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第10章 種を超えた妖精は夢と舞踊る編

〔閑話〕ホワイトデーにオフ会… ジノ覚悟の時

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なろうでは、3月14日の閑話でした……
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 ~ 都内某所の医療研究施設 ~

「此処が…… 新世界が始めてプレイされた場所ですか?」

私は、私専用の医療用介助スパイダーに乗って、新世界のテストプレイが行われた医療研究施設に来ていた。

「そうよ。今もプロプレイヤーの何人が此処から、プレイしてるわ」

新世界の開発者【麗華】さんの案内で建物内を進む……

新世界のテストプレイヤーは…… 幅広いデータを収集する為に老若男女関係無く、難病患者や障害者の方達にも数多く参加して貰い実施したので、医療研究施設に泊まり込みで開始された様です。

「医療施設の方がデータ取りが簡単だし、難病や身体の不自由な人も安心でしょ?」

「そうですね」

元々が麗華さんのお祖母さんが身体の不自由を感じなく、楽しめる世界を作る目的で生まれた新世界ですから……

同じ様に身体が不自由な私の様な人が、思い切り遊べる様に…… 入念に安心安全なシステムを作りをしたそうです。

「最近身体は…… どう?」

「徐々に感覚が戻ってますよ。まだ、急な動きは無理ですが……」

今日は、此処の医療施設で念の為に私の検査後…… オフ会です!

「会場は用意してるから、楽しみにね♪」

「はい」

医療検査と身体測定を受けたら…… やっぱり、8㎝身長が伸びてました! やった~♪

私は浮かれながら、オフ会の会場へ……

「カナ姉さん?」

「えっ…… リンちゃん?」

会場に入ると、小学生くらいの6人組がいました…… リンちゃん達です。

「あんた…… 本当に女だったんだな……」

「おにいちゃん…… ちゃんとあやまる……」

シュウ君らしい男の子が…… 私の唯一歳相応に成長した女性らしい部分を確認した後、ようやく私を女性と認めたらしい。

ユキちゃんかな? シュウ君の妹っぽい子に注意されてる…… まだ、疑っていたの?

「え~っと…… リアルじゃあ、始めましてカナエさん…… エンです」

「わたしが、アン」

「わたしが…… マナです。カナ姉さん…… それはスパイダーですか?」

マナちゃんとアンちゃんが、私が乗るスパイダーに気付いた。

「この子は…… 私が、まだ長時間の動きが辛いからね。私の足の代わりをしてくれてるの」

「だいじょうぶ?」

リンちゃん達が心配そうな顔をしたので、1番近くにいたユキちゃんの頭を優しく撫でながら……

「だんだん良くなってるから、大丈夫だよ♪」

と、話していると…… リンちゃん達の保護者さん達も合流して、オフ会会場の中へ。

オフ会の会場は…… ホテルの宴会場でした。

「カナエさん、こんにちは」

デンライ君とレオン君、テッシン君にイズナちゃん、それにガルジ師匠と千鶴ちゃんもいました。

今回は、新世界の名前で呼び合う事になってます。それに……

「こんにちは…… みんなは、身体付き以外は新世界とあまり変わらないね?」

「そう言うカナエさんも変わらないね。フィナも来たがっていたんだけどねぇ……」

「海外だもんね」

「エルも来たがってたよ。でも、聖女あのこの事があるから…… 今回は来れないアーデとラズリちゃんに会いに行ったよ」

「あの二人は、高校生で此方からは遠い場所だからな」

「ちょっと遅れたか?」

「あっ…… ジノさんですか?」

「ああ…… 始めまして、カナエちゃん。俺がジノです」

「は…… 始めまちって! カナエでしゅ!」

「カナエ…… 落ち着いて」

ターニャが、仕方無いなぁ~って顔をしていた。

何時の間に来たの!?

オフ会は、食事にカラオケなどの後…… リンちゃん達保護者の為の新世界体験会になり、新世界で来れなかったメンバーと合流して、何時もの様な時間を過ごし、保護者の方々と楽しみました。

「じゃあ、カナ姉さん。またね」

「「「「「またね~♪」」」」」

リンちゃん達、小学生組は保護者と帰宅して、私達は…… ホテルにお泊まりです。

「ターニャ…… 何飲んでるの?」

「カクテルだけど、カナエはダメよ」

成人組がホテルのバーに移動して飲み始めたので、私はソフトドリンクを飲みながら付き合っていた。

「ジノさんは?」

「あいつは飲めないからな…… 酒の匂いに酔って、先に寝てるぞ」

ジノさんはお酒に弱い体質らしく、先に寝てるらしい…… 私もちょっと顔が暑いな……

「カナエ…… ちょっと酔ってない?」

「うん…… 匂いに酔ったかも? 私も先に寝てるね?」

「わかったわ♪ これがキーね」

「はぁ~い」

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 ~ ??? ~

温かく柔らかい何かに包まれて…… 目覚めた俺は…… 混乱の中にいた。

(何故…… カナエちゃんが裸で、俺の頭を抱きしめて眠ってる!?)

朝方に違和感を感じて、目覚めたジノは……

裸のカナエに顔を胸に埋める様に、抱きしめられていた。

「ちょっと…… 流石にヤバイな」

静かに寝息をたてながら眠ってるカナエのヘッドロックを外しにかかるが……

「あっ…… くすぐったい……」

ジノの髪がカナエの胸を撫でてしまい、カナエが起きる!?

「アレ…… ジノさん? おはよう…… ございます!?」

最初は寝惚けていたカナエも、自分が裸でジノの顔を抱きしめてる事に気付いた!

カナエは…… 声にならない悲鳴を上げた。

何故、この状況になったのか? それは、ホテルを貸し切った麗華が…… 間違って、カナエにマスターキーを渡したのが原因である。

間違ってジノが寝てる部屋に行ったカナエを、スパイダーが服を脱がしてベッドに運ぶと…… バッテリーが尽きてスリープモードになってしまい。

朝方に肌寒さを感じて、寝惚けたカナエが寝てるジノを抱きしめたのだ。

シーツを頭から被り、羞恥に仔猫の様に震えるカナエを見て…

「ふぅ~……」

ジノが上着のポケットから、何かを取り出して……

「カナエちゃん…… 本当は、ちゃんと渡そうと…… 思ったんだけどな」

シーツを被ったカナエを後ろから、優しく包む様に抱きしめて…… ジノがカナエに小さな箱を見せた。

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朝食の会場に、嬉しいけど恥ずかしそうなカナエとジノが寄り添っていた。

その時、カナエの左手に…… 昨日は着けてないリングが光っていた。

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