いやああ。先輩のしろくまパジャマかわいすぎうわああん

椎名 富比路

文字の大きさ
1 / 1

初めてのお呼ばれ

しおりを挟む
 わたしは初めて、チエ先輩の実家にお呼ばれした。
 お部屋で一緒に、小説を書きたいらしい。

 門からして、ザ・ヤクザという面構えである。
 表向きは、地元でも有名な「会社」なのだそうで。
 ヤンキーが逃げていったわけだ。

「おじゃましまぁす」

 意外と、女のコの部屋だった。

「家があんなんでしょ? ちょっとでも浄化したくてさ」

 チエ先輩は、苦笑いを浮かべる。

「変だろ?」
「いいえ。ステキです」

 偏見よくない。

 色あせているが、ぬいぐるみもある。
 ちゃんと洗っている形跡もあって、大事にしているんだなと思えた。

「先輩って、本は買う派なんですね?」

 大量の本に、全方位囲まれいてる。
 
「本に囲まれて死ぬのが、夢だから。あと、電子書籍だとそれこそなにもない部屋になっちゃうから、寂しくて」

 チエ先輩は、本以外に趣味がない。
 なので、本を取ったら何も残らないという。 

「本に囲まれていると、モチベが上がるっていうか」
「わかります」

 わたしは親に頼んで、電子書籍のサブスクを月額千円で買ってもらっている。
 本を買いすぎたことがあるからだ。
 そんな電子派のわたしでも、先輩の気持ちはわかった。
 
「さて、着替えるかな」

 タンスを開けて、先輩がおもむろに服を脱ぐ。

「ちょっと先輩、もっと恥じらって」
「ん? 同性同士だから、いいじゃん」

 水色の下着姿を、惜しげもなく見せてくる。
 スポーツタイプのインナーだからか、恥ずかしがっている様子もない。

「うわ、しろくまですね」

 先輩が用意したのは、しろくまの着ぐるみだ。

「もう一着あるけど、どう?」
「着ます」

 わたしも、しろくまに変身した。

「あー、やっぱかわいいなぁ。あたしより女のコっぽくていい」
「いえいえ。そんな」
「あたしだとガッチリしすぎて、どうしてもたくましくなっちゃってさ」
「くまだからいいじゃないですか」

 先輩の着ぐるみ姿は、大きくて頼りがいがある。


 執筆前に、お茶を出してもらう。

「ありがとうございます」
「書こうか」

 二人でノートPCを開く。
 
「この前の男装もかっこよかったけど、しろくまもいいね」

 キーをパチパチと叩きながら、先輩がつぶやく。

 ちなみに、手首から先は手袋になっていて、着脱可能になっている。
 なので、キーボード操作は楽だ。
 
「もう、思い出させないでくださいぃ」
「様になってたじゃん」
「あれは、弟のマネでぇ!」
「弟さんがいるんだ?」
「今中学です」

 弟はサッカーやっていて、エースらしい。
 
「ふうん。今度はスポ根やってみっかな?」
「いいですね!」
「彼女目当てに、男性なのに男装カフェに通い詰めるんだよ。でも、お互い意識しちゃってて、ふたりともドジるんだ」
「やめてくださいぃ」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?

さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。 しかしあっさりと玉砕。 クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。 しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。 そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが…… 病み上がりなんで、こんなのです。 プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。

春に狂(くる)う

転生新語
恋愛
 先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。  小説家になろう、カクヨムに投稿しています。  小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/  カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761

白露先輩は露出したい

竹間単
青春
真面目な生徒会長である白露(しろつゆ)先輩に露出願望があることを、生徒会書記の僕だけが知っている――。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

カオルとカオリ

廣瀬純七
青春
一つの体に男女の双子の魂が混在する高校生の中田薫と中田香織の意外と壮大な話です。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。

久野真一
青春
 羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。  そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。  彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―  「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。  幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、  ある意味ラブレターのような代物で―  彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。  全三話構成です。

処理中です...