おっさんとJKが、路地裏の大衆食堂で食べるだけ

椎名 富比路

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第四章 文化祭と秘密とJK

第61話 「ビビンバ」か「ビビンパ」か問題 (サクヤ クラスメイトに設定変更)

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 琴子の通う高校の文化祭は変わっていて、B級グルメという縛りで模擬店を開く。
 単純な屋台や、通り一遍のメイド喫茶はどこもやりたがるので、安易に許可しない。
 
 生徒会がそう決めてしまった。

 よって、変わった趣向のアイデアを出し合い、通った模擬店を採用する。

「他のクラスはどんなのを出すんだ?」
「マカロンアイス。中に凍ったチョコを挟むの。食感がパキッとして最高なんだって」

 聞いてるだけで、うまそうだ。

『アイスモナカ』のマカロン版という安直さもいい。シンプルな分、味も容易く想像できる。アイスマカロンは、コンビニでも人気商品だ。屋台で手軽に食べられるのはいいかも。早く完成品を食べたい。

「ちょっと、ウチの商品を食べて欲しいんですけど?」
 琴子が孝明の肩をさする。

「そのアイスマカロンに勝てる算段は?」
「勝てるか分からないけど、模擬店はやれるはずなんだよね」

 アテはあるらしい。

「実はさ、クラスメイトにサクヤって子がいて、たこ焼きの屋台を持ってるのね。実家がタコ焼き屋らしくてさ」

 ならば、たこ焼きでいいじゃん、と、話がまとまりかけた。
 だが、サクヤ本人はたこ焼きが好きではないらしい。
「もっとオシャレな屋台がいい。考えつかなければ、屋台は貸せない」と言ってきた。

「参っちゃうよね」

「たこ焼きでは、生徒会も納得しないだろうな」

 店員が、ラストオーダーを取りに来た。
「シメは、焼きおにぎりとビビンバ、あと冷麺がオススメですが」

 しばらく麺類が続いたので、冷麺は除外する。

「あたし、焼きおにぎり! ねえコメくん、二人でシェアしない?」
「それいいな。じゃあオレは、石焼きビビンバを」

 シメは決まった。

「かしこまりました。デザートは何に致しましょうか?」

 小さい器のアイスか、サンデーである。

「バニラアイス」
「チョコバナナサンデーをくださーい!」

 琴子が頼んだのは、一番サイズの大きいタイプだ。

「お前、食えるのか? オレもう限界なんだけど?」
「食べられるモーン」

 さすが、これが若さか。

「ねえコメくん、ビビンパなの、ピビンバなの、どっち?」
「どっちでもいよ。ピビンパとかいうが。正確にはピビムパプとか、ややこしいらしい」

 なぜか、琴子はずっと孝明がビビンパを混ぜる様子を伺っている。

「どうした?」



「これだ!」
 唐突に、琴子が立ち上がった。



「なんで、こんな簡単なことに気づかなかったんだろ? バカだな、あたし」
 独り言を言いながら、一人で納得している。

「どうした、コトコト?」

 ふと我に返った琴子が、座り直す。
「ゴメン。ちょっとひらめいた。席外すから食べてて」

 意を決したような顔になって、琴子は席を外す。
 カバンからスマホを出し、好美に電話した。


「あのね好美ちゃん、屋台なんだけどさ、なんとかなるかも!」
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