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第七章 魔王城の大浴場を改装せよ!
ノゾキ魔の正体見たり
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その後も特に何かモンスターが現れるでもなく、平坦な道が続く。
「この先は、大魔王様のいる領域ですわ」
「大魔王様って?」
「ラジューナお嬢様のお父上です」
この異世界とはまた違った世界を、魔界というんだとか。ラジューナちゃんのお父さんは、魔界全土を統べる魔族の王様らしい。
「そんな世界の住人が、ラジューナちゃんの地位を狙うために、この穴を作った?」
「可能性は、否定できません。お嬢様の地位を脅かす存在は、少なくありません。お嬢様が地上界の一部を占領していることを、面白くないと思った輩がいても、我々は驚きません」
結構、ラジューナちゃんの首を狙う魔族は多いみたいだ。
「む? 人影があるッス!」
向こう側の壁に、一際デカイ大男のシルエットが映る。
影はこちらの存在に気づいたのか、脱兎の如く逃げ出す。
「待て待てッス!」
俊足魔法を足に掛けて、オルタが飛び出した。
そのすぐ脇を、シズクちゃんがすり抜けていく。さすがスピードでいったらヴォーパルバニーの右に出る者はいないか。
「シズクちゃん待って! 敵の戦力を見極めてからだ!」
「でもここで逃したら……きゃあ!」
先行していた二人が、風の魔法らしき突風に吹き飛ばされた。
ボクがシズクちゃんを、オケアノスさんがオルタを抱き留める。
「オルタ、シズクちゃん!?」
「うーん」
よかった、気がついた。
しかし、安心もしていられない。
眼前に、巨大なシルエットが向かってくる。
「なんぞ騒がしい。この大魔王に攻撃を仕掛けてくるとは」
闇そのものが人の形を持ったような怪物が、一瞬でボクたちの前に立つ。
「あわわ。大魔王」
オルタの勇敢さが、なりを潜める。足を震わせ、立ち上がれないでいた。
「やべええ、俺ともあろう者が、腰を抜かした」
オケアノスさんまで。
「どうしよう。魔法が使えないわ!」
シャンパさんが脂汗を垂らしながら、手をかざす。しかし、何の魔法も発動しない。
大魔王がそこにいるだけで、一切の魔力干渉が削除されてしまったという。
絶体絶命のピンチだ。
「差し違えてでも、カズユキさんは守ります!」
シズクはすぐに立ち直る。言葉も頼もしい。
「ありがとう。でも、シズクちゃんの方こそ逃げるんだ。ここはボクが時間を稼ぐから!」
守ってもらってばかりじゃダメだ。怖いけれど、立ちむかわないと。
「カズユキさん……ムチャばかりです」
二人で手を握り合う。死ぬときは共にと言わんばかりに。
「父上!」
ラジューナちゃんが、影に抱きついた。
「おお、ラジューナちゃんではないか! 元気だったかーっ?」
影の方も、ラジューナちゃんの頭を撫でる。
ノゾキ魔の正体って、ラジューナちゃんのお父さんだったの!?
「この先は、大魔王様のいる領域ですわ」
「大魔王様って?」
「ラジューナお嬢様のお父上です」
この異世界とはまた違った世界を、魔界というんだとか。ラジューナちゃんのお父さんは、魔界全土を統べる魔族の王様らしい。
「そんな世界の住人が、ラジューナちゃんの地位を狙うために、この穴を作った?」
「可能性は、否定できません。お嬢様の地位を脅かす存在は、少なくありません。お嬢様が地上界の一部を占領していることを、面白くないと思った輩がいても、我々は驚きません」
結構、ラジューナちゃんの首を狙う魔族は多いみたいだ。
「む? 人影があるッス!」
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影はこちらの存在に気づいたのか、脱兎の如く逃げ出す。
「待て待てッス!」
俊足魔法を足に掛けて、オルタが飛び出した。
そのすぐ脇を、シズクちゃんがすり抜けていく。さすがスピードでいったらヴォーパルバニーの右に出る者はいないか。
「シズクちゃん待って! 敵の戦力を見極めてからだ!」
「でもここで逃したら……きゃあ!」
先行していた二人が、風の魔法らしき突風に吹き飛ばされた。
ボクがシズクちゃんを、オケアノスさんがオルタを抱き留める。
「オルタ、シズクちゃん!?」
「うーん」
よかった、気がついた。
しかし、安心もしていられない。
眼前に、巨大なシルエットが向かってくる。
「なんぞ騒がしい。この大魔王に攻撃を仕掛けてくるとは」
闇そのものが人の形を持ったような怪物が、一瞬でボクたちの前に立つ。
「あわわ。大魔王」
オルタの勇敢さが、なりを潜める。足を震わせ、立ち上がれないでいた。
「やべええ、俺ともあろう者が、腰を抜かした」
オケアノスさんまで。
「どうしよう。魔法が使えないわ!」
シャンパさんが脂汗を垂らしながら、手をかざす。しかし、何の魔法も発動しない。
大魔王がそこにいるだけで、一切の魔力干渉が削除されてしまったという。
絶体絶命のピンチだ。
「差し違えてでも、カズユキさんは守ります!」
シズクはすぐに立ち直る。言葉も頼もしい。
「ありがとう。でも、シズクちゃんの方こそ逃げるんだ。ここはボクが時間を稼ぐから!」
守ってもらってばかりじゃダメだ。怖いけれど、立ちむかわないと。
「カズユキさん……ムチャばかりです」
二人で手を握り合う。死ぬときは共にと言わんばかりに。
「父上!」
ラジューナちゃんが、影に抱きついた。
「おお、ラジューナちゃんではないか! 元気だったかーっ?」
影の方も、ラジューナちゃんの頭を撫でる。
ノゾキ魔の正体って、ラジューナちゃんのお父さんだったの!?
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