おひとりさま男子、カップルYouTuberになる ~他校に進学した優等生JKが婚約者だった~

椎名 富比路

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第三章 デート? 違う! 遠出だっ!

第17話 デートの後の撮影会

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 その後、オレと夢希ムギはたこ焼きを購入した。フードコートでドリンクを買い、たこ焼きを開ける。おやつタイムが終わっているためか、フードコーナーは案外空いていた。

「いくよ。快斗カイト。あーん」

「あーん」

 ようやく、カップルらしいことをしたような気がする。こういうことをするために、自宅領域の外に出たんだからな。この付近なら、クラスメイトとも会うまい。

 夢希のたこ焼きが、オレの口に入る。

 この上ない、最高の時間だ。

「うがっ!?」

 思いの外、たこ焼きが熱くなければ。

「あふあふ!」

「快斗、大丈夫?」

「平気平気。よし、飲み込んだぞ」

 半分涙目になりながら、オレはたこ焼きを食い終える。

「今度は、オレな。あーん」

 たこ焼きを楊時に刺して、夢希の口へと運ぶ。

「あふん。ん! 確かにあっつい!」

 口をおさえながら、夢希がホフホフとたこ焼きを噛む。かわいい。

「んふんふ。おいひい」

 たこ焼きの味がわかるくらいには、冷めたようだ。夢希が笑顔になる。

「夢希って、たこ焼きが好物なんだな」

「好物というより、誰かと食べたいのがたこ焼きかなって」

 買い食いがしたいという憧れも、あったらしい。

「そうか。夢は実現できたのかな?」

「最っ高」

 さらにオレたちは、フードコートにある丸型ドーナツ六個入りを買う。色んな味を楽しんだ。

「今度、やってみたいゲームとかはあるか?」

「動画配信が関係ないゲームは、遊んでるよ」

「どんな?」

「古いRPGが、セールで売ってるの。サイトで買って、ノートPCで進めてる」

 聞くと、オレじゃなくても知ってる王道RPGの名前が出てきた。

「あれは最高だよな。オレの親の代から存在する名作らしいし」

「スマホ版もあったんだけど、PC版が出たからやってみた。サクサク進めてオススメだよ」

「おお。いいな。そうやって息抜きしてるんだな」

「快斗は?」

「縦型シューティングだ。夢希と暮らす前は、そればっかりやってた。ウチに夢希が来てから、ようやくパーティゲームを楽しめるようになっていったな」

 雑談をするオレたちだが、学校は話題にしない。学校にたいして、思い入れがないからだ。

「その、さ。配信が関係なかったら、どんなデートがしたい?」

 夢希から、唐突に質問が飛んできた。

「そうだな。もっと静かな場所で会話がしたい。会話できなくても、そばにいてほしいかな?」

「うんうん。一緒に映画でも見る?」

「だな。帰ったら、二人で映画でも見るか。涼しい部屋で」

「あー。今はダメ」

「どうして?」

「帰ってからの、お楽しみ」

 なんだろうな? 家で用意している催しでもあるのか?

 ナポリタンを買って、家に帰ってきた。

 星梨セイナおばさんを一人残して外食はできないと、オレたちは三人分のナポリタンを買って帰ってきた。


「おかえりなさい!」

「ただいま、おばさん。はーあ。涼しい!」

 玄関を開けると、さっそくエアコンの恩恵を受ける。

「じゃあ、夕飯にしようか?」

「そうだな。ちゃんと買ってきたから」

「わお! 白ナポもあるじゃん!」

 白いナポリタンとは、ニンニクと塩の効いた独特のナポリタンだ。明日は日曜日なので、匂いを気にしなくていい。

 他にはレギュラーのナポリタンと、カレー味がある。

「どれが好きかわからないから、全種類買ってみました」

「いただきまーす」

 三種類のナポリタンを小皿に分けて、三人でシェアし合った。

「うん! 白ナポうまー」

 星梨おばさんは、お箸で白いナポリタンに食らいつく。

 たしかに、うまい。トッピングのベーコンとの相性も最高だ。

「明日は人と合う約束はねえよな?」

「ないない。明日はオフにしようか。動画もある程度、集まってきたし」

 小出しにしながら、動画合宿に備えるという。

「基本は毎日投稿して、様子見かしらねー」

 動画のできが悪くても、毎日露出し続けることが大事だと、星梨おばさんは主張した。 

「はあ。おいしかった」

 お腹を擦りながら、星梨おばさんは缶のジンソーダを平らげる。

「じゃあ、撮影会をします」

 急に、夢希が浴室へと引っ込んだ。

 まさか、風呂を撮影しろとか言い出さないよな? 夢希のことだから、その可能性は低い。

 数分後、オレが選ばなかった水着を着て、キッチンに現れる。競泳水着だ。

「ささ快斗、撮影して」

 ポーズを取りながら、夢希が催促してきた。

 星梨おばさんが、満足げな笑みを浮かべている。

「さては、余分に金を渡していた理由はこれか?」

「ふふーん。抜かりはありませんわよ」

 昼飯代やおみやげ代にしては、やたら高額だと思っていたが。

「水着は、ウチの備品! 撮影機材です!」

 あくまでも経費だと、星梨おばさんはいい切る。

 夢希は一旦退場し、バンドゥという、肩ヒモがないタイプのビキニに着替えてきた。JKの粋を超えている。

 気がつくと、おばさんもバンドゥに着替えていた。事前におニューの水着を、夢希に選んでもらっていたらしい。肉付きのいい夢希と違って、おばさんはスレンダーである。ショートカットだから、ややボーイッシュとも言えた。

「これも、動画にするのか?」

 スマホで夢希を撮りながら、オレは質問をふる。

「ある程度は。でも、お気に入りは」

 夢希がウインクをした。

「個人用でいいよ」
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