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第四章 魔獣少女とお嬢様! 本当の敵は!?
第36話 魔獣少女と、手合わせ
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『ヒトエ! お前、大丈夫なのか? あんな約束なんてして!』
帰宅後、わたしはバロール先輩から叱責を受けた。
「勝てるかどうかなんて、わかんないよ」
『マジで言ってんのか? 勝てなかったら、アイツの思うツボだぜ』
わかっている。
イヴキ様は自由を手に入れて、警察署を襲うだろう。自分の家族に手をかけた殺人犯に引導を渡すに違いない。魔獣少女の力を使って。
絶対に、そんな事態は避けなければ。
こちらも捨て身でかからねば、わたしの意思は相手に伝わらない。
ベッドに寝転びながら、わたしはなかなか寝付けなかった。決して、足の痛みだけではない。
一週間後、決戦の当日を迎える。
本当は護身術の道場で、と思ったのだが、イヴキ様がお家まで招待してくれた。
赤いリムジンに乗って、家まで入れてもらう。
「うわあ、すごい!」
窓の向こうを眺めながら、ユキちゃんが子どものようにはしゃぐ。
「こちらがお庭よ。それだけで、野球場くらい大きいのよ」
「とんでもねえな」
臨也さんの解説に、マナさんが舌を巻く。
「お嬢様は、奥の間にいらっしゃいます。こちらへ」
「ありがとう、お姉ちゃん」
ユキちゃんが、亜希さんの後ろについていった。
「いつもありがとう、お姉ちゃん。私のために治療費まで出してくれて」
「治療費?」
「私ね、身体が弱かったの。中学卒業まで行きられないだろうって言われていて」
そんなに、ユキちゃんって病弱だったのか。今の姿からは、考えられない。
「私を治すために、お姉ちゃんはイヴキ様の元で働くようになったんだよ。病気が治った後も、借金を返すために働いているの」
「大変だな」
ユキちゃんとマナさんが、心配げな目を見せる。
「あなたは、なにも気にしなくていいのです。私は、あなたを治したかったから行動を起こしただけ」
「でもありがとう。恩返しするから」
「生きているだけで、恩返ししてもらっていますよ」
ユキちゃんたちは、別室で遊んでもらう。
わたしは、地下にある道場へ招かれた。
「ようこそ、来栖さん」
道場の中央で、赤い道着を着たイヴキ様が座ったまま礼をする。
わたしも、お辞儀をした。
「同義はお貸しします。手持ちでよければ、それで」
「いりません。この格好で戦います」
わたしは、TシャツとGパンだけで挑む。
靴下だけ脱がせてもらった。
「動きづらくありませんこと?」
「古武術は、実践形式のケンカ殺法。いつどこでも戦うのがモットーです」
もっといえば、「道着など甘え」なのだ。
実戦では、道着を着たり準備運動などをしたりなんて余裕もなし。
しかし、言わないでおく。
「護身術とは違った、覚悟をお持ちなのですね?」
「はい」
「いつ始めま――」
声をかけられる前に、わたしはイヴキ様に右フックを食らわせた。
「もう始まっています」
さっきも言ったはず。これは実戦だと。
帰宅後、わたしはバロール先輩から叱責を受けた。
「勝てるかどうかなんて、わかんないよ」
『マジで言ってんのか? 勝てなかったら、アイツの思うツボだぜ』
わかっている。
イヴキ様は自由を手に入れて、警察署を襲うだろう。自分の家族に手をかけた殺人犯に引導を渡すに違いない。魔獣少女の力を使って。
絶対に、そんな事態は避けなければ。
こちらも捨て身でかからねば、わたしの意思は相手に伝わらない。
ベッドに寝転びながら、わたしはなかなか寝付けなかった。決して、足の痛みだけではない。
一週間後、決戦の当日を迎える。
本当は護身術の道場で、と思ったのだが、イヴキ様がお家まで招待してくれた。
赤いリムジンに乗って、家まで入れてもらう。
「うわあ、すごい!」
窓の向こうを眺めながら、ユキちゃんが子どものようにはしゃぐ。
「こちらがお庭よ。それだけで、野球場くらい大きいのよ」
「とんでもねえな」
臨也さんの解説に、マナさんが舌を巻く。
「お嬢様は、奥の間にいらっしゃいます。こちらへ」
「ありがとう、お姉ちゃん」
ユキちゃんが、亜希さんの後ろについていった。
「いつもありがとう、お姉ちゃん。私のために治療費まで出してくれて」
「治療費?」
「私ね、身体が弱かったの。中学卒業まで行きられないだろうって言われていて」
そんなに、ユキちゃんって病弱だったのか。今の姿からは、考えられない。
「私を治すために、お姉ちゃんはイヴキ様の元で働くようになったんだよ。病気が治った後も、借金を返すために働いているの」
「大変だな」
ユキちゃんとマナさんが、心配げな目を見せる。
「あなたは、なにも気にしなくていいのです。私は、あなたを治したかったから行動を起こしただけ」
「でもありがとう。恩返しするから」
「生きているだけで、恩返ししてもらっていますよ」
ユキちゃんたちは、別室で遊んでもらう。
わたしは、地下にある道場へ招かれた。
「ようこそ、来栖さん」
道場の中央で、赤い道着を着たイヴキ様が座ったまま礼をする。
わたしも、お辞儀をした。
「同義はお貸しします。手持ちでよければ、それで」
「いりません。この格好で戦います」
わたしは、TシャツとGパンだけで挑む。
靴下だけ脱がせてもらった。
「動きづらくありませんこと?」
「古武術は、実践形式のケンカ殺法。いつどこでも戦うのがモットーです」
もっといえば、「道着など甘え」なのだ。
実戦では、道着を着たり準備運動などをしたりなんて余裕もなし。
しかし、言わないでおく。
「護身術とは違った、覚悟をお持ちなのですね?」
「はい」
「いつ始めま――」
声をかけられる前に、わたしはイヴキ様に右フックを食らわせた。
「もう始まっています」
さっきも言ったはず。これは実戦だと。
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