七人のバ美肉 ~美少女V事務所を立ち上げたら、オッサンたちしか来なかった~

椎名 富比路

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第九章 バレンタインライブ!

第106話 D;Ⅳ ライブ配信

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「どうも、つばさでーす。今日はD;Ⅳディー・フォーのライブ中継だ。みんな、うちわは持ったか? フゥー!」

 オレたち尾鰭おひれはテンションマックスで、D;Ⅳのライブを待つ。

「楽しみですね、みんな!」

「うっす。この日のために、ちゃんこ作って待ってました」

 OYA・KATAが作ってくれたちゃんこ鍋を囲みながら、ライブ視聴をするのだ。

「鍋もウマいが、歌もうまいなー」

「下積み長いもんな、小雪こゆき

 小雪の歌を聞きながら、オレとゆーなちゃんは鍋をつつく。

 尾鰭もライブのレッスンをしていたので、腹が減りまくっているのだ。

「つい最近まで、一回水道代が止まったとか聞いたな」

「すげえな。心が折れるぜ、そんな状態になったら」

 そんな状態でも、レッスンは怠らなかったらしい。一円にもならないのに。

魅罪みつみちゃんも、すばらしいですね」

「セクシーだぁ」

 七光ななひかりちゃんとスケるとんが、魅罪のダンスに見とれている。

 魅罪は妖艶な楽曲に合わせて、大勢のバックダンサーと息を合わせた。
 
 この曲は楽曲解説番組にて、去年のダンス部門ランキングでベストを取っている。
 ノリが良く、ダンスの難易度も高い。

 そんなゲキムズ曲を、魅罪は難なくこなしていた。

「デジ美ちゃん、うんま」

 宇宙人のアバターという設定のデジ美は、音声を加工した歌い方で楽曲を披露する。
 八〇年代のシティポップを、現代風にアレンジしたような曲だ。

「これ、僕のアレンジなんですよ。『●●ってアニメのEDで使うから』というので、依頼を受けました。ボクも大好きなSFアニメのリメイク作品でして」

 t@N.Δ/Mたんでむさんが、裏話を語ってくれた。

 歌詞の世界感がやや古いが、それが懐かしさと新しさを含んでいる。

「マコトちゃんも、カバー曲みたいっすね」

 OYA・KATAが、イントロに反応した。自分の世代の楽曲だという。

 往年の特撮ソングを、マコトが熱唱した。
 やはりスポーツマンだけあって、肺活量がすごい。声が響く、響く。

 その後はまたカバーソングを歌ったり、全員一曲ずつオリジナルソングを発表する。

 ライブも見応えがあったが、D;Ⅳの魅力は曲の合間に入る寸劇だ。
 
 全員がいわゆる「ロールプレイ」を重んじるキャラクターであるがゆえに、コントにも熱を入れている。

「アドリブが見事ですね」と、山梨やまなし 水沢みずさわが芸人らしい感想を述べた。


「よかったぁ。さあ、みなさん、いかがでしたか? 我々もライブを控えているわけですが。ゆーなちゃん、どうでしょう?」

「みんながんばってるのが、すごく伝わってきた。わたしたちもレッスンやってるけどさ、密度が違いすぎるような気がした」

 まあ、ウチはエンジョイ勢だからな。そこまで売り込みに、熱を入れていない。
 
 とはいえ、お客さんに最高のパフォーマンスを見せたい欲求は、めちゃくちゃ高まっている。

「さて、たくさん食べて、たくさんレッスンして、ライブを満喫しましょう! お疲れ様でした!」
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