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第9章 新世界狂想編 

狂った欲望が… 動く

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(注)ヨクユウジャーのメンバーは、

ブルー(隼)がエルで、バイオレット(蝙蝠)がアーデ、グレー(梟)がラズリです。

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『オマエラガ…… 戦隊ヒーロー……』

暗黒騎士が大剣を構え直しながら…… 此方を見てる。

「貴方は…… 何者?」

『サァ…… 何者ナンダロウ…… ナ!』

禍々しいヘルムの隙間から、不気味に目が光ると…… 斬り掛かって来た!

「この!」バッシュ…… ガン!

「弾かれた!?」

禍々しい鎧が魔法弾を弾きながら、暗黒騎士が迫る!

「対魔法装備!? 実体武器に切り換えて!」

「ラン! ファルケンモード!」

『らじゃー!』

ヨクユウブルーが、隼を型どる形になったランちゃんを構える!

「はぁ……! 『バーストランサー!』」

『グゥ!?』

ブルーの攻撃に暗黒騎士が、大剣でガード!

「今です!」

「行くよ! 二人とも、【バットグローブ】! 『『超振動突き!!』』」

バイオレットが、蝙蝠を型どる手甲で追撃を放った!

『クッ! オノレ!?』

「逃がさねぇ!【アウルロッド】、メタルフェザーアロー!」

梟を型どった杖を使ったグレーの追撃魔法が炸裂!

「金属の魔弾だ! 効くだろう?」

『…… ココ迄カ…… マダ…… コノ身体ヲ…… 失ウ訳ニハ…… イカン……』

ドボン……

「「「「!?」」」」

暗黒騎士が地面に溶けた!?

「逃げられたか…… 副司令、浄化を頼むね。(暗黒騎士…… あの感じは…… 蒼人プレイヤーかな……)」

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 ~ 神国首都の宿 ~

「すまない…… ジノさんとはぐれた」

神国首都で、デンライ君達と合流したが……

其処に、ジノさんの姿は…… 無かった。

「調査中に…… 例の合成獣キメラが出まして…… ジノさんは、緑人達を逃がす為に……」

魔薬をばら蒔ながら迫る合成獣キメラに、ジノさんが単騎で突入して…… 合成獣キメラと閃光に消えたらしい……

「連絡は…… 無いの?」

「ああ…… ジノさんの事だから、大丈夫だと思う…… テストプレイの時にも、似た様な事が有ったからな……」

「カナエ様…… 浄化保護部隊に捜索の指示を出します」

「念の為にも…… おねがいね。それで……【魔王】の方は?」

ジノさんも、心配ですが…… この騒動と魔王の目撃情報が関係している気がするんだよね……

「それなんですが…… どうやら【聖域】に現れる様です」

「聖域?」

「神国の神獣が多く住む…… 霊峰……【マウントアストガル】です」

「日本の富士山みたいな山だけど…… 高さがヤバイ」

「頂上が…… 成層圏を超えるらしいです」

霊峰【マウントアストガル】……

頂上が宇宙空間迄届く山。多くの神獣が住み…… 天界へ続く道が有るらしい。

天界から天使族等が現れる事から、太古から神正視されている為に、入山は管理されている。

「例の合成獣キメラの発生源は…… 霊峰?」

「アイツ等は…… 転移魔法で現れる」

「魔薬の霧と共に、突然現れるのです」

人々がいる場所に…… 突然現れる合成獣キメラか…… 何かしらのマーカーが…… 在る?

「ねぇ、合成獣キメラの中に騎士…… 暗黒騎士は…… いた?」

「暗黒騎士ですか? ……初めて知りますね」

「初情報だな…… ボスか?」

「蒼人…… プレイヤーだと思うよ」

「「「「「!?」」」」」

「カナエさん、確かですか?」

「確証は無いけどね……(なんて言うか…… 発想が、私達プレイヤーっぽいんだよね…… 身体を失うと言っていたけど…… ゴースト系かな?)」

「魔薬の製造者は判明しているが…… 一足遅かった様だ。救世主メシアが突入した時には、もぬけの殻だったらしい」

「被害の状況は?」

「首都圏周辺の開拓地が狙われた様です。被害は首都圏に集中してます」

「神国の古い都市部は、結界で護られているからな…… クエストやプレイヤー達の開拓地が狙われたみたいだ」

神国は、救世主メシアの活躍からか? 急激な人工増加に古くからの街並みが建ち並ぶ都市部は、パンク状態……

首都圏周辺の開拓クエストが多発した。

「魔導具の問題で…… 結界が張れない開拓地が多くて、被害が甚大になってる」

「まぁ…… 何処の国も首都圏に人が集中するものだけど…… ねぇ、聖域に入れるかな?」

「聖女の盾に聞いてみるか?」

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「オカエリ…… ソノ身体…… ドウダッタ?」

『中々イイナ…… アイツノ中ハ…… 不便ダッタカラナ……』

「ソウカ…… ナラバ…… 貴方モ、コノ世界デ自由ヲ手ニシタノダナ」

『ナルホド…… コレガ…… 俺ノ望ダッタノダナ…… 次ハ、貴様ノ番ダナ……』

「エエ…… 準備ハ整ッタ…… ヨウヤク…… 私ノ望ガ叶ウ…… オ姉サマ……」

暗黒騎士と骸骨顔の人物が、薄暗い研究所の様な場所の奥に目を向ける……

その奥には……

例の合成獣キメラを始めとした…… 魔物の軍団が待機していた。

竜骨を素材に強化したスケルトンの竜牙兵に、強化スライム、強化ゾンビ兵など……

アンデッド系が多く、不気味な軍団がただ静かに戦いの時をまっていた。

「お待たせしました…… マスター」

ローブ姿の女性が現れた。

「準備…… 完了カ?」

「はい…… スキルの確認に手間取りましたが…… 熟知しました…… それに、あの方が現れた様です」

『デハ……』

「エエ…… 始メマショウ…… 神国崩シヲ」

『他国ノ牽制ハ?』

「帝国とスレイブが動いてくれますよ」

『ホォ…… 我等ノ計画ニ乗ッタカ……』

「マスターの目的は、国では無いですからね……」

「国ナド…… 私ノ望ノ為ナラ、イラナイ…… サァ…… 私達ノ、望ヲ…… 叶エマショウカ」

死神の姿をしたPKが、魔物達に手で合図を出す……

魔物達は… 神国の首都圏を目指して……

霊峰の麓から、ゆっくりと溢れ始めるのだった……

「待ッテイテ、オ姉サマ…… 今度コソハ…… 必ズヤ! 貴女ヲ……」

死神達も、神国に向かった。

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