか!?…魔界の魔物【キルヒリング】です!強敵です、皆さん気を付けてください!」
注釈)【キルヒリング】
手首から肘にかけて外側が鎌の様になっており、主にソレを使い獲物を倒す。背中の甲羅の様な所から蜘蛛の糸の様なモノを吐き出し相手を捕縛する。頭部はカマキリに似ていて、その大きな目で広範囲を視認出来る魔物
50年ほど前に【エルドラド王国】を攻め入る時に魔界から呼び寄せられたのだが、魔界には帰らずに地上に住み着いた生き残りの1種類のようだ
「何で魔界の魔物がこんな所に居やがる!?」
予想外の魔物の出現にヨシュアが吠える
「確か、おじい様が管理なされていた書物に記載されていたハズですわ…」
エリエスは基本型(ベース)超人類である為、記憶力も人知を超えた良さを持っている。かつて祖父母が勤めていた【クラウン城】の図書館に入った時に、読み溜めた膨大なデータから魔物の正体を瞬時に理解した
「ソイツらは数体で群れを成して行動します。鎌状の腕と背中の甲羅から射出される、粘着性の高い糸に気を付けてください!ヤツらは獲物の動きを封じて生きたまま食べるそうです!」
「!?エェ(゜〇゜ ;)ェエ!?食べられちゃうのは嫌あぁぁぁ!!」
エリエスの説明を聞いたアリスが、おぞましい姿とその独特な性質に驚きの声を上げる
「このぉぉぉ!ロマーニャ、発火してください!」
エリエスは精霊ロマーニャに命じた。エクスカリバーに炎を纏(まと)わせ殺傷力を上げる戦法だ!
「ズバッ!」「アビャー!!」
帯炎したエクスカリバーの一撃で、身体を縦に真っ二つに斬られて絶命するキルヒリング
「まずは1体!…えっ!?」
驚いたことにキルヒリングは仲間がやられるのを見越したかの様に、エリエスが斬撃で1体を仕留めた瞬間を狙って、別の2体が左右から近付いて背中を向け左右から粘着性の高い蜘蛛の糸を放出し、エリエスの身体を蜘蛛の糸で大きな毛玉の様に固めた!
「エリエスさん!今サケマタが助けに…」
「バサッ!!」
エリエスを助けに動き出そうとした瞬間!
「アビャビャ♪」
木の影に隠れていた別のキルヒリングが、サケマタの後方から襲いかかった。まるで隙を伺っていたように…
「でえぇぇぇぇい!」
「バキィ!!」
サケマタの近くに居たノエールが、ヒイロ手製のミスリルアックスでキルヒリングを叩き伏せた!力任せに振り回すのではなく、コンパクトなスイングで確実に当てる!ヨシュアとの訓練中に叩き込まれた教えが、バッチリ反映された動きだった
「コチラも1体ヤリましたっ!」
「違うって!良く見るにぇ!!」
かなりの怪力を誇るノエールによるミスリルアックスの1激がヒットした!威力を控えた命中重視の攻撃とはいえ、この周辺の魔物なら普通に即死か致命傷の一撃だった
「アビャー…」
「嘘~~~!?起き上がってきますよぉ!?」
ノエールの怪力を嫌という程知っているサケマタは彼女の一撃をマトモに喰らったのに、ゆっくり起き上がってくるキルヒリングに恐怖した
「皆さん!よく見てください!倒せたのは…ほんの僅かですよ!」
コヨリィに言われてよく見てみれば…ミコのボーガンの矢を腹に生やしている個体も、起き上がり動き出そうとしている。彼らの生命力は、通常の魔物では有り得ない程の高さを持っていた
キッチリ倒せていたのはエリエスとヨシュア達くらいだった。手負いになった個体が背後からサケマタを襲う!
「とまっちゃアカンべっ!!」
「ドン!」
「あイター?何すんのさノエー…!?」
ノエールに突き飛ばされたサケマタ。「何をするのさ!」と振り返って見た光景は…
「ふぬうぅぅぅ…引きちぎれないべ…」
サケマタが見たのは…さっきまで自分が居た場所に、キルヒリングの蜘蛛の糸で両腕を絡め取られて立ち尽くすノエールの姿だった
「あんた、サケマタを庇って…」
彼女の動きを封じている2体とは別に…ノエールの正面から近付く別のキルヒリング。どうやらソイツはノエールを捕食するつもりで近付いているようだ
「ヨシュア君!カルーアちゃん!ノエールを助けてっ!!」
あまりにも予想以上過ぎる強い敵の登場に大苦戦する【ホロミナティ】サケマタは、このパーティの主戦力であるカルーアとヨシュアに救いを求めた。が…
「くっそ、コイツが親玉かよ…」
「ヤバい程の魔法力を感じるよ…普通の魔物とは格が違うみたいだね…」
ヨシュアは地面に這いつくばり、カルーアは上空から放たれた超強力な電撃から彼を守る為、雷系の強固なシールドを展開して何とか防いでいた
「あの2人が押されてる!?…はぁはぁ…一体、何と戦ってるんすか?」
サケマタは上空を見上げるカルーアの目線の先に居る物を見た!
「グエエェェェ!!!」
体長30メートル程で青銀色(シルバーブルー)の身体を持つ翼竜が、彼らの上空を旋回していた
「嫌ぁー!来ないでぇ!来ないでよぉ!!」
別の方向には2本のソードを振り回し、サーシャとエルデスを5体のキルヒリングから必死に守っているアリスの姿があった
動きを止められたまま捕食されようとしているノエール
(コイツはマズイっすよ…まさか、イキナリ全滅のピンチっすか?)
大きな繭(まゆ)の様に絡み取られたエリエス
新武装を使い必死に身を守るミコとコヨリィ
予想外過ぎるパーティ全滅も有り得そうな劣勢な状況に、サケマタは言葉を失い立ち尽くしていた
続く
魔物の接近を魔法で探知したカルーア。彼女によれば大型の魔物が接近しているらしい【アルバートファミリー】と【ホロミナティ】は臨戦態勢を取った
「アリス!お前はサーシャとエルデスの護衛に付け!エリエスは【ホロミナティ】の4人のサポートだ!俺とカルーアで先陣に立つぞ!」
「任せておきなよ!」
ヨシュアの指示に従うアリスとカルーア。相手が何者なのかまだ分からない今、突発的な仲間の消失を防ぐ為の防御重視の布陣だ
(ヨシュア…戦闘力も高いけれど、判断力も良いモノを持っていますわね)
(エリエス。森林に隠れて接近する魔物が多数居ます…かなりレアな相手と思われますよ。警戒を!)
ヨシュアの判断を評価したエリエスに対し、彼女が持つ手作りのエクスカリバーに宿る【精霊ロマーニャ】が注意を促(うなが)した
「毒牙のナイフでどこまでヤレるかなぁ?やるしかないか…んあっ!?コヨリィ!!ソッチに近付いてきてるよ!」
「うえぇ!?私ですかぁ!?」
アサシンのサケマタは、魔物が森林を移動する際に発生させる葉っぱが擦れる音を聞き、魔物の襲来方向を察知した
「来ないでくださぁぁぁぁい!」
必死に鞭を振り魔物を追い払おうとするコヨリィ
「ソコにぇ!!」
神通力で作動するボーガンを持つミコが、森林の中の敵におおよその狙いをつけ矢を発射した!
「アビャっ!?」
「ドサッ」ボーガンの矢が刺さった魔物が木から地面に墜落した!その姿を見たエリエスが叫ぶ!
「まさか!?…魔界の魔物【キルヒリング】です!強敵です、皆さん気を付けてください!」
注釈)【キルヒリング】
手首から肘にかけて外側が鎌の様になっており、主にソレを使い獲物を倒す。背中の甲羅の様な所から蜘蛛の糸の様なモノを吐き出し相手を捕縛する。頭部はカマキリに似ていて、その大きな目で広範囲を視認出来る魔物
50年ほど前に【エルドラド王国】を攻め入る時に魔界から呼び寄せられたのだが、魔界には帰らずに地上に住み着いた生き残りの1種類のようだ
「何で魔界の魔物がこんな所に居やがる!?」
予想外の魔物の出現にヨシュアが吠える
「確か、おじい様が管理なされていた書物に記載されていたハズですわ…」
エリエスは基本型(ベース)超人類である為、記憶力も人知を超えた良さを持っている。かつて祖父母が勤めていた【クラウン城】の図書館に入った時に、読み溜めた膨大なデータから魔物の正体を瞬時に理解した
「ソイツらは数体で群れを成して行動します。鎌状の腕と背中の甲羅から射出される、粘着性の高い糸に気を付けてください!ヤツらは獲物の動きを封じて生きたまま食べるそうです!」
「!?エェ(゜〇゜ ;)ェエ!?食べられちゃうのは嫌あぁぁぁ!!」
エリエスの説明を聞いたアリスが、おぞましい姿とその独特な性質に驚きの声を上げる
「このぉぉぉ!ロマーニャ、発火してください!」
エリエスは精霊ロマーニャに命じた。エクスカリバーに炎を纏(まと)わせ殺傷力を上げる戦法だ!
「ズバッ!」「アビャー!!」
帯炎したエクスカリバーの一撃で、身体を縦に真っ二つに斬られて絶命するキルヒリング
「まずは1体!…えっ!?」
驚いたことにキルヒリングは仲間がやられるのを見越したかの様に、エリエスが斬撃で1体を仕留めた瞬間を狙って、別の2体が左右から近付いて背中を向け左右から粘着性の高い蜘蛛の糸を放出し、エリエスの身体を蜘蛛の糸で大きな毛玉の様に固めた!
「エリエスさん!今サケマタが助けに…」
「バサッ!!」
エリエスを助けに動き出そうとした瞬間!
「アビャビャ♪」
木の影に隠れていた別のキルヒリングが、サケマタの後方から襲いかかった。まるで隙を伺っていたように…
「でえぇぇぇぇい!」
「バキィ!!」
サケマタの近くに居たノエールが、ヒイロ手製のミスリルアックスでキルヒリングを叩き伏せた!力任せに振り回すのではなく、コンパクトなスイングで確実に当てる!ヨシュアとの訓練中に叩き込まれた教えが、バッチリ反映された動きだった
「コチラも1体ヤリましたっ!」
「違うって!良く見るにぇ!!」
かなりの怪力を誇るノエールによるミスリルアックスの1激がヒットした!威力を控えた命中重視の攻撃とはいえ、この周辺の魔物なら普通に即死か致命傷の一撃だった
「アビャー…」
「嘘~~~!?起き上がってきますよぉ!?」
ノエールの怪力を嫌という程知っているサケマタは彼女の一撃をマトモに喰らったのに、ゆっくり起き上がってくるキルヒリングに恐怖した
「皆さん!よく見てください!倒せたのは…ほんの僅かですよ!」
コヨリィに言われてよく見てみれば…ミコのボーガンの矢を腹に生やしている個体も、起き上がり動き出そうとしている。彼らの生命力は、通常の魔物では有り得ない程の高さを持っていた
キッチリ倒せていたのはエリエスとヨシュア達くらいだった。手負いになった個体が背後からサケマタを襲う!
「とまっちゃアカンべっ!!」
「ドン!」
「あイター?何すんのさノエー…!?」
ノエールに突き飛ばされたサケマタ。「何をするのさ!」と振り返って見た光景は…
「ふぬうぅぅぅ…引きちぎれないべ…」
サケマタが見たのは…さっきまで自分が居た場所に、キルヒリングの蜘蛛の糸で両腕を絡め取られて立ち尽くすノエールの姿だった
「あんた、サケマタを庇って…」
彼女の動きを封じている2体とは別に…ノエールの正面から近付く別のキルヒリング。どうやらソイツはノエールを捕食するつもりで近付いているようだ
「ヨシュア君!カルーアちゃん!ノエールを助けてっ!!」
あまりにも予想以上過ぎる強い敵の登場に大苦戦する【ホロミナティ】サケマタは、このパーティの主戦力であるカルーアとヨシュアに救いを求めた。が…
「くっそ、コイツが親玉かよ…」
「ヤバい程の魔法力を感じるよ…普通の魔物とは格が違うみたいだね…」
ヨシュアは地面に這いつくばり、カルーアは上空から放たれた超強力な電撃から彼を守る為、雷系の強固なシールドを展開して何とか防いでいた
「あの2人が押されてる!?…はぁはぁ…一体、何と戦ってるんすか?」
サケマタは上空を見上げるカルーアの目線の先に居る物を見た!
「グエエェェェ!!!」
体長30メートル程で青銀色(シルバーブルー)の身体を持つ翼竜が、彼らの上空を旋回していた
「嫌ぁー!来ないでぇ!来ないでよぉ!!」
別の方向には2本のソードを振り回し、サーシャとエルデスを5体のキルヒリングから必死に守っているアリスの姿があった
動きを止められたまま捕食されようとしているノエール
(コイツはマズイっすよ…まさか、イキナリ全滅のピンチっすか?)
大きな繭(まゆ)の様に絡み取られたエリエス
新武装を使い必死に身を守るミコとコヨリィ
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