Z級スキル『サメ使い』の令嬢! ~呪われしスキルを手にして追放された令嬢は、サメの勇者に拾われて義賊三昧ですわっ!~

椎名 富比路

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最終章 侵略者に、サメのアゴを食らわせて差し上げますわ!

第45話 妹とわたくしでは年季が違いまして!

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 赤いサメがこちらに振り返りました。ステイサメさんのようなフードではなく、顔がサメでした。口に赤いマグマが光ります。

「ルカン! 気をつけて!」

 ステイサメさんが、敵に反応しました。二倍以上の体格差がある相手に、飛び蹴りを食らわせます。

 赤いサメがマグマを、空へ吹き出しました。

 飛び散ったマグマが、聖域に飛来してきます。

「あっぶねえ!」

 デジレが上空へバリアを張って、わたくしたちを守りました。

「ありがとうございます、デジレ!」
「いやあ、これが精一杯だ。酒をくれぇ……」

 ヘナヘナと、デジレはしぼむように倒れ込みます。

「いい反応ね。あなたのサメは」

 戦略を潰されて、ラトマが悔しがりました。

「深きものも、サメを使えるとは」
「ええ。天敵の力を手に入れたわ。もっとも、あたしが操れるのはコイツだけだけれども」

 ラトマが、赤いサメ男の腕をなでます。直後、ラトマは腕を叩きました。

 それが合図と思ったのか、赤いサメがステイサメさんに襲いかかります。

「ルカンは下がってて!」

 ステイサメさんが、相手にあびせ蹴りを仕掛けました。

「母はあたしに自分の力を与えただけでなく、サメ使いとしての力を手に入れさせた。シュヴェーヌマンの体液を欲したのは、このためよ」

 すべては、サメ使いを倒すため。彼女はマシーンとして育てられたそうです。

「その割には、苦戦してらっしゃるようですが?」
「なにをバカ……な!?」

 自分より遥かに体格差のある相手に、ステイサメさんは奮闘しています。敵が力押しでかかってきても、すり抜けて一撃を浴びせました。

「どうして? 力はこちらのほうが遥かに上なのに!?」
「決まっています。絆の力ですわ!」

 わたくしとステイサメさんは、数々の修羅場をくぐり抜けてきています。

「あなたたちが送り込んできた刺客と、どれだけの戦いがあったと思いまして? それはもう、命がけでしたわ!」

 旅の中で、多くの仲間とも出会いました。新しい技も、会得しています。

「あなたは、目の前にいるものを、ただ壊しただけ。それで、成長したと言えるでしょうか?」
「黙れ!」

 わたくしの言葉に激昂したラトマが、チェーンソーを振り回しました。

「気をつけろ。そいつのチェーンソーは、ワタシのヨロイも砕くぞ!」

 砂浜に倒れながら、エビちゃんさんがアドバイスをくれます。

 たしかに、彼女のプロテクターはボロボロでした。

 ヤリで、チェーンソーを受け止めます。

 バチバチ! と、ヤリとチェーンソーが火花を散らしました。

「チェーンソーは、相手を切り刻むだけじゃないのよ!」

 グリン! と、ラトマが宙返りをします。チェーンソーの回転を使うとは。

 ラトマはカカト落としを、わたくしの顔めがけて食らわせようとします。

 こちらもヤリを地面に突き刺して、クルンと身体を回転させました。

「なあ!?」
「甘いですわ!」

 わたくしは、ラトマの脇腹にキックの一撃を食らわせます。
 
「それだけでは、ありません。あなたのお母様であるメイドのナイアさんは、わたくしにはよくしてくださいましたわ」

 幼少期にわたくしを鍛えてくださったのは、デジレのような悪ガキ共とナイアさんでした。

 悪ガキからは、世間への対処を。

「人として、できた方だったのでは?」

 わたしが発言すると、ラトマが大笑いします。目は、笑っていません。

「あの女が、できた女ですって? あいつは、あなたを監視するためにあの屋敷にいただけ。殺そうと思えば、いつでも殺せたのよ! だけど母は、あなたを殺しはしなかった。あなたが、この聖域にいける唯一の手がかりだったから」
「たったそれだけの理由で、わたくしは生かされていたのでしょうか?」
「なにい!? 貴様、生まれてからずっと姉である貴様と比較されてきたあたしの気も知らず!」

 ラトマが、激怒します。

 それだけ、ラトマはナイアさんから愛情をもらえなかったのでしょう。
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