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最終章 カップルYouTuber、決意の……
第64話 サービスエリア
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オレたちは、サービスエリアに到着した。
手洗いを済ませ、早めの昼食に。
「うわああ。めちゃうまそう」
ひとことでサービスエリアと言っても、こちらはまだ目的地からは遠い。ご当地の品などはなく、現地でも食えるものばかりだ。とはいえ、なんでもないメニューが並んでいるのに、妙にそそられる。
小春《コハル》さんたちは、屋台のタコ焼きをマジマジと見つめていた。やはりタコ焼き屋として、商売敵は気になる模様。とはいえ、買ったのはみんなで分けられるお好み焼きだったが。
ベニマル先生と星梨おばさんも、同じものを頼んでいる。軽いものが欲しかったらしい。
夢希はしょうゆラーメン。オレはカツ丼を頼む。
「ホントは、これに瓶ビールがつくんだよね?」
「コーラで代用しようぜ」
ガラスコップに、二人分の瓶コーラを注ぐ。
最初はナメるように口をつけ、一気にぐいっと煽った。グラスを両手で持ちながら。
「なんそれ?」
「超有名な映画の、ワンシーンの再現」
出所したばかり主人公が、大衆食堂でビールを飲む場面だ。
夢希に至っては、店のカウンターに貼られたメニュー表を見てツバを飲むシーンも再現していた。本格的だな。
「頼むのも、すぐエネルギーになる炭水化物ばっかりでさ」
「いかにも『空腹!』って感じがして、いいんだよ」
実は醤油ラーメンとカツ丼は、主人公が二つとも頼んでいる。
「主人公の役者さん、酒が飲めなかったらしい」
「あと、まる二日食べないであのシーンを撮影したらしいよ」
「だから、あんななんでもない場面なのに感慨深いんだろうな」
「定食屋で、ご飯食べてるだけなのにね」
お互いの料理をシェアし合いながら、映画のことを語り合う。
「人情モノってあんまり見ないから、見識深まるわー」
「せやな。ウチらはギャルらしく、おしゃんなもん食べよーや」
「ギャルはおしゃんって言わん」
「せやろか?」
癒乃とモミジは今回、初対面のはずだ。なのにどうしてこんな息のあった漫才が、一瞬で始まってしまうのか。
そこからさらにドライブをして、二時間が経過した。三回のトイレ休憩をはさみ、とうとうキャンプ場に到着した。
「目の前、海じゃん! 水着着る?」
いきなりモミジが服を脱ぎだす。小学校高学年の少年もいるというのに、日焼け跡が残る背中をバッチリを目に焼き付けさせる。
「いやモミやん。二日目が温水プール付きホテルで、宿泊やねんて。水着はそんときに着ようや」
「そうなん?」
モミジが、上着を着直した。
だが、男の子たちの性癖は確実に歪んだと思われる。
手洗いを済ませ、早めの昼食に。
「うわああ。めちゃうまそう」
ひとことでサービスエリアと言っても、こちらはまだ目的地からは遠い。ご当地の品などはなく、現地でも食えるものばかりだ。とはいえ、なんでもないメニューが並んでいるのに、妙にそそられる。
小春《コハル》さんたちは、屋台のタコ焼きをマジマジと見つめていた。やはりタコ焼き屋として、商売敵は気になる模様。とはいえ、買ったのはみんなで分けられるお好み焼きだったが。
ベニマル先生と星梨おばさんも、同じものを頼んでいる。軽いものが欲しかったらしい。
夢希はしょうゆラーメン。オレはカツ丼を頼む。
「ホントは、これに瓶ビールがつくんだよね?」
「コーラで代用しようぜ」
ガラスコップに、二人分の瓶コーラを注ぐ。
最初はナメるように口をつけ、一気にぐいっと煽った。グラスを両手で持ちながら。
「なんそれ?」
「超有名な映画の、ワンシーンの再現」
出所したばかり主人公が、大衆食堂でビールを飲む場面だ。
夢希に至っては、店のカウンターに貼られたメニュー表を見てツバを飲むシーンも再現していた。本格的だな。
「頼むのも、すぐエネルギーになる炭水化物ばっかりでさ」
「いかにも『空腹!』って感じがして、いいんだよ」
実は醤油ラーメンとカツ丼は、主人公が二つとも頼んでいる。
「主人公の役者さん、酒が飲めなかったらしい」
「あと、まる二日食べないであのシーンを撮影したらしいよ」
「だから、あんななんでもない場面なのに感慨深いんだろうな」
「定食屋で、ご飯食べてるだけなのにね」
お互いの料理をシェアし合いながら、映画のことを語り合う。
「人情モノってあんまり見ないから、見識深まるわー」
「せやな。ウチらはギャルらしく、おしゃんなもん食べよーや」
「ギャルはおしゃんって言わん」
「せやろか?」
癒乃とモミジは今回、初対面のはずだ。なのにどうしてこんな息のあった漫才が、一瞬で始まってしまうのか。
そこからさらにドライブをして、二時間が経過した。三回のトイレ休憩をはさみ、とうとうキャンプ場に到着した。
「目の前、海じゃん! 水着着る?」
いきなりモミジが服を脱ぎだす。小学校高学年の少年もいるというのに、日焼け跡が残る背中をバッチリを目に焼き付けさせる。
「いやモミやん。二日目が温水プール付きホテルで、宿泊やねんて。水着はそんときに着ようや」
「そうなん?」
モミジが、上着を着直した。
だが、男の子たちの性癖は確実に歪んだと思われる。
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