24 / 100
夢忘れ編
動き出すマーマル遊撃隊
しおりを挟む
【カルデア森林帯】
「マーマルさん。私たちはどうするんですか?」
銀翼竜(クレリアワイバーン)とキルヒリングに追い詰められている三姉妹とホロミナティ達を、厳重な認識阻害を展開して約3kmほど離れた場所から観察しているマーマル遊撃隊の3人
「テウは人間側の【ヒルドルブ砦】の事は知っているかい?アッチの姫が逃げ込んでいるハズだから、何とか攻略したいと思ってるんだけどさ…」
「かなり堅牢な砦でしたよね?確か…古代人の化学とかいう技術で造られていて、テッペンに長距離用のゴツイ砲台を装備してるんですよね?」
「そうなんだよ。ゴーレムで殴っても穴が開かなかったらしい。しかも、配下の報告によると…壁にまで魔法コーティングしてるらしくてね。長距離魔法での攻撃もほとんど効かないらしいんだよ…」
「あー…確かマーマルさん、最上位の極大魔法を研究なされてましたよね?…まさか、エルフを拉致っちゃう気ですか?」
「ふふ♪テウは僕のことをよく理解してくれてるね♬その通りだよ。数で有利な味方に大きな被害を覚悟で突っ込んでもらう手も有り。っちゃー有りなんだけどさ…」
「そんな強引な戦法を取ったら…博愛主義者の姫様から説教されちまうぜ?」
「そう。ウチの姫様の意向を汲むんなら、被害は小さくしたいからね…でだテウ。段取りは済んでるかい?」
マーマル遊撃隊隊長のマーマルは、何かの上位魔法を完成させる為に、エルフを拉致したいようだ。彼女の野望に勘づいていたテウは、既にソレを成し遂げる為の前準備を済ませているらしい
「おい2人とも!戦況が大きく傾いたぜ!」
マーマル製の遠眼鏡で、三姉妹たちの戦闘を観察していたリュウキが大きな声を出した
「こらこらリュウキ。厳重な認識阻害(ハードゥーン)を掛けているからって、そんな大声出して気付かれたらどうすんのさ?…で、何があったの?」
「最初に封じられてた女が自力で脱出したんだけどさ…凄まじい強さだぞ。ほら!」
リュウキは遠眼鏡をマーマルに渡した。遠眼鏡を持つリュウキの腕が震えている…ソレを使い戦闘の様子を確認するマーマル
「…はあ!?何だよ、あの動き…とても人間の…いや…リュウキだって到底、あの動きであの精度の高い攻撃は出来ないよね?」
「出来ない、出来ないって!剣聖クラスと言や良いのか?それとも魔神級か?並の生物では有り得ないな、あの動きは…」
「まるで殺戮機械兵器(キラーマシン)だな……
Σ(゜□゜)あっ!!まさか?古文書に載っていた…超人類とか言う生体兵器なのかい?」
遊撃隊のリーダーをしているマーマルは、その立場になる前は研究者として活躍していたので、かなりの古文書を読み漁っていた
突風の如き速度で問答無用に魔界の強魔物であるキルヒリングを次々と、無表情で討伐していくエリエスの姿に驚異するリュウキとマーマル
「…なぁマーマル。あんなヤバいのが居るってーのに、それでも強行して拉致るのかよ?」
「何いってんのさ。「であればこそ!」だよ。強くて知識の豊富なエルフが必要なんだ。エルフなら何でも良い訳じゃないよ。あのパーティに居るエルフなら、僕の野望を叶える礎(いしずえ)になってくれるだろうさ!」
地上の神獣である銀翼竜(クレリアワイバーン)と、たった2人で良い勝負をしているカルーアとヨシュアにも脅威を感じていたが…キルヒリング達を雑魚狩りの様に駆逐していくエリエスにも危険を感じていたリュウキは、計画の実行を確認したのだが…マーマルの意見は…
「であればこそ!」
らしい。諦めた笑顔を見せて「はー、ヤレヤレ」な素振りをしたリュウキ
「お2人とも、この宝石を絶対に無くさずに持っていてください。脱出用の宝石です。落として捕まってしまっても助けに来ませんからね?(笑)」
そう言うとテウは、ピンク色のダイヤの様な形をした手のひらサイズの宝石を、1つずつマーマルとリュウキに渡した。それとは別に同じ色で同じ形だが、その3つよりも1回り大きい宝石を高さ25メートル、幅5メートル程の巨木に埋め込む様に魔法で同化させた
「脱出用の宝石の起動は私が行いますので、2人は宝石を肌身離さず持ってさえいてくれれば大丈夫ですよ♪」
「脱出準備はオーケーだね。後は少しでも気取られにくい様にリュウキは飛翔形態になっておくれよ。僕は全員に【認識阻害(ハードゥーン)】と【浮遊進行(レベテート)】を掛けておくよ」
杖を振りかざし詠唱に入るマーマル。リュウキは近くの木に手を当てて身体を預け、少し前かがみの姿勢でお尻を突き出す体勢で背中に意識を集中させた
「………うぅん…あはぁっ!?くぅ……うあっ!?はぁはぁ…出たぞ…」
「立派な翼ですねー。流石は合成魔獣(キマイラ)のリュウキさんですね!」
リュウキは改造された生命体で、複数の種族の特徴をその身に宿しているようだ。けれど部分的にとはいえ、身体を変化させるのは疲れるようで涼しい森林地帯の日陰に居るというのに、リュウキは再び大量の汗をかいた
「くうぅぅぅ…結局また汗でベタベタになっちまったじゃないか……でも飛行移動が可能になったぜ!」
「良し!作戦を説明するよ。僕がテウをおんぶする、そして魔法でリュウキと連結する。リュウキは僕の【浮遊推進(レベチューン)】(浮遊進行の上位魔法)と、その翼で最速で接近するんだ」
「分かった。大暴れして奴らの目を引けば良いんだな?」
「そうだね。戦場に入ったらテウは僕の後方で捕獲の準備をしてね。リュウキは復活した生体兵器(エリエス)の足止めをしてね」
「拉致るのはドッチのエルフなんだ?銀翼竜と戦っている方か?守られている方か?」
「おっと!エルフは2体居たね。狙うのはオッパイが大きい方のエルフ(エルデス)だよ…どうやらソッチの方が、年齢が遥かに上みたいだからね。理解したかい?手違いの無いようにお願いするよ」
「分かった。任せときな!」
「私の準備は万全ですよー」
「じゃあヤルとしようか…1発勝負だからね。貧乳のエルフと男の子の方にも加勢されたら、僕たちに勝ち目は無くなるからね。パッと拉致ってサッと撤退だからね!」
リュウキに狙うエルフは、戦闘してる方か?守られている方か?と聞かれて「胸の大きい方!」と答えたマーマル。彼女もソコソコ大きいのだが…それでもエルデスの胸の大きさが気になるのだろうか?
ともあれ離れた前方で大乱戦をしている最中に割り込んで、火事場泥棒ヨロシク!で高い知識を持つエルフを拉致しようと、マーマル遊撃隊が動き出そうとしていた
続く
「マーマルさん。私たちはどうするんですか?」
銀翼竜(クレリアワイバーン)とキルヒリングに追い詰められている三姉妹とホロミナティ達を、厳重な認識阻害を展開して約3kmほど離れた場所から観察しているマーマル遊撃隊の3人
「テウは人間側の【ヒルドルブ砦】の事は知っているかい?アッチの姫が逃げ込んでいるハズだから、何とか攻略したいと思ってるんだけどさ…」
「かなり堅牢な砦でしたよね?確か…古代人の化学とかいう技術で造られていて、テッペンに長距離用のゴツイ砲台を装備してるんですよね?」
「そうなんだよ。ゴーレムで殴っても穴が開かなかったらしい。しかも、配下の報告によると…壁にまで魔法コーティングしてるらしくてね。長距離魔法での攻撃もほとんど効かないらしいんだよ…」
「あー…確かマーマルさん、最上位の極大魔法を研究なされてましたよね?…まさか、エルフを拉致っちゃう気ですか?」
「ふふ♪テウは僕のことをよく理解してくれてるね♬その通りだよ。数で有利な味方に大きな被害を覚悟で突っ込んでもらう手も有り。っちゃー有りなんだけどさ…」
「そんな強引な戦法を取ったら…博愛主義者の姫様から説教されちまうぜ?」
「そう。ウチの姫様の意向を汲むんなら、被害は小さくしたいからね…でだテウ。段取りは済んでるかい?」
マーマル遊撃隊隊長のマーマルは、何かの上位魔法を完成させる為に、エルフを拉致したいようだ。彼女の野望に勘づいていたテウは、既にソレを成し遂げる為の前準備を済ませているらしい
「おい2人とも!戦況が大きく傾いたぜ!」
マーマル製の遠眼鏡で、三姉妹たちの戦闘を観察していたリュウキが大きな声を出した
「こらこらリュウキ。厳重な認識阻害(ハードゥーン)を掛けているからって、そんな大声出して気付かれたらどうすんのさ?…で、何があったの?」
「最初に封じられてた女が自力で脱出したんだけどさ…凄まじい強さだぞ。ほら!」
リュウキは遠眼鏡をマーマルに渡した。遠眼鏡を持つリュウキの腕が震えている…ソレを使い戦闘の様子を確認するマーマル
「…はあ!?何だよ、あの動き…とても人間の…いや…リュウキだって到底、あの動きであの精度の高い攻撃は出来ないよね?」
「出来ない、出来ないって!剣聖クラスと言や良いのか?それとも魔神級か?並の生物では有り得ないな、あの動きは…」
「まるで殺戮機械兵器(キラーマシン)だな……
Σ(゜□゜)あっ!!まさか?古文書に載っていた…超人類とか言う生体兵器なのかい?」
遊撃隊のリーダーをしているマーマルは、その立場になる前は研究者として活躍していたので、かなりの古文書を読み漁っていた
突風の如き速度で問答無用に魔界の強魔物であるキルヒリングを次々と、無表情で討伐していくエリエスの姿に驚異するリュウキとマーマル
「…なぁマーマル。あんなヤバいのが居るってーのに、それでも強行して拉致るのかよ?」
「何いってんのさ。「であればこそ!」だよ。強くて知識の豊富なエルフが必要なんだ。エルフなら何でも良い訳じゃないよ。あのパーティに居るエルフなら、僕の野望を叶える礎(いしずえ)になってくれるだろうさ!」
地上の神獣である銀翼竜(クレリアワイバーン)と、たった2人で良い勝負をしているカルーアとヨシュアにも脅威を感じていたが…キルヒリング達を雑魚狩りの様に駆逐していくエリエスにも危険を感じていたリュウキは、計画の実行を確認したのだが…マーマルの意見は…
「であればこそ!」
らしい。諦めた笑顔を見せて「はー、ヤレヤレ」な素振りをしたリュウキ
「お2人とも、この宝石を絶対に無くさずに持っていてください。脱出用の宝石です。落として捕まってしまっても助けに来ませんからね?(笑)」
そう言うとテウは、ピンク色のダイヤの様な形をした手のひらサイズの宝石を、1つずつマーマルとリュウキに渡した。それとは別に同じ色で同じ形だが、その3つよりも1回り大きい宝石を高さ25メートル、幅5メートル程の巨木に埋め込む様に魔法で同化させた
「脱出用の宝石の起動は私が行いますので、2人は宝石を肌身離さず持ってさえいてくれれば大丈夫ですよ♪」
「脱出準備はオーケーだね。後は少しでも気取られにくい様にリュウキは飛翔形態になっておくれよ。僕は全員に【認識阻害(ハードゥーン)】と【浮遊進行(レベテート)】を掛けておくよ」
杖を振りかざし詠唱に入るマーマル。リュウキは近くの木に手を当てて身体を預け、少し前かがみの姿勢でお尻を突き出す体勢で背中に意識を集中させた
「………うぅん…あはぁっ!?くぅ……うあっ!?はぁはぁ…出たぞ…」
「立派な翼ですねー。流石は合成魔獣(キマイラ)のリュウキさんですね!」
リュウキは改造された生命体で、複数の種族の特徴をその身に宿しているようだ。けれど部分的にとはいえ、身体を変化させるのは疲れるようで涼しい森林地帯の日陰に居るというのに、リュウキは再び大量の汗をかいた
「くうぅぅぅ…結局また汗でベタベタになっちまったじゃないか……でも飛行移動が可能になったぜ!」
「良し!作戦を説明するよ。僕がテウをおんぶする、そして魔法でリュウキと連結する。リュウキは僕の【浮遊推進(レベチューン)】(浮遊進行の上位魔法)と、その翼で最速で接近するんだ」
「分かった。大暴れして奴らの目を引けば良いんだな?」
「そうだね。戦場に入ったらテウは僕の後方で捕獲の準備をしてね。リュウキは復活した生体兵器(エリエス)の足止めをしてね」
「拉致るのはドッチのエルフなんだ?銀翼竜と戦っている方か?守られている方か?」
「おっと!エルフは2体居たね。狙うのはオッパイが大きい方のエルフ(エルデス)だよ…どうやらソッチの方が、年齢が遥かに上みたいだからね。理解したかい?手違いの無いようにお願いするよ」
「分かった。任せときな!」
「私の準備は万全ですよー」
「じゃあヤルとしようか…1発勝負だからね。貧乳のエルフと男の子の方にも加勢されたら、僕たちに勝ち目は無くなるからね。パッと拉致ってサッと撤退だからね!」
リュウキに狙うエルフは、戦闘してる方か?守られている方か?と聞かれて「胸の大きい方!」と答えたマーマル。彼女もソコソコ大きいのだが…それでもエルデスの胸の大きさが気になるのだろうか?
ともあれ離れた前方で大乱戦をしている最中に割り込んで、火事場泥棒ヨロシク!で高い知識を持つエルフを拉致しようと、マーマル遊撃隊が動き出そうとしていた
続く
10
あなたにおすすめの小説
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる


