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第9章 新世界狂想編 

もうじゅう戦隊 クマカジャー 第7話 もうじゅうは… 熊だけでは無い!

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 ~ 神国魔薬感染地帯 上空 ~

『ちょっと…… お姉ちゃん、正気?』

外見がF系戦闘機に似た機体のコックピットから、エルが私に通信して来る。

「大丈夫だから、やって!」

『も~、何があっても、知らないからね!』

「○ゅ~ん○ゅん♪ ○ゅ~ん○ゅん♪ わたしのかれは…… って、エルには早い?」

『どうせ! 彼氏居ないわよ!』

「ちょっ!?」

エルの乗る機体が、ゴオーと吹かして急上昇する。

『だいたい、その手の話は撃墜フラグでしょうが!』

「そうだった…… みんな! 食事のメニューちゃんと来た?」

『『『?』』』

『大丈夫です。誰も、ステーキを頼んでません』

みんな、それぞれのカスタム戦闘機達に乗って移動中です♪

ラズリ、エル、アーデが試運転中です。

(せっちゃん…… 何故、このネタ解るの?)

『まさか…… 戦闘機のパイロットになるとは……』

『リアルじゃ…… あり得ませんしねぇ……』

『何時、用意したの?』

「ちょっと前に【くじ】で引いた」

『え…… あのくじ引いたの!?』

『種類が多い上に、古い機体が大半のハズレくじだと名高い…… あの飛行機くじですか!?』

『マジかよ! コレ…… 何回分だ?』

「エルのが…… 1回目で、アーデが4回目、ラズリのは…… 6回目かな?」

『なんで! 1回目で、最新の戦闘機を引いてるの!?』

『じゃあ…… 6回引いたんですか?』

「20……」

『『『え?』』』

『カナエ様は、20回引きました』

『『『なんで!?』』』

「零戦…… 零戦が出なくて……」

零戦が出る迄…… 回した結果! 最新戦闘機に最新ステルス機を筆頭に、最新の爆撃機やら輸送機やらが出る中…… 20回目で零戦が出ました! やったね♪

エルが戦闘機で、アーデがステルス機に、ラズリちゃんが爆撃機…… 最新機を元に例の如く! 完全改造♪

『で、ほ・ん・と・う・に、やるの?』

「やるよ♪」

エルが……【戦闘機の上】に股がる私に念押しで確認する。

「やるよ! みんな!」

戦乙女な歌姫も、パワードスーツを着た社長さんも、戦闘機に立ち乗りしたり、張り付いたり、していたからね。

『オペレーション、【フェアリーストーム】開始します』

「うおぉぉ……【妖精の粉】全開!」

ステルスタイプ機のアーデを先頭に、1列に隊列を組ながら…… 感染地帯の上空を突っ切る!

アーデの機が起こした気流に、アーデ機の後方に付いたエル機に股がる…… 私が妖精の粉を拡散して広範囲に散布する。

「ミスト爆雷投下開始して!」

『了解! 投下!』

私達の後方のラズリちゃんが乗る爆撃機が、秘密兵器を投下した。

『上空…… 300メートルで、爆雷の爆発を確認! 爆発による被害は有りません! ……【万能薬】散布により【魔薬】の無効化を確認しました! 魔物化した者達が…… 元の姿に戻ってます!』

「輸送機発進! スパイダー部隊とゴーレム部隊で保護して」

世界樹の素材を使い、特別に精製して万能薬は… 効果ばつぐんでした。

私の妖精の粉で魔薬の症状を軽減し、世界樹を使った万能薬で完治させます。これで…… アンデッド化以外は、無効化できます♪

『レーダーに反応! 例の合成種です!』

「せっちゃん、保護は任せる」

『了解しました』

「みんな! 行くよ!」

『『『了解!』』』

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 ~ 神国首都周辺の平原 ~

「グオォォォ!」

身体の彼方此方に【霧】を噴き出す機械を付けた…… 合成獣達が首都圏を目指していた。

「くっ! 毒耐性が低い者は、下がれ!」

合成獣を止める為に…… 人々が立ち上がる!

しかし…… 人々は、戦う前に撤退を迫られていた。

「くそ! あの魔物が出す霧は、魔薬だ! 下がれ! 魔物化するぞ!」

「え、遠距離攻撃は?」

「ダメだ! 確実に倒さないと…… 奴らは、自爆する! 魔薬を広範囲にばら蒔いてな……」

「そんな!? 負けイベントですか?」

「知らん! が…… 俺のホームは神国だ! やっと、手にした家を…… 手放す気は無い!」

「俺もだ! 毒耐性が有る奴は、前に出るぞ! 俺達の家を狙う化物に…… 思い知らせてやれ!」

「「「「オォォォ!」」」」

神国に拠点を持つ蒼人プレイヤー達が、合成獣達に立ち向かう!

「一気だ! 一気に倒せ! 自爆するぞ!」

「くそが!?」ドッゴ~ン!

腹を切り裂かれた合成獣が、回りの蒼人プレイヤーを巻き込み自爆する!

「ぐぁ…… ちき…… しょ……」

魔薬の効果で、死んだ蒼人プレイヤー達がアンデッド化する!

「くっ! アンデッド化するぞ! 壁だ! 魔法で壁を作れ!」

魔法使い系の蒼人プレイヤー達が、魔法で壁を作り出し、蒼人プレイヤーアンデッドと合成獣などの魔物を押し止める!

「よし、今の内に遠距離攻撃で……!? なんだ…… アレは……」

魔物達の中に…… 明らかに違う魔物が現れる!

「ヤバイぞ…… このタイミングで…… ボス級が出た!」

見た目は、3メートルぐらいの人型…… 全身に禍々しいフルプレートメイルを纏い、大剣を構えた…… 暗黒騎士が蒼人プレイヤー達に向かい…… 大剣を振り下ろそうとした! まさに、その時!?

「ヨクユウガン!」バッシュ! バン!

『グッ! 何奴ダ!』

暗黒騎士が大剣で防ぎながら、声を荒げる!

「「「「とう!」」」」

「大空を舞う! 青空の戦士、【ヨクユウブルー】!」

「夜空に舞う…… 暗闇の住民……【ヨクユウバイオレット】…」

「天空の舞う。灰色の賢人。【ヨクユウグレー】」

「勇猛なる金色の獣! もうじゅう戦隊、総司令……【もうじゅうゴールド】!!」

「「「「我ら、【もうじゅう戦隊 ヨクユウジャー】!!!」」」」ドッカ~ン!!(背中にタイトルがバ~ン!)

新たな、もうじゅう戦士が3人現れた!

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