新世界で… 妖精少女は、ロボットを夢見る

チキンとり

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第11章 神々の魔王と勇者育成計画編

格闘系勇者【タツミ】と伝説の緑人勇者【ザイール】

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「師匠?」

拳を構えた少女の前に、緑人の青年が出る。

「良いかい【タツミ】。一対多数の場合は…… こうするんだ!」

青年が構えると剣が光って、刀身が消えた!?

『ヌッ! 我の配下が一瞬で消された……』

青年の前にいたアンデッドモンスター達が消えた……

「弱点を的確に…… 一撃で、仕止めろ」

「はっ…… はい! 師匠!」

青年の浄化を付与した光速剣で、アンデッドモンスター達のコアを確実に斬り捨て…… 少女に一対多数の戦い方を見せる。

『高位の浄化付与だと…… 貴様…… 何者だ……』

「初めまして、不死の魔王…… 我が名は、【ザイール】。あんた等の天敵…… 勇者だ」

『音に聞いた…… 勇者の一人か…… ならば、配下総出で…… もてなすと…… しよう……』

さらなるアンデッドモンスター達が涌き出てる中で、ザイールが少女を見る…… 少女の手足に光の粒子が集まっていた。

「そうだ…… そのまま〝勇者の闘法〟を極めて見せな!」

「はい、師匠!〝闘法の勇者〟の弟子、【タツミ】…… 参ります!!」

光の粒子を纏い、格闘系勇者少女タツミがアンデッドモンスター達を殴り飛ばした!

「師匠の編み出した……〝闘気〟と〝魔力〟を融合した…… この勇者の闘法で、私は拳を極める!」

タツミの光る手足から放たれた一撃が、アンデッドモンスター達を消滅させる。

その様子に、ザイールが満足そうに頷く。

「相変わらず…… あの戦い方は、凄いね……」

「新世界の伝説的勇者の弟子だからね……」

ザイールとタツミの活躍を見ながら、タツミのパーティーメンバー達が呟く……

ザイールは…… プレイヤー達が新世界に現れる前から、魔王を倒していた勇者の一人だった。

プレイヤー達が現れる以前の魔王達を倒し続けた…… 緑人達の生きる伝説の勇者達の一人……

そんな彼は…… 突然と、緑人達の前から消えた……

彼にとっては…… 魔王も魔物も〝同じ〟だった……

冒険者として一流だった彼には…… 魔王もただの依頼でしかない……

多くの依頼をこなして、魔王を倒す内に…… 彼は〝勇者〟と言う〝英雄〟になっていた。

「自由が…… 欲しい……」

英雄として…… 勇者として…… 自由を求めて冒険者になった彼は…… 自由を失っていた……

そして、彼は表舞台から姿を消した……

それは、新世界のテストプレイが始まる一年前だった。

世捨て人の様に秘境に隠った彼は…… 奇妙な者を見る。

「あれは……〝闘気〟か……」

人の訪れを拒む秘境で、幼さが残る少女が…… 格闘系職のスキルを使い魔物と戦っていた。

「おのが生命力を力にする…… 諸刃の闘法…… あんな技を少女が……」

格闘系職が生命力を削って使うスキルを…… 少女が使い、魔物を殴っている。

彼は…… まるで夢を見ている様な錯覚を感じた。

「凄い才能…… だが……」

少女の一撃が魔物を倒した…… だが、魔物を倒した少女も倒れた。

「生命力が尽きたか……」

冒険者として、才能ある若者が才能に潰される光景を見てきた彼は…… 少女が死んだと確信した。

「看取ったのも何かの縁か……」

倒れた少女の亡骸を埋葬しようと、彼は近付いた時……

「!? 消えた……」

少女の姿は、光になって消えた…… 蒼人プレイヤーの存在を知らないザイールは、霊系モンスターを見たのだと思う事にして、アンデッド化しない様に魔物を処理した。

「またか……」

その後も…… 時より現れては、魔物と闘う少女霊(?)を、ザイールは何度も目撃する様になる。

「余程…… 魔物に怨みがあるのか?」

魔物と闘い、光になって消える少女…… 何時しか、最低限の人との関係以外を断ったザイールの楽しみになっていた。

そして……

「君は…… 何者だ?」

何時もの様に魔物と闘う少女が…… 光になって消え…… 無かった。

「あなたは……〝緑人〟ですか? わたしは……〝蒼人〟の冒険者、タツミです」

「蒼人…… 冒険者だと……」

蒼人の冒険者を名乗る少女タツミの話に…… ザイールが衝撃を受けた。

自分が去った後の新たな英雄達の物語と、時代の中で変わった新世界を……

「そうか…… 新たな英雄に新たな国か……」

ザイールの中に、冒険者だった時の探求心が甦る!

「ところで、ザイールさんは…… 此処で何を?」

「君こそ…… こんな秘境に何の用だい?」

「笑わないで下さい…… 見た事が無い場所と強さを求めて…… です!」

恥ずかしそうに笑う少女タツミに…… ザイールは、少年の時の〝自分達〟を思い出した。

勇者と英雄と呼ばれた自分達が…… 無名だった頃に語り合った〝同じ想い〟を、目の前の少女タツミが言葉にする……

まるで、少年の日の自分が…… 今の自分に問う様に……

「強さを求めると言ったか……」

「ザイールさん?」

「ならば、この〝闘法の勇者……【ザイール】〟が鍛えてやろう」

「えっ! ザイールさんが…… 勇者!?」

「今日から俺は…… タツミの〝師匠〟だ! 良いな?」

「は…… はい! 師匠!」

こうして、伝説的緑人の勇者〝ザイール〟の弟子になったタツミは……

数々の試練をこなして、勇者職を得る事になる。

そして、舞台は現在へ……

「さあ、初めての魔王退治だ!」

「はい! 師匠! 頑張ります!」

師匠と弟子勇者による魔王退治が始まるのだった。

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