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最終章 宇宙船の宇宙温泉!? 秘湯ハンターよ永遠に!
宇宙船温泉
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『では、これよりこのダンジョンの温泉を確認したいと思いまーす。毎度おなじみ、シズクです。私は今回、なんと宇宙船に来ております! ご覧ください! これが宇宙を漂っていたのです。はたしてどんなお湯が待っているのか? 早速入ってみたいと思います!』
家族が目の前にいるためか、シズクちゃんも若干緊張気味だ。
「大丈夫なのか? あれ」
「心配だわ」
オケアノスさんとシャンパさんも、気が気ではない。
ボクの方まで、迷いが生じ始めていた。
「リラックスして、シズクちゃん!」
どうにかシズクちゃんをなだめて、お湯を探す。
『すごいです。見たこともない仕掛けが、あちこちに。でも、私にはなぜか仕組みがわかります。なぜなのでしょう?』
宇宙船の中を探索しながら、シズクちゃんがよどみなくレポートする。仕事だと割り切ったのか、進行具合がなめらかになっていった。
『ありました。この大浴場! キレイです。所々が近未来的ですが、安全です!』
ボクが発見したのは、ドーム状のプールだった。熱めにした温水プールである。傾いていた船体は、リムさんの力で水平にしてもらった。とはいえ、上空を覆っていた透明な膜は、再現できそうにない。外壁だけを作って、天井の吹き抜けは残した。
二人でお湯に浸かる。
『気持ちいいです。寒空の中で温水プールとは、なんとも風流ではありませんか!』
これ以上ない、中継模様だ。
前もって、ボクたちは浴室らしき場所を発見している。ずっと放置されていたため、ボクたちの手で掃除は済ませていた。幸い、水さえあればしっかりと動く。驚いたのは、浄水機能があったことだ。これなら、現地の水も安心して飲める。しっかりと考え抜かれた宇宙船だった。
「いい仕事っぷりですね」
「さすが、我が娘だ」
ヴォーパルバニーのご両親も、シズクちゃんの晴れ姿に感動している。
「うむ。これはいい修行場になりそうですな」
クロールをしながら、ニュウゼンさんたちが競っていた。ここを気に入ってくれたみたい。
オケアノスさんとシャンパさんは泳がず、雪見酒を楽しむ。
「最高だな。雪の中に光る月を眺めながら、一献なんて……よぉ、なんだあれ?」
手にしていたワイングラスを、オケアノスさんが落とした。
月のある方角から、何かが迫ってくるではないか。
この地に落ちてきた宇宙船の、数倍の規模を持つスケールの未確認飛行物体だ。
「あれは、いやあれも宇宙船!?」
ボクは、プールから飛び出す。
シズクちゃんも、プールから上がった。プラカートが、手からカランと落ちる。
『無事だったのね、シズク!』
声色がシズクちゃんによく似た女性の声が、宇宙船から響いた。
「……お母さま」
今、シズクちゃんは何を言った?
「全部、思い出しました、カズユキさん。私が何者なのか」
宇宙船をバックに、シズクちゃんが悲しげな顔をする。
「私はシズクリスタ・レッドムーンアイズ。月の王国から来た王女です」
家族が目の前にいるためか、シズクちゃんも若干緊張気味だ。
「大丈夫なのか? あれ」
「心配だわ」
オケアノスさんとシャンパさんも、気が気ではない。
ボクの方まで、迷いが生じ始めていた。
「リラックスして、シズクちゃん!」
どうにかシズクちゃんをなだめて、お湯を探す。
『すごいです。見たこともない仕掛けが、あちこちに。でも、私にはなぜか仕組みがわかります。なぜなのでしょう?』
宇宙船の中を探索しながら、シズクちゃんがよどみなくレポートする。仕事だと割り切ったのか、進行具合がなめらかになっていった。
『ありました。この大浴場! キレイです。所々が近未来的ですが、安全です!』
ボクが発見したのは、ドーム状のプールだった。熱めにした温水プールである。傾いていた船体は、リムさんの力で水平にしてもらった。とはいえ、上空を覆っていた透明な膜は、再現できそうにない。外壁だけを作って、天井の吹き抜けは残した。
二人でお湯に浸かる。
『気持ちいいです。寒空の中で温水プールとは、なんとも風流ではありませんか!』
これ以上ない、中継模様だ。
前もって、ボクたちは浴室らしき場所を発見している。ずっと放置されていたため、ボクたちの手で掃除は済ませていた。幸い、水さえあればしっかりと動く。驚いたのは、浄水機能があったことだ。これなら、現地の水も安心して飲める。しっかりと考え抜かれた宇宙船だった。
「いい仕事っぷりですね」
「さすが、我が娘だ」
ヴォーパルバニーのご両親も、シズクちゃんの晴れ姿に感動している。
「うむ。これはいい修行場になりそうですな」
クロールをしながら、ニュウゼンさんたちが競っていた。ここを気に入ってくれたみたい。
オケアノスさんとシャンパさんは泳がず、雪見酒を楽しむ。
「最高だな。雪の中に光る月を眺めながら、一献なんて……よぉ、なんだあれ?」
手にしていたワイングラスを、オケアノスさんが落とした。
月のある方角から、何かが迫ってくるではないか。
この地に落ちてきた宇宙船の、数倍の規模を持つスケールの未確認飛行物体だ。
「あれは、いやあれも宇宙船!?」
ボクは、プールから飛び出す。
シズクちゃんも、プールから上がった。プラカートが、手からカランと落ちる。
『無事だったのね、シズク!』
声色がシズクちゃんによく似た女性の声が、宇宙船から響いた。
「……お母さま」
今、シズクちゃんは何を言った?
「全部、思い出しました、カズユキさん。私が何者なのか」
宇宙船をバックに、シズクちゃんが悲しげな顔をする。
「私はシズクリスタ・レッドムーンアイズ。月の王国から来た王女です」
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