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第9章 新世界狂想編 

来るべき時に備えて

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~ フェアリーガーデン 機神プラント ~

「これは…… どうかな?【妖精】?」

『魔力循環を確認…… 異常は有りません』

「魔力の吸収と稼働領域の性能は…… 上がったけど、消費はどうだ? あるじ

『ちょっと待って…… 前の無理に吸われる感じがしないよ』

「成功ですね!」

「ふぅ~…… やっと、【妖精】の身体(素体フレーム)が出来るね」

「後は……【眷属化】出来れば…… 私達の新たな【妹】の完成だな♪」

エルとアーデの強化中…… 私は合間を縫って【妖精】の改修をしていた。

「改修と言うより、新造だな」

「制御A.Iと動力部以外は、新パーツですからね」

「しかも、新パーツはフルオーダーメイトだ」

帝国勇者からの機神奪還戦で、試作武装での無理な戦闘後……【妖精】はフレームに重大な損傷を受けていた。

原因は……【妖精】の出力がフレームの強度と耐久性を遥かに超えた性能だった事。

「【神獣】の素材と【伝説の鉱物】が有って良かったよ。この動力部を作った奴は、【化け物】だな」

「魔力の変換効率が良過ぎて、常にフルパワー状態で供給が追い付いてないから直ぐに燃料切れか、故障するけどね……」

例えるなら、公道をクラシック車にロケットエンジンをアクセル全開状態で積んで、無理矢理安全運転してる感じかな?

動力部の出力に駆動部分が耐えられなかったんだよね…… 勇者戦の時、下手したら空中分解してたかも……

「仕方がないですよ。当時の情況では、実験データの収集すら難しいですからね」

「【オロチキュウビ】の討伐報酬が役に立ったね」

【オロチキュウビ】が邪神機と言う機械なのに、【再生】する理由……【魔力収束吸収機構】が10基も内蔵していたからだ。

玄黯は……【魔力収束吸収機構】で戦闘に使われた魔力を集めて、破壊された部分を集めた魔力で【瞬間錬成】を応用して【再生】した。

その証拠に、私が切り落とした【オロチ】の首は回収されなかった……【再生】の素材にされたのだろう。

「討伐報酬の【魔力収束吸収機構】を解析して、小型化に成功して良かったですね」

「元のサイズを組み込んだら、【妖精】の腹がポコリするな」

『断固! 拒否します!』

「もっと速く気付けば、良かったんだけど……」

「仕方がないですよ」

「あの時は、主を今の状態にするので、大変だったからな…… 報酬の確認どころじゃなかったもんな」

「もう1つの報酬の【ヤマタノオロチの魔石】も組み込んだから通常モードなら、起動時に魔力を流すだけになったね」

「それでも、主ぐらいに魔力が無いと起動時に、MPがゼロになるけどな」

「主さまは、魔力を回復出来ますから」

「【衣装箱】の方は?」

「そっちは、ロッテさんとジュエリーズとスパイダーズが張り切ってるよ」

「数着仮縫いが終わったから、主さまに仕上げの【魔力回路】を組み込んで欲しいそうですよ?」

「解った。この後に行くよ」

「しかし…… 主を大きくした感じになったな」

素体の状態の【妖精】は…… 今の私を3メートルにしたドールの様だ。

「主さまも、【限界突破】の姿により近くなりましたね」

「主…… 本当に、その姿が本当の姿なのか?」

「本当だよ。リアルだと、このサイズなの」

「ちっきしょー! 私もエナのお姉ちゃんなのに!!」

「ね、姉さん!?」

「私がお姉ちゃんなの! どうして、エナの方が大きいの!!」

「エ、エミリー、落ち着いて」ガバッ

エナに詰め寄るエミリーを後ろから抱き締める。

「うぅ~…… うぅ~……」

「よしよし…… 私は小さくても、エミリーは可愛いよ♪」

「…… 本当?」

「うん、可愛い♪」

「あるじ~」ムギュ~

「姉さん…… ずるいです」

羨ましそうに見ていたエナも抱き締めたら、せっちゃんとロッテ達に肩を叩かれました。

あ、はい、【衣装】の仕上げですね。いや、違う? 自分達も抱き締めろと?

「良いよ。おいで、ハグしよう♪」

眷属達をハグする事に…… アレ? テイムモンスターとウルちゃんが並んでる?

その後は…… ハグだけで時間が潰れたので、ぼうけん屋でログアウト。

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~ ぼうけん屋のカナエの部屋 ~

「アレ? シロちゃんとあおいちゃんに…… ランちゃん?」

ログインすると……

私に抱き付く、3人の幼い頭が私の胸を枕に寝てる。

コンコン♪
「お姉ちゃん? いる?」

「いるよ。入って」

「お姉ちゃん、ランちゃん知ら…… お姉ちゃんにランちゃんをネトラレた!?」

エルが、私に抱き付いたランちゃん姿にショックを受けてる。

「ははうえ、主さま、おはようございます」

「お姉ちゃん、おはようございます」

「かかさまぁ~」ムニュ~

エルの声で、ランちゃんとあおいちゃんが起きる。シロちゃんは寝ぼけて私の胸に顔を埋めた。

「あおいちゃん、ランちゃん、おはよう。シロちゃんも起きようか?」

「う~ん…… かか…… おねいちゃん、おはよー」

「はい、おはよう。3人とも、次は勝手に入ったらダメだよ」

「「「はぁい」」」

シロちゃんも起きたので…… 一応、注意する。

たぶん、無駄だね……

「私の式神なのに…… やっぱり、あの胸か!? よし、式神が増える前に…… もぐか」ワキワキ……

「その気持ちの悪い指の動きで、何考えてか解るけど…… 後ろ見た方が、良いわよ?」

「後ろ?……!? お、おはようございます。巴ちゃん」

「おはようございます。エルさん? どうしました?」

「ナンデモ、ナイヨ……」

「そうですか…… このぼうけん屋で、私がいる限り! 親方様とあおいさん、シュリさんに手は出させませんよ」

「は、はい~」

さぁ~って、そろそろ…… エルとアーデの装備が揃うかな? 最後の仕上げに行きますか……

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