おひとりさま男子、カップルYouTuberになる ~他校に進学した優等生JKが婚約者だった~

椎名 富比路

文字の大きさ
40 / 70
第七章 次のコラボはバーチャルからの刺客!?

第40話 モミおじ

しおりを挟む
 夢希ムギが抗議の声を上げる。

「ひゃあ。やめてくださいモミジさん」

 たしかにモミジの手は、夢希のヒップをニュッと握りしめていた。

「モミジって呼ばないと、やめないぞ」

「モミジ、め、です」

「あーんかわいいーい。かわいいーい」

 あまりにかわいいのか、「い」が一個多い。


 モミジは夢希の尻から、パッと手を離す。

「あたしは女の子の身体をまさぐるのが、楽しみなのだ」

「おそらくそういうことをするから、友だちをなくしたのでは?」

 オレがツッコミを入れると、モミジが「うっ」とうめいた。心当たりがありすぎるようである。

「……かもしれないが、こればかりはやめられん!」

 開き直ったぞ、モミジのやつ!

「思考がおじさんすぎます!」

「毎日毎日、女体デッサンに明け暮れれば、こうもなろう!」

 趣向をカミングアウトしたばかりでなく、モミジはデタラメな謎理論で武装してくる。

「うりゃあ」

 唐突に、モミジは夢希のバストを鷲掴みにした。

「うひゃあ!」

「いやあ、デカいね。あたしとどっちがいいかな? あたしの方が、モチッとしてるね。あんたは弾力があって、うらやま」

「やめ」

 夢希が抵抗しようとしても、モミジの手はスッとすり抜けてしまう。

「ちょっと、触り方が、いやらしい」

「よいではないか。もっとおじさんに揉ませるのだ」

「やめてぇ」

 モミジの手つきは、夢希の脇の下や太ももにまで及んだ。

「この子、紅葉っていうより『モミおじ』だな……」

「いいですね、『モミおじ』。すばらしいネーミングだと思います」

 オレがポロッと出したあだ名を、ベニマル先生は気に入ったようである。

「うん、モミおじかー。そうかもしれん」

 当のモミジも、妙に納得していた。

「女性といると、いつもこんな感じなんですか?」

 母親であるベニマル先生に、聞いてみた。

「中学の時は、もっとおとなしかったのですが。娘はいわゆる、高校デビューというものでして」

 ベニマル先生が、スマホを見せてきた。

「ちなみにこちらが、中学当時の写真です」

 スマホには、黒髪の三つ編みおさげな少女が。スカートもヒザから上が見えない。これが、モミジだって?

「ぎゃーッ!」

 夢希から瞬時に離れて、モミジが母親のスマホを消す。

「だめだめ。自分にされたらイヤなことは、人にしないっ」

「そのブーメランはそっくりそのまま、あなたに返します。反省なさい」

「うう、ごめんなさい」

 気を取り直して、今回の目的を聞かせてもらう。

「コラボということですが、どういった趣旨で?」

「コスプレ!」

 モミジが、代わりに答えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

居酒屋で記憶をなくしてから、大学の美少女からやたらと飲みに誘われるようになった件について

古野ジョン
青春
記憶をなくすほど飲み過ぎた翌日、俺は二日酔いで慌てて駅を駆けていた。 すると、たまたまコンコースでぶつかった相手が――大学でも有名な美少女!? 「また飲みに誘ってくれれば」って……何の話だ? 俺、君と話したことも無いんだけど……? カクヨム・小説家になろう・ハーメルンにも投稿しています。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~

root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。 そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。 すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。 それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。 やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」 美人生徒会長の頼み、断れるわけがない! でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。 ※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。 ※他のサイトにも投稿しています。 イラスト:siroma様

処理中です...