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第三章 婚約破棄した相手は、海軍の隊長でしたわ!
第32話 深きもののボスと対決ですわ!
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この件に、ラトマが絡んでいるのですね?
姉であるわたくしを憎んで、ラトマは深きものと手を組んだのでしょうか。あるいは、もともと繋がっていたか。
「妹とあなた方のご関係は?」
「オレサマを倒せたら、教えてやらんでもないぜ。もっとも、そんなときは来ねえがなああ!」
ダゴンが、口から触手を伸ばしてきました。
「どちらにせよ、戦ってみればわかりますわ!」
わたくしは、ダゴンに攻撃を加えます。
粘っこい触手をよけて、わたくしは接敵しました。キャンディケインをかざそうとします。
「ルカン、受け身を取って!」
なぜかわたくしの足元に、天井がございました。
触手に足首を取られて、垂直落下させられていたのでございます。
「おっとぉ!」
地面に落ちると同時に身体を丸めて、衝撃を吸収しました。それでも、高いところから落ちましたので、それなりにダメージがあります。
何が起きたのか、わかりませんでした。ですが、相手のファイトスタイルで攻撃パターンが判明します。
「モンクでらっしゃるようで」
「アデプトと呼びな」
「こんな地下迷宮でくすぶっているような方が、熟練者などと」
悟りを開ける方には、とても見えません。見るからに、煩悩まみれ過ぎて。
「だがオレサマはレスリングのマスタークラスだぜ。何百年も修練を重ねている!」
「それが、あなたの敗因ですわ」
わたくしは、キャンディケインを手首に巻きました。素手で勝負を致します。
「ルカン、その構えは!」
手をカギ状にして、わたくしは構えました。カマキリの鎌とも、サカヅキを持つ手とも言えるその様は、まさしく「両手にハサミを持つエビちゃんさん」のようで。
「酔拳の『月牙叉手《げつがさいしゅ》』の構え……違うな。なんだこのヘンテコリンな手の形は?」
ダゴンにも、わからなくて当然ですわ。
「ええ、【水棲五獣の拳】。エビちゃんさんの本家取りですわ」
実はわたくし、ちゃんさんからトレーニングを受けておりました。
いつまでもステイサメさんに頼っている自分に、嫌気が差しておりましたの。戦闘もすべて、ステイサメさん頼り。今のままでは、とても天国の父に顔向けできません。
父だって、「自分を守護してくれるサメを守れる人間になれ」と申したはず。
だから、自分でも戦える力を手にしました。
「オレサマ相手に、レスリングで挑もうってのか?」
「あなたごとき、エビちゃんさん直伝の拳法で叩きのめして差し上げます」
とはいえ、わたくしも見よう見まねの付け焼き刃ですが。
「てめえのインチキ拳法など、オレサマの敵ではない! くらえ触手ドロップキック!」
ローブの下から、イカの触手が伸びてきました。
私は、柱まで身を隠します。
その柱さえ、突き破ってきました。
掴む動作ではなく、蹴りを繰り出してくるとは。
柱のように背骨をへし折って、追加の触手で絡め取って全身バラバラにする戦闘スタイルのようでうわね。
「ヒヒヒ。恐れているのがわかるぜ。今度はてめえの番だ!」
また、触手ドロップキックが迫ってきました。わたくしの脇腹が狙いのようですわね。
「水棲五獣の拳、壱の型ですわ! その挟む攻撃は岩をも砕く、貝の拳ですわ!」
敵が刺突してきた触手を、肘と膝で挟み込みます。
ブチッと、触手が引きちぎれました。
「なにぃ!?」
驚くダゴンの触手を引き寄せ、頭部を胸元で抱え込みます。
「弐の型、その深き穴は、あらゆる大きさをも質量無視で飲み込む。タコツボの拳ですの!」
腕を輪っか状にして、相手を包みました。グルグルと回して、三半規管を狂わせますわ。
「参の型、その色気は相手を惑わし毒をもたらす。アメフラシの拳ですわよ!」
目を回したダゴンを、ギュッと抱き寄せます。
「お、おう」
わたくしの豊満な胸部の圧力に屈し、思わずダゴンが気を緩めました。
相手がしようとしてきた技を、今度はこちらが食らわせます。さば折りというやつですわ。
「ペゲエエ!」
わたくしは、その場に寝転びます。
「この!」
ダゴンが、触手で踏んできました。
片手で立ちながら、わたくしは敵の触手を一本一本、カギ状にした手でちぎっていきます。
「四の型、その棘は攻防一体、ウニの拳でしてよ!」
わたくしは、手をトラのように開きました。
起き上がりながら、キャキャキャと、長い爪で相手の目や全身を突きます。
視界を奪われ、ダゴンがわたくしを探していますわ。
わたくしはというと、相手の眼前でしゃがんでいます。
「ラスト、五の型。その両腕に恐るべき破壊力を持つ……シャコの拳!」
パワーを貯めた状態で、アッパーカットをお見舞いしました。
アゴを砕かれたダゴンが、宮殿の屋上から落ちていきます。
ダゴンが絶命したためか、深きものたちが目に見えて弱体化していきます。
「やったね、ルカン。キミがそんな技を会得しているとは思わなかったよ」
「いざという時に、ステイサメさんをお守りできる力が必要がと感じましたので」
切り札は、味方にすら見せませんことよ。
「それにしても、妹が敵だって」
「ええ。海軍には、わたくしの妹ラトマ・シュヴェーヌマンも在籍していますわ」
その彼女が、深きものと関わっているなんて。
姉であるわたくしを憎んで、ラトマは深きものと手を組んだのでしょうか。あるいは、もともと繋がっていたか。
「妹とあなた方のご関係は?」
「オレサマを倒せたら、教えてやらんでもないぜ。もっとも、そんなときは来ねえがなああ!」
ダゴンが、口から触手を伸ばしてきました。
「どちらにせよ、戦ってみればわかりますわ!」
わたくしは、ダゴンに攻撃を加えます。
粘っこい触手をよけて、わたくしは接敵しました。キャンディケインをかざそうとします。
「ルカン、受け身を取って!」
なぜかわたくしの足元に、天井がございました。
触手に足首を取られて、垂直落下させられていたのでございます。
「おっとぉ!」
地面に落ちると同時に身体を丸めて、衝撃を吸収しました。それでも、高いところから落ちましたので、それなりにダメージがあります。
何が起きたのか、わかりませんでした。ですが、相手のファイトスタイルで攻撃パターンが判明します。
「モンクでらっしゃるようで」
「アデプトと呼びな」
「こんな地下迷宮でくすぶっているような方が、熟練者などと」
悟りを開ける方には、とても見えません。見るからに、煩悩まみれ過ぎて。
「だがオレサマはレスリングのマスタークラスだぜ。何百年も修練を重ねている!」
「それが、あなたの敗因ですわ」
わたくしは、キャンディケインを手首に巻きました。素手で勝負を致します。
「ルカン、その構えは!」
手をカギ状にして、わたくしは構えました。カマキリの鎌とも、サカヅキを持つ手とも言えるその様は、まさしく「両手にハサミを持つエビちゃんさん」のようで。
「酔拳の『月牙叉手《げつがさいしゅ》』の構え……違うな。なんだこのヘンテコリンな手の形は?」
ダゴンにも、わからなくて当然ですわ。
「ええ、【水棲五獣の拳】。エビちゃんさんの本家取りですわ」
実はわたくし、ちゃんさんからトレーニングを受けておりました。
いつまでもステイサメさんに頼っている自分に、嫌気が差しておりましたの。戦闘もすべて、ステイサメさん頼り。今のままでは、とても天国の父に顔向けできません。
父だって、「自分を守護してくれるサメを守れる人間になれ」と申したはず。
だから、自分でも戦える力を手にしました。
「オレサマ相手に、レスリングで挑もうってのか?」
「あなたごとき、エビちゃんさん直伝の拳法で叩きのめして差し上げます」
とはいえ、わたくしも見よう見まねの付け焼き刃ですが。
「てめえのインチキ拳法など、オレサマの敵ではない! くらえ触手ドロップキック!」
ローブの下から、イカの触手が伸びてきました。
私は、柱まで身を隠します。
その柱さえ、突き破ってきました。
掴む動作ではなく、蹴りを繰り出してくるとは。
柱のように背骨をへし折って、追加の触手で絡め取って全身バラバラにする戦闘スタイルのようでうわね。
「ヒヒヒ。恐れているのがわかるぜ。今度はてめえの番だ!」
また、触手ドロップキックが迫ってきました。わたくしの脇腹が狙いのようですわね。
「水棲五獣の拳、壱の型ですわ! その挟む攻撃は岩をも砕く、貝の拳ですわ!」
敵が刺突してきた触手を、肘と膝で挟み込みます。
ブチッと、触手が引きちぎれました。
「なにぃ!?」
驚くダゴンの触手を引き寄せ、頭部を胸元で抱え込みます。
「弐の型、その深き穴は、あらゆる大きさをも質量無視で飲み込む。タコツボの拳ですの!」
腕を輪っか状にして、相手を包みました。グルグルと回して、三半規管を狂わせますわ。
「参の型、その色気は相手を惑わし毒をもたらす。アメフラシの拳ですわよ!」
目を回したダゴンを、ギュッと抱き寄せます。
「お、おう」
わたくしの豊満な胸部の圧力に屈し、思わずダゴンが気を緩めました。
相手がしようとしてきた技を、今度はこちらが食らわせます。さば折りというやつですわ。
「ペゲエエ!」
わたくしは、その場に寝転びます。
「この!」
ダゴンが、触手で踏んできました。
片手で立ちながら、わたくしは敵の触手を一本一本、カギ状にした手でちぎっていきます。
「四の型、その棘は攻防一体、ウニの拳でしてよ!」
わたくしは、手をトラのように開きました。
起き上がりながら、キャキャキャと、長い爪で相手の目や全身を突きます。
視界を奪われ、ダゴンがわたくしを探していますわ。
わたくしはというと、相手の眼前でしゃがんでいます。
「ラスト、五の型。その両腕に恐るべき破壊力を持つ……シャコの拳!」
パワーを貯めた状態で、アッパーカットをお見舞いしました。
アゴを砕かれたダゴンが、宮殿の屋上から落ちていきます。
ダゴンが絶命したためか、深きものたちが目に見えて弱体化していきます。
「やったね、ルカン。キミがそんな技を会得しているとは思わなかったよ」
「いざという時に、ステイサメさんをお守りできる力が必要がと感じましたので」
切り札は、味方にすら見せませんことよ。
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