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第11章 神々の魔王と勇者育成計画編

竜騎士と兎? そして…… 混沌の勢力が動く!?

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魔王達と勇者達が殺り合ってる頃……

『行くぞ!』

『くっ!?』

ドラゴン型の武装装甲ユニットに換装した勇者機神が、カナエの乗る機神〝アリス〟に迫る!

(速い!? これは…… 勇者以外に〝何か〟が乗ってる?)

騎士装甲だった時よりも、数段上の性能を見せる勇者の乗る機神に…… カナエは、違和感を感じた。

『逃がすか…… ドラグーン!』

竜騎士モードの勇者の機神が、胸部のドラゴンの頭から雷を放つ!

『この!』

アリスがスカート装甲からグレネードを取り出して、雷に放り込む!?

雷に当たったグレネードが爆発して、辺りを爆煙が隠す……

『そこだ!』

勇者機神が爆煙を切り裂き、アリスを捕らえる!

『チッ!?』

アリスが、両手のリボルバー拳銃型のショートガンブレードで受けるが…… 勇者の機神のパワーに押されて、バックステップで下がる。

(この反応速度…… 機神の性能アップだけじゃないね)

勇者の機神の胸部のドラゴンが、アリスに向かい吼える!

『なるほど、その武装…… 意思があるね』

『ドラグーンは、俺の最高の相棒だ』

(サポートユニットが操縦してるのかな…… ならば!)

『これで…… 終わりだ!』

勇者の機神がアリスに剣を振り下ろす…… が!

ドゴッ!?
『なに!?』

斬り掛かった勇者の機神が吹き飛ぶ!?

『な!? う、うさぎだと……』

アリスに剣を向けた勇者の機神を蹴り飛ばして、鋼の兎がファイティングポーズで勇者の前に立つ……

その姿は…… キックボクサーの王者の様だった。

『勇者よ…… 新世界の武装換装の先駆者は、私だ! とお♪』

鋼の兎が分離して、アリスと合体する。

『な……』

鋼の兎の武装装甲に換装したアリスは…… うさミミが付いたバニーなガールだった。

『行くよ…… 勇者!』

バニーガールなアリスが、勇者の機神に一足跳びで…… 強烈なキックを打ち込む!

『ぐっ!? 速い!』

シールドでガードした勇者の機神が、キックの威力を押さえきれずに後ずさる。

『まだまだ、いくよ~♪』

ボクサーの様に、軽やかなステップを踏むと…… バニーガールなアリスが超加速した。

『くっ! ドラグーン……〝ドラゴニックバースト〟だ!』

バニーガールなアリスに翻弄されて、勇者が叫ぶと…… 胸部のドラゴンの目が光って…… 勇者の機神が白銀に発光した!?

『一時的なパワーアップシステム!? その機神の改良者…… 解ってるね♪ ならば、私も応える!〝ラビットミラージュ〟♪』

カナエのかけ声でバニーガールなアリスが……

『な!?〝増えた〟!』

〝ラビットミラージュ〟とは……

アリスが特殊追加武装装甲ユニット【白兎】に換装した【バニーアリス】の時に、カナエの神力をアリスで循環して高加速するシステム。

システム起動時は、循環仕切れないカナエの神力が粒子として排出される為に…… 粒子に反射したバニーガールなアリスが分身して見える。

『増えたなら…… 全部叩けば良い!』

光輝く勇者の機神が急加速で、バニーガールなアリスに迫るが…… 勇者の機神の攻撃は、バニーガールなアリスをすり抜ける!?

『くっ…… これなら、どうだぁ~!!』

『それは!?』

勇者の機神が…… 光の球体に包まれて、バニーガールなアリスに突っ込んで来る!? 体当り系の必殺攻撃だ!!

『すべてを突抜く…… ドラゴニッククラッシュ!!』

『避けきって見せる!』

竜騎士とバニーガールの超速追いかけっこが始まった。

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 ~ フェアリーガーデン ~

「マスターのバイタルが急上昇してます」

「了解…… 当初の計画通りに出撃を」

カナエの動向を見ていた【メイル】の報告に、フェアリーガーデンの【ロッテ】から待機中の【白鳥スワン】に通信が入る。

『こちら〝レフェリー〟部隊。これより、カナエ様の回収に向かいます』

「可愛らしいお客様がお待ちかねですので、急いで下さい」

『了解しました』

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『この…… いい加減に当たれ!』

『集中…… かく乱…… ひらめき!』

フェアリーガーデンで動きがある中…… 竜騎士とバニーガールの必死の超速追いかけっこが続いていた。

『ぐっ!?』

超速追いかけっこ中…… 勇者の機神に紫電が走った!?

『どうやら…… 限界が来た様ね?』

『何を……『キュ……』ドラグーン…… くっ、すまない…… 無理をさせた』

『ここまでね…… 私も迎えが来たわ……』

特殊迷彩を解除して、せつな専用ガールが現れる。

『俺達を倒さないのか?』

『その機神…… 良い機体ね♪ また、戦いましょう?』

『…… 次は、俺達が勝つ!』『キュウ!』

『楽しみにしてるね♪』

『あの緑人の子は…… どうなる?』

『安全な場所に保護してます』

『貴女達が安全と言うなら…… 安心だな』

『それじゃね♪』

風景に消えるバニーガールなアリスとせつな専用のガールを見送ると、竜騎士が崩れ落ちる!

「初乗りで…… 無理させ過ぎたな……」

『キュ~』

「言うな…… あいつが見たら…… 激怒するよなぁ~」

ギンガは、激高してる人物の姿を思い浮かべては…… げんなりするのだった。

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『後は、大人しくしていて下さい』

『はぁい……』

『もう、一人の体では無いのですから』

『そうだね』

フェアリーガーデンに戻る中、せつなの言葉に……

カナエは…… お腹を優しく擦るのだった。

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